情報生産の仕方を学べる貴重な一冊です!
2018/09/07 12:02
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、情報があふれる現代社会において、情報を消費するだけでは面白くないといった素朴な考えから生まれた書です。この情報が溢れる現代こそ、有用な情報を生み出し、それを発信していく情報生産者になる方が消費者でいるより、もっと面白いことが強調され、そのための方策としての情報収集、分析、整理などの仕方が丁寧に解説されます。情報生産者になるためには必要不可欠な書です。
すべての学びたい人たちへ。問いの立て方からアウトプットまで、新たな知を生産し発信するための方法を詰め込んだ一冊。
2018/09/26 21:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
情報があふれかえる時代、しかし、それを消費するだけではタダの情報グルメや情報ディレッタント。価値のある情報を生産し発信するための方法を詰め込んだ一冊。価値のある情報を生産し、発信する側にまわる方がずっとおもしろい。自身のゼミで教えてきたノウハウの集大成。梅棹忠夫の名著『知的生産の技術』と併せて。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:walkalone - この投稿者のレビュー一覧を見る
情報に踊らされているのは、いけないな、と思いました。学生でも読みやすい内容で、価値ある内容だと思いました。
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うーん、難しいなあ。生産者にはなれんなあ。この厳しいゼミではようやっていかんなあ。というのが正直なところの感想。理学部物理学科で理論のゼミに入ってしまうと、卒論なんていうものがなかった。まとまった成果物なしに卒業した。そのあたりにちょっと引け目を感じていた。それで、あるとき岡田節人先生の「学問のファン」ということばと出会って、「それや」と思った。以降、自称「学問のファンクラブ会長」が私のプライベートの肩書です。それで、肩の力が抜けて、興味のおもむくまま新書を流し読みするようになったわけです。若いころは、これまた自称「講演会あらし」などといって、いろいろ話を聞きに行っては質問をぶつけたものです。そういえば、上野さんの生の姿は拝見したことがなかったなあ。平安女学院あたりから名前は知っていたし、本もちょくちょく読ませていただいたけれど。たぶん、森毅先生から情報入手したんやろなあ。のちには、梅棹先生の本にも登場しているし。さてさて、私にとって新書の知識はストックしておきたいけれど、やはりフローになってしまっているので、なるほどなあと思いながら読んだのに記憶に残っているのは1ヶ所だけ。「家庭内再婚」の論文を執筆したという定年退職後の男性の件。帰りの電車の中で読んでいて、思わず吹き出しそうになった。こわいもの見たさで、ゼミ合宿にもちょっと参加してみたい気はするなあ。
ところで、こんなところにこうして書いていても、だれにも読んでもらわなければ、情報にはならんわけやな。デッドストック。やっぱり、いつか消費者でなく生産者になってみたいなあ。
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PR誌「ちくま」連載中も毎月たのしみに読んでいたがあっというまにハンディな新書にまとまってうれしい。問いの立て方から研究計画書や論文の書き方、そのあとの口頭発表などで世に問うまでの研究活動の技術・方法が具体的な実例をまじえて解説されている。社会学のゼミの話だけれど高校生でも無理なく読めるし、文理問わず研究活動するなら一度は読んでおいて損はない。
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これからはすべての人がコンテンツの発信者になる時代が来る、となんとなくの確信を感じていたので書名にはげしく反応して即、読みました。しかし、中身はソーシャル時代のCGMみたいな話じゃなくて、しっかりとした研究論文の書き方、いや研究への取り組み方についての熱血指導なのでありました。上野千鶴子による東大大学院上野ゼミの18年間がぎっしり詰まっています。自らが自分の問題意識というか「怒り」をエネルギーに日本に「女性学」という学問分野を切り拓いて来たように、ゼミの学生にも自分事として問いの立てることを叱咤激励し、彼女が40年もの研究生活で掴んできたノウハウを惜しげもなく公開しています。そのベースは川喜田二郎のKJ法。それを、使いこなしながらさらに、うえの式質的分析法に進化させていて、彼女の学問的出自が京都学派であることを再認識しました。例えば、自分が一瞬で惹かれた書名「情報生産者になる」が梅棹忠夫の「知的生産の技術」への著者なりのアンサーなのだと知り、学問は「川の流れのように」なのだと思いました。上野流「学問のすゝめ」は、世のため人のための学問の手前に、自分のための学問を提示してくれています。ついつい自分はどんな問いを立てるんだろうと考えてしまう本です。研究者は特別の人だ、という時代が終わり、日本が一億の情報生産者に国になる、という妄想も抱きました。
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論文はこうやって書くものだったんだー。あと30年早く書いてほしかったな。もっとまともな卒論になった可能性もあったかも。
上野氏の思考経路が分かる本。
図書館は二次情報の倉庫。確かにね。作文は感想ではなくもっと論理的構成を教えよ。国語教師は文学青年崩れ、確かにそういう人もいるかもしれない。字面をみるとかちんとくる場所もある。
最初の50ページくらいはきちんと読んだが、あとは飛ばし読みしてしまった。
2018.9.18購入
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調査をする社会学の研究方法にのっとって話をしているから、まああんまり参考になるってものでもなかったんだけど、読みものとしても面白かった。東大社会学では卒論8万字というのは驚いた。ウチの学部を思うと考えられない。
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上野の本業のフェミニズムについては特に興味はないが、社会学人文学系の研究者・教育者としての発信力は凄いと思う。
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1 情報生産の前に
2 海図となる計画をつくる
3 理論も方法も使い方次第
4 情報を収集し分析する
5 アウトプットする
6 読者に届ける
著者:上野千鶴子(1948-、富山県上市町、社会学)
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大学教育の場での論文の書き方や、そのトピックを如何にして抽出するか。論文発表の場でのプレゼンの仕方までを網羅する。
論文のトピックを選ぶときに、漠然としたもの曖昧としたものを選んではいけない。より具体的で、前例のないものが良いと言う。確かに、日本人や日本史、江戸なんていうタイトルは範囲も広いし、自分よりも優れた先行者が何人もいるかもしれない。
一次情報に従った論文や根拠は、仕事でも大切だと思う。勿論、メタ情報や二次情報も立場によっては、どうしても取り組まなければならない課題があったなら必用になるだろう。それでも、一次情報に依るところは大いにあると思う。
新しい付加価値を作り出していくって、大変だけどやりがいがあるのだろうと思う。著書のゼミは大変そうですが。
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研究論文を書く人たちを主対象としているのはすぐに分かったが、いやきっとそれだけではないに違いないと手にしてみたら、その通り。上野ゼミでビシバシしごかれている疑似体験をしつつ、これは研究論文以外にも応用がきくだろうなと頷くところがあちこちに。これは仕事にも使える!と書くのが多分まっとうな社会人のやることなんだろうが、仕事以外のことへの応用ばかり思いついてしまう。我ながらまっとうだな、とひとりごつ年末。
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大変勉強になる本。上野先生の本を読むのは初めてでしたが、大変言葉が強く、信念の人との印象。内容は情報生産者を目指す者にとって厳しいものもありますが、ある意味当然のことばかりではないでしょうか。
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"本の題名と自分が勝手に期待していた内容と一致しなかった本。
学術論文を仕上げるイロハを丁寧にまとめた本。
著者は東京大学名誉教授であり、著書も多数出版している方。
学生が教授のコメントをまとめたものを紹介しているが、その部分が大変参考になる。文書をまとめるチェックリスト的な仕上がりで、記載されているものすべてに気を配り執筆できれば無駄な工数は激減するはず。それでも、失敗を繰り返し学んでいければよいものだと思う。"
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明晰で論理的な研究論文の書き方。この書を手元に置いてもう一度卒論を書き直したい。しかし、上野ゼミだけには入りたくないものだな。