投稿元:
レビューを見る
表紙に「アントニオ猪木 X 村松友視」とあったので、猪木と“プロレス界の住人”である村松の対談本と思って安心して手にしたのだけれど、さにあらず。
よく見ると、二人の名前の下に、スポーツ報知の記者が「構成」として載っている。村松の「<あとがき>のようなもの」で明らかにされているが、本書はこの記者が二人に個別にインタビューした内容を対談形式に構成し直したもの。そして、どうにもこれが消化不良の元になっている。
村松の興味深いコメントに猪木がどう反応するのかと思ってページをめくると、そこに登場するのはこの記者のあまり意味のない解釈や解説(もどき)。村松の前著「アリと猪木のものがたり」の一節を引用したり、一般読者に向けての解説であることは理解するけれども、果たしてこの本を手にするのは一般読者なのか、と考えるとそれは疑問。前著を読んだワタシのようなプロレス者を対象とした、割り切った作りにした方がよかったのではないかと思う。
また、本書の後半は、またしてもアリにまつわる話。前著で書き切れなかったと思われるアリとアリ対猪木への想いを村松が語る。村松さん、ちょっと引っ張りすぎではないかな。