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単にPLやBS、売上げ最大化だけではなく、ファイナンスを良くするためにどうすべきかを考えることが大切だとごく当たり前のようなことが書かれていますが、なかなか出来ないのが現実世界だと思いました。
コニカミノルタの事例や日立の事例などを載せながら、改革の成功事例をファイナンスの観点で解説してくれてます。
同じ1000万円の売上げをあげるにも、
1000円のものを10000個売るのと、
100円のものを100000個売るのとでは、製造コストも違うし、かかる販売経費も違います。そこまで考えて、何を創り何を売るのかを考えないといけない。こうしたファイナンス思考が大切だと著者は語ります。
ビジネスをやってる方々にはオススメの一冊です。
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◾︎筆者に聞きたかったこと
⑴ファイナンス思考とPL脳の違いによって起きること
⑵個人、マネジメント、組織としてファイナンス思考で起こすべきアクションとは?
⑶今後、必要な学習について
⑴
・ファイナンス思考とは会社の価値を最大化するために長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方。経営資源であるヒトモノカネを有効に活用して、会社の価値を最大化することがファイナンス的観点から会社に期待されている役割
・PL脳とは、基礎的な会計知識に基づきつつもファイナンスの観点に欠け、会社の長期的な成長よりも直近の業績の見栄えを優先し、目先のPLを最大化することこそが経営の至上命題であるとする思考態度のこと。
・ファイナンスとは会社の企業価値を最大化するために事業に必要なお金を外部から最適なバランスと条件で調達し、既存の事業・資産から最大限にお金を創出し、築いた資産を事業構築のための新規投資や株主・債権者への還元に最適に分配し、その経緯の合理性と意思をステークホルダーに説明する一連の活動。
・PL脳によって引き起こされることは、
売上至上主義(マーケットの現状がみえていなき、前年比の成長が目的化している、利益をベースにした社内の管理が難しい)
・利益至上主義(マーケティングコストや研究開発を削る、のれんが発生する企業買収を避ける、意思決定が会計基準に左右される)
・キャッシュフローの軽視(黒字倒産、子会社管理の甘さ)
ウォーレンブァフェットはキャッシュフローを集約化することで投資資金を確保、各社のPLには介入しない
・黒字事業でありがちなバリューの軽視(利益は出続けていても衰退市場、バリュー低下によるシェア低下などを正しく評価できない)
⑵
・PLは作れてしまうため、そこの成長がイコール順調ではないことを認識する。
・バリューをきちんと見極め、必要な投資・開発を長期視点で行える意思決定、経営陣との握り。
・そもそもPLづくりのための営業で終わって良いのかを自問自答し続ける、メンバーも含めて。
⑶
・稲盛和夫の実学(会計知識について)
・病院のファイナンス思考について考察(PL脳なのか、長期視点なのか、どのような指標でウォッチしているのか)
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「ファイナンスとは経営そのものである。」これが本書と通じて痛感したメッセージである。経営学を学ぶ者として、コンセプトや戦略の論理ばかりに偏重した学びをしていることは自分でも認識していたが、やはりファイナンス的思考を学んでこそ、リアルな経営を学ぶことができるのだと感じた。
本書では、自然に経済が発展し、自社が収益をあげることのできた時代はもうすでに終わっており、PLを作ることにばかり苦心する経営は時代にそぐわないと主張する。長期的な視点に立って、自社が収益をあげるためにリソースを割くべき部分はどこなのかを特定し、時に赤字になろうともステークホルダーへの説明責任を果たしてこれを断行し、企業を成長させていくのがファイナンス思考の根幹であり、これをする必要があるというのが主な本書の主題であろう。
当然、PLを重視してしまうのには構造的な問題(例:4半期で決算を出さなければならない → 売り上げを伸ばす、短期思考になってしまう)もあるが、これを変えるのではなく、直接経営を担うプレーヤーに対して問題意識を投げかけたことに著者のメッセージを感じた。
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『ファイナンス思考』良書でした!なぜ日本からGAFAのような、超スケール型の企業が生まれないのか。PL脳が根付く日本の経済史を丹念に辿りつつ、事例も豊富でとても分かりやすかった。前著もそうだけど、朝倉さんならではの教養に裏打ちされた文体が気持ちいい。
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確かに真新しい発見はなく、事例など含めて既存の焼き直しまとめなかんじはするけど、こういった形で、読みやすくキャッチーにすることに、意味があると思いました。
個人もそうだな。年収とか気にしてBS投資(能力とか、人脈資本とかも)の発想が少なくて目先のことにとらわれる。
税金もそうよね、収入で判断するから本当の金持ちはとられない。
そこに裁定がある
PLは作れる。
→営業内外とか、得損とか、真面目に議論してるのみるとホントアホかと思うわ。
P26 会社の意思決定の中には、会社の価値向上ではなく、実は、目の前のPLを最大化することを目的として近視眼的な内容が紛れている。
P39 ROICがWACCより低い事業とは、高い金利で借金をして、低い利回り金融商品に投資をしている状態であり、実質的に赤字状態だからです
P117 同じコスト削減であっても、短期的なPLに固執した結果、業績が悪くなったタイミングで初めてリストラに追い込まれるPL脳
P154 現場レベルで見ると、「今どき」も実情は大きく変わらないのでは。
結果的に全社全体が売上至上主義の精神構造から抜け出せていないことも珍しくない
P185 何としても守りたくなる最終利益
一方、最終利益を重視する場合、コントロールする要素は営業外損益と特別損益であり、本業とは関係ない財的な要素であること
P201 子会社管理を行う上では、PLだけではなくキャッシュ面まで配慮してグループ会社間でのキャッシュの最適な配置を検討しなくてはなりません。
P219 現実には経営者が株式を買い戻すための資金をすべて用意することできるケースは稀です。多くのMBOは、経営者の長期的な経営方針に賛同したバイアウトファンドなどが90%以上の資金を提供しており、彼らが新たな株主になっています。
P259 理・心・運
理は頭で考える部分、戦略とかも。合理的に最適な道筋を導き出す
心は理から得られた考えを実行しきる胆力であり、実行した結果を背負うことです。
運は読んで字のごとく。
感覚的には、理・心・運 1:4:5程度か??
P239 執行役員から取締役になることは、「昇進」というよりも「ジョブチェンジ」であり、「転向」とよぶほうがより正確なはず。
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会計の専門家でなければ、
巻末の会計とファイナンスの基礎とポイントから
読むことをオススメします。
本書の目的は会社の経営者として
もしくはそうなったつもりで
ファイナンステクニックではなく
モノの見方をどうするとよいか
を思考としてまとめること
筆者の経験談と企業分析によって
実務に反映しうる視点を整理しています。
以下、読書メモ
会計は
1 事業の成果
2 保有する経営資源
のモノサシ
PLとBSの循環コントロールがファイナンス
BS現金→事業投資→PL利益創出→利益剰余金BSへ
減価償却やのれんによるズレを意識
利益剰余金は内部留保と設備投資へ
ファイナンス思考は
3 会社の価値
を考える以下4要素の観点
A 外部からの資金調達
B 事業による資金の創出
C 資産の最適配分
D ステークホルダーコミュニケーション
時間的価値 割引率の要素
スケジュール最適化
金利やインフレへの対応
稼ぐ力への投資を意識する
売上目標の設定をやめる
現場の経理管理を利益重視に
増益よりも競争優位性に配慮
資金調達と事業利益の逆ザヤに注意
メンツや規模の魅力への対外的配慮
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本書の功績は、日本企業を蝕む戦略の誤謬を”PL脳”という言葉で表現し、そこに明確な定義を与えたことにあるのではないか。
本書でPL脳の大義的概念として説明されるファイナンス思考とは、
・価値志向:企業価値の最大化を実現するためには、短期的なPLの毀損を厭わない。そのため、恒常的なR&Dや、黒字ではあるが今後の事業性が見込みにくい事業の売却等のアクションを取る
・長期志向:長期的な顧客の囲い込みや競合優位性を構築するために、巨額な投資を実施する
等の特徴を持つものとされる。
そうしたファイナンス思考の特徴とは、一般的なコーポレートファイナンスの定説(キャッシュフローの重視、資本コストとROICの概念、最適資本構成)に基づくものであり、それ自体に目新しさがあるものではないが、実際にファイナンス思考による経営再建や継続的な成長を実現してきたケーススタディ(Amazon、JT、日立製作所、コニカミノルタ等)を通じて、PL脳とファイナンス思考で何が異なるのか、という点を次第に理解できるようになっている。
コーポレート・ファイナンスを一度学んだ人も、様々な概念がどのように企業の経営で用いられるべきなのかを再確認できるという点で非常に有用な一冊。久しぶりにファイナンスを再学習したい気にさせられた。
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会計とファイナンスは異なるものであるということ。ファイナンス思考とはすなわち未来にフォーカスを当てた思考方法であり、過去や現時点での評価をあらわすPL/BSとは視点が異なる。しかし日本の多くの企業は短期的な視点に立つのみで実際にファイナンス思考を持って企業価値を高めることをしていないというのが浅倉さんの指摘。これは自分の会社にも当てはまることだ。
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非上場企業ならと、つこっこみたい。でも、ここまで詳細に述べているのはありがたい。上場企業なら、株主還元と言われてこの考えは飛ぶ場合が多いと思う。でも、知っておくべき。
できれば、二十代にぜひ読んで欲しいが、経営管理とか言われ出した、四十手前くらいの管理職にも。
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内容はファイナンスの考え方をきちんと説明した1冊、硬い内容になりがちなところを、GAFAなどの海外企業に比べ、PL重視が日本企業の発展を妨げているという切り口で、「PL脳VSファイナンス思考」という図式を提示しているのが面白い。飽きることなく一気に読めてしまいました。うまいなぁ。
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第3章からが面白い。PL脳のダメなところとファイナンス思考の大切さは教科書的な退屈さがあるが、特に第3章のファイナンス思考が強い企業の事例は、どういう意思決定の違いが生まれるかという観点で面白い。特にJTやコニカミノルタなんかは相当戦略的に優れている。
このご時勢に書かれているような高度成長期時代のようなPL信者がいるとは思えないが、ファイナンス思考のとっかかりとしてなかなか面白い本ではないだろうか。
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ミクシィなどの会社復興などを通じて経験した、これから必要な経営のあり方を分かりやすく説明。
少しでも財務の視点から事業に関わってる方なら、経営畑以外の技術者、営業、企画、生産、調達など、実務視点でも知見が広がると思います。
「投資の目線は長期的かつ未来志向」
個人的には、これ1点のみのメッセージの本、と感じました。
が、
・本質を理解してますか?
・実践できてますか?
・できない理由を並べてませんか?
と繰り返し見方を変えて問いかけられるような本でした。
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以前自分のいた会社が完全にPL思考の考え方になっていたのだなと感じた。日本の特に大企業の方にはとても共感できる内容だと思う。
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PL脳の形成された背景や現代にそぐわない理由の説明に力点が置かれている。
ファイナンスに関しては、さらに学ぶ必要あり。
その視点がないと、企業の状況を掴む知識が足りない。
各社の成功、失敗事例は少々短いが、分かりやすくて良い。
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日本企業がなぜ大局な見地から経営を行えないのかを会計・ファイナンス的見地から説明したもの。この問題は、ファイナンスに限らず全般を長期的な視点で見て必要な投資を行うということが現在の日本企業には重要かなと思います。新聞の企業評価も売上・利益に焦点が置かれていますが、その点も見直しが必要かもしれませんね。