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啓文堂文庫大賞の広告で見て。
青いスーツケースを巡る旅や人生のお話。
三十歳を目の前にした女性たちの気持ちや言葉が、
心にずきずきと突き刺さった。
そんな年頃は遠い過去となった自分でさえそうならば、
同年代の読者にはどうなんだろうとちょっとだけ心配になったぐらい、
「気持ち」が描かれていた。
もちろん、希望のある心温まる話なのだが。
旅の話自体も面白かった。
香港の豪華なホテルに泊まって、
日常をリセットする花恵の気持ちもよく分かったし、
公共交通機関を利用したり、地元の食堂を楽しむゆり香の旅も楽しそうだった。
そして、何やかにや言っても、友だちとは素敵なものだ。
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<学生選書コメント>
あなたの旅に幸多かれー。
青いスーツケースが出てくる短編集。
また旅行に行きたいと思う一冊です。
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29
めちゃくちゃよい。
一つのスーツケースが、さまざまな人たちの思いを託し託されて巡っていく。
ひとり旅なんて無理だって、行くから二、三年後や老後にって言われて、行きたいところに自分で行けるようになるって決意したところすごくよかった。
大きな望みは叶わないことが多いから、小さい望みを叶えていくって素晴らしい。
次の話の、香港で高級ホテルに泊まる話で贅沢なんて当たり前だと思う人になりたかったと丁寧に扱われたいだけって言葉すごくわかる。
あとゆり香、かっこいい女だよ君は!
2019.04.18
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表紙に魅かれ、ジャケ買い。
さらっと読めるので気分転換によい1冊。
「青いスーツケース」と旅をする人たちの短編集。さわやかな今のシーズンにぴったり。
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少しだけ不思議で、でもこんな偶然はきっと私のそばにもあるんだろうな、あったらいいなって思う。最後のお話がほろ苦いけど、それがまた味わい深かった。
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「好きなように生きているのだから、不幸せなはずはない。でも、今が幸せだから、三十年後に不幸になってもいいとまでは割り切れない。」(81ページ)
いろんな性格で、いろんな人生を歩みながら、
一つのスーツケースと共に、
悩み、立ち止まり、進んでいく。
飾りのようなパーティーバッグではなく、
酷使されるスーツケースだからこそ、
たとえぼろぼろになったとしても、
いろんな風景を見て感ることができるのだ。
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一つの青い革のスーツケースが共通項の連作短編集
何度も書いてるけど、こんな連作短編集が好きなんだよなー
それぞれの出来事がこんなところで繋がってるのか!という驚きが好き
全ての話で結構ネガティブなところがある
真美さんの過去の出来事とか、仲間内の虚栄心や嫉妬やら、男の醜いプライドとかね
最後の話は、東野圭吾の「手紙」っぽく感じたところもある
まぁ、こっちはまったく同情の余地がないけどね
個人的には旅行はそんなに必要ではない
海外旅行は社員旅行で韓国、新婚旅行でモルディブ行ったくらい
もう海外は行かないんじゃないかな?
海外行くくらいなら国内で行きたいとこがあるし
国内の遠くに行くくらいなら近県で行ってないところもあるし
近県どころか県内でも1日の休みで行けるところに行ったこともないし
まぁ、根が出不精だから仕方がない
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著者お得意の短編集。
フリーマーケットで出会った青い革のスーツケース。
これをめぐる物語で、最初は「幸せのスーツケース」だけど、それだけではなくて、じぶんの抱えているものが明らかになったりする。
面白かったです。
もう少し読みたい、という直前でおわって次の話しに続く、このさじ加減がうまい。
ビストロシリーズも好きだけど、こちらも好き。
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人が考えてることは、どんなに仲良くてもわからないよな。
自分の心を解放しよう。
海外旅行に行きたくなった。
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青いスーツケースにまつわる短編集。だいたい一話に嫌な奴が一人でてくる。人の挑戦を阻止しようとする奴、人の価値観を否定する奴、プライドをズタズタにされたことから子供じみた嫌がらせをする奴。それでも主人公達は自分の意思を尊重し、自分の良しとするままに行動していく。
大学から仲の良い4人組でも、それぞれ一対一だと接し難い友達もいるし、何をするにも人生はざくろのように最初だけ素晴らしくて、時間が経つにつれ厄介でしか無いと思ってしまう事も共感できた。
生きていると様々なことが変化していく。出産すれば1人で旅になんてなかなか出られなくなると思うし、結婚してもそう。でもその変化が新しい幸福を運んでくれる事もある。だからこそ今を大切にしたいと思ったし、変化する環境も楽しめたらいいなと思った。
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この夏休みに久しぶりに一人で旅行することにして、移動中に何か読もうと適当に選んだのだけど、結果、旅行のお供にぴったりの本だった。
旅行をめぐる全9話からなる連作短編集で、甘さあり、辛さあり、苦味もありちょうど良いバランスだった。「ああ良かった」で終わるのではなく最終話はやや意外な展開。でも読後感はさわやかだった。
個人的には第一話が好きで、自分の人生なんだから遠慮しないでやりたい事をやっていいんだ、と思って元気が出る。
近藤史恵さんは初めてだが、とても引き出しの多い作家さんみたいなので、他の作品もぜひ読んでみたくなった。
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旅にまつわるオムニバス小説。
どれもほっこりするお話なのに
共感して心に刺さるような
フレーズも散りばめられていて、
どこか現実味もあるような。
どの登場人物も応援したくなった。
幸せを運ぶスーツケースは
使った人たちにきっかけを与えた。
そのスーツケースに入っていた
「あなたの旅に、幸多かれ」
のメッセージの裏にもちゃんと
物語があったんだなぁ、と。
そこから素敵な連鎖は始まったんだな。
ほっこりするけどそれだけじゃない。
ただ、誰が読んでも間違いなく
旅に出たい気持ちにさせられると思う。
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読み始めてすぐの第一印象。
「これは、おっさんが読むもんじゃねぇな」(^ ^;
何と言うか、オシャレ女性誌の後の方に
連載されているような小説(^ ^;
お分かりいただけますでしょうか(^ ^;
「ネタ」がすべて小粒で、盛り上がりも落ち込みも
前後にも左右にも振り幅が小さめな印象。
全9編の短編集で、分量的にも「狙い」としても
「一番大きく動くシーン」を敢えて書かないので、
勢い全体的に薄味な印象(^ ^
こう書いてると「悪口」に見えるかも知れませんが(^ ^;
小粒な分、もの凄く「現実味」があるのも事実。
本の前半に出てくる「大学時代の仲良し四人組」など、
二十代後半の女性の「普通の」暮らしなんて、
ドラマみたいなことがそうそう起こる訳でもなし、
実際にはこんな感じなんだろうなぁ...というのが、
おっさんが読んでても実感できて(^ ^;
(失礼な言い方ながら)大したことない人生で、
でも皆それぞれに悩み、闘い、成長していく様は、
若い女性の等身大の姿を描いているように読める。
ナウなヤングの生態を学ぶには良い一冊かも(^ ^;
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勇気をもらえる本。
自分として生きようと思える本。
普通に生きる女子なら、きっとよんでほろりとしたり、ホッとしたり、切なくなったり、自分に重ね合わせてみれるはず。
連作として、とってもよくできている。
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三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで青いスーツケースに一目惚れし、憧れのNYへの一人旅を決意する。出発直前、ある記憶が蘇り不安に襲われるが、鞄のポケットから見つけた一片のメッセージが背中を押してくれた。やがてその鞄は友人たちに手渡され、世界中を巡るうちに“幸運のスーツケース”と呼ばれるようになり…。人生の新たな一歩にエールを贈る小説集。