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空隙や弱い紐帯の価値を知った。
私自身も強い絆が好ましいと感じる村社会的な日本人であるゆえ、意外な観点として新たに吸収することができた。
ハブとなり、マイプラットフォームを築く。
ネットワーク優位で個人の資質を高めなくていいという訳ではなく、見る角度が違うのであって、資質を高めることもネットワークを賢く築いていくことも大事なのである。
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著者の作品は久々ですが、従来とは異なる人脈本ということで話題となっていたので、手に取りました。最新のネットワーク理論の紹介ということで、「弱い紐帯の強さ」を始め、今の時代に適した人脈構築術を事例も交えながら紹介しています。
ネットワーク理論やプラットフォーム戦略の話は興味を持ったのですが、実践のところで、「アライアンスランチ」やメディアの使い分け、ブログやメルマガといった内容になってしまっているところは、手段としてはある程度出尽くされていて、ネットワークの理論を踏まえ、いかに実践していくか、という、当たり前といえば当たり前の結論になってしまうのかなと感じました。
著者の言う、人脈が最強の資産、ということはまさしくその通りであり、ただ、名刺配りに終始してしまうのではなく、必要な人脈を構築できるよう行動する必要性を再確認した一冊でした。
▼「人脈こそ『人生百年時代』の最強の資産」
▼世界標準のネットワーク理論
・定義「現実世界に存在する巨大で複雑なネットワークの性質について研究する学問」
・ネットワークは複雑な構造をしているが、ある「一定の共通の性質」を持つ。この性質を理解することが人脈ネットワークを構築方法にきわめて有益
・レオンハルト・オイラー「グラフ理論」:「点(ノード)」と「線(エッジ)」からできる図形が「グラフ」・ネットワーク理論とは、ある人の友人関係などその人と他人との関係性に着目して、その人事態を理解しよううとする学問。言い方を変えれば「つながりを分析することで対象となる人やものを理解する」学問
・ネットワーク理論はその人のプロフィール自体には関心を持たない。「性別や年齢など個人が生まれ持った先天的な要因や、その後の学歴や職歴や経験などの後天的な要因よりも、その人のもつ他人との関係性すなわちネットワークが、その人の行動などに大きな影響を与える要因になる」と考える
■マーク・S・グラノヴェッター「弱い紐帯の強さ」
・「価値ある情報の伝播には、家族、親友、同じ職場の仲間のような強い人脈ネットワーク(強い紐帯)よりも、多少知っているような人や、友だちのその友だちのような弱い人脈ネットワーク(弱い紐帯)のほうが重要である」
・弱い紐帯は強い人脈ネットワーク同士をつなげる「橋(ブリッジ)」としても機能するため、情報が伝播するうえで重要な役割を果たす
・「強い紐帯」による人脈ネットワークは同質性が高く、求心力は強いものの、逆にそのネットワーク内の人からは異論が出しにくくなり、外部の情報も入らずに孤立を強めていくことが、往々にして起こる
・イノベーションが起こる組織とは、弱い紐帯が多数存在している組織である
■ロナルド・S・バート「構造的空隙」
・ネットワークを維持するコストは誰でも基本的には同じであると仮定すると、ネットワーク密度が低い、すなわち「空隙が大きい」ネットワークのほうが同じコストでさまざまな情報を得られる
・空隙を多く含んだネットワークをもつ人は、ポジションとして優位な立場になり、行動や交渉においてもその自由度の高さによって優位性をもつ
・「パーソナルネットワークに遠方の人を数多く含んでいる管理職は昇進が速い」
・「構造同値(他の人とまったく同じポジションを占めている人)」は、いつでも他の人にとって代わられる存在であるため、そのポジションから脱出する必要がある
■「ネットワーク中心性」「ハブ」
・人脈ネットワーク内で最も中心的な存在は誰かということを測定するために開発された指標
■「ランダムネットワーク」と「スケールフリーネットワーク」
・「ランダム」:分布のピークが真ん中にあり、左右対称に長い裾を引くような正規分布のネットワーク(例:高速道路網)
・「スケールフリー」:一部のノードが多数のつながりをもつ一方で、ほとんどのノードは少数のノードとしかつながっていないような構造(例:WWW)
・世の中の多くのネットワークの構造はスケールフリーネットワーク(航空網、電力網、学術論文の引用など)。偶発的な障害に対しては非常に強い
・ビジネス上の人脈ネットワークを構築するうえでは、意図的にスケールフリーネットワークにならないよう、自らと異なるさまざまな考え方をする人たちと交流することを心がける必要。多様性こそが新たなイノベーションを生む
■スモールワールドネットワーク
・「六次の隔たり」
▼成功するプラットフォームの三条件
1.フリクションをなくす存在になっているか
2.「場」の自動増殖機能が活発か
①サイドスイッチング(見る人と出す人が一致すること)
②フリクションレスエントリー(誰でも出しやすいものにする)
③最適なマッチングアルゴリズム構築(4つのネットワーク効果)
3.クオリティコントロールがなされているか
プラットフォームを構築する際には、理念、すなわちビジョンとミッションを明確に描き、そのためのルールと規範をつくり上げる必要。
▼オンラインとオフラインの二つを制覇せよ
<目次>
第1章 なぜ人脈がお金よりも資産になるのか
第2章 これが世界標準のネットワーク理論だ
第3章 プラットフォーム戦略という最強の武器
第4章 理論から実践へ――7つのケーススタディ
第5章 超実践「マイプラットフォーム」のつくり方
終章 日本の硬直したネットワークを打ち破ろう
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人脈術についての本。だけど、どちらかというとプラットフォームについての本のように思った。
もちろん、タイトルに人脈術とあるように人脈についても書いてあるのだけど、人脈とはどういうものかとか人脈があるとどういうメリットがあるのかということが多く書かれてあって、具体的な人脈作りについてはあまり書かれてなかったような気がする。
”「何の取り得もない人」であっても、「人脈の達人」になれる方法があります。“と書いてあったかと思ったら、その内容は、面識のない知人同士に会う機会を設けてプラットフォーマーになればいいとあり、その知人はどうやって仲良くなるんだよと思った。
ちなみに、人脈が多いというのはやっぱりメリットがあるようで、会社への忠誠心が高くて夜遅くまで残業するような人よりも、仕事は定時で切り上げて社外の人と勉強会に参加したりSNSなどで交流を深めたりするほうが出世する傾向にあるらしい。確かに、その会社しか知らないというのはそれはそれで視野が狭くなりそうだし、最悪世間知らずになりかねないからね。そういう人のほうが出世しそうっていうのはなんとなくわかる気がするけど、忠誠心をもって仕事をしてきた人からするとがっかりするだろうな。
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●読んで得たもの
人脈ネットワークが最強の資産であること。
ネットワーク理論。プラットフォーム理論と3条件。
マイプラットフォームの作り方。
●感想
日頃から人脈形成を考えた仕事や生活が必要だなと実感した。
最初に、自分が何をしたいのかを定めた上で、これまでの人脈を振り返り整えて構築しいく。
ひとつの組織にしがみつくのではなく、自分が変化しつつ能力が発揮できる環境を探し、目的を達成することが充実した人生に繋がるのではなかろうか。
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・人脈こそ、人生百年時代の最強の資産=ビジネス上の価値を生み出すもの。
・これからの企業戦略はますます「会員化」へと向かっていく。
・人の行動を阻害する要因=フリクション(摩擦、障壁)
・遊休不動産など、使用していないものがあれば、何でもシェアリングサービスの俎上に載せることができる。
・成功するプラットフォームの3条件:
1)フリクションを無くす存在になっているか
2)場の自動増殖機能が活発か
3)クオリティーコントロールがなされているか
・アライアンスランチで、ビジネス仲人になる。
・メディアの種類:
1)Paid media CM、マスメディア
2)Owned media 会社のHP、メルマガ、ブログ
3)Earned media SNS、口コミ掲示板
・日本人は自己が帰属する組織、すなわち「場」を無意識的に求める。
・A.トフラーの「Prosumerプロシューマー(生産消費者)」がいよいよ現実化している。
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オンラインとオフラインの両方のつながりが重要な事は、皆知っていると思う。他にビジネス書を読んだことがある人ならば、特に目新しさは感じられないだろう。
人脈と言うよりも、ブランディングや稼ぐための戦略術の書として扱うのが正しいと考える。
確かにトップスクールで教えるのは、友情や強い絆とは違うものだから、間違いではない。
参考文献が本人の書籍ばかりなのが、久しぶりに笑いを誘った...。それは反則技じゃないか〜?!