アニメから生じた「聖地巡礼」という新たな観光ビジネスについて考察した書です!
2018/12/20 10:03
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アニメ「いつもの場所」によって突如として生起した「聖地巡礼」という観光ビジネスについて考察した画期的な書です。今まで、観光と言えば、風光明媚な景色や伝統文化が中心でしたが、現代のアニメブームによって、「普通の場所」が突如「聖地」となり、そこへ訪問したいという観光客が現われています。一体、この考えや思考はどこから来るのでしょうか。いわゆるポップカルチャーから生じた新たな観光資源、ビジネスについて真剣に検証した現代の書です。
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<目次>
はじめに
第1章 アニメ聖地巡礼
第2章 コンテンツツーリズムへの展開
第3章 観光資源を生む「創造性」
第4章 現実、情報、虚構空間への巡礼
第5章 観光「資産」化への道
第6章 巡礼ビジネスに必要なこと
対談 村山慶輔×岡本健
<内容>
今、アニメの世界がこんなになっていることを知らなかった。また海外からこんなに熱く思われているなんて…。日本人はこんなに足元を見ていないことにも。また「らき☆すた」で埼玉県の鷲宮が有名になっていることは知っていたが、著者の言うように、その陰には地域の人のちょっとの気づきとかなりの努力が重なっていたのだ。そういう意味で言うと、私の好きな「銅像」も、一部この世界と被るし、銅像「コンテンツツーリズム」で私はあちこちを周っているのだ、と気づいた。なんか、こんなあたりから「銅像」の未来を明るくできないかな?
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観光(聖地巡礼)ビジネスのいろはが、豊富な事例とともに研究されている。具体例から構造的な理解まで明快に述べられており、ビジネスする側も、行く側も楽しめる内容
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数年前にB級グルメによって、その街が注目
され、町おこし的なムーブメントへつながっ
ていくという動きがありました。
この本では食べ物ではなく、アニメや映画
の舞台となった街に、ファンが実際にその
場所を訪れる動きを「観光ビジネス」とし
てサポートしようと働きかけます。
言って見れば「ポップカルチャービジネス」
です。
ここで重要なのは一昔前なら、アニメなど
はサブカルチャーと言われていました。
今は違います。立派な日本の文化の一つな
のです。ポップカルチャーです。
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マンガの聖地巡礼について卒論を書く場合には必読の本であろう。それだけにまだ類書がないといえる。
メディアリテラシーについては少しだけ書かれているので、マンガのメディアリテラシーを卒論にするためにはあまり役立ちはしないであろう。
聖地巡礼のマンガがどの程度あるかということには役立つ。
観光学という観点からは役に立つ1冊であろう。
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●→引用。他は感想
巡礼ビジネス入門。学術的。
●メディアリテラシーとういと、いまだにマスコミの言うことをそのまま信じちゃいけないよ、ネットには嘘もいっぱい書いてあるよ、みたいな話に偏りがちです。それも大切ですが、情報の編集者、発信者としてのリテラシーを小学生くらいからちゃんと教えていくべきだと思うます。
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アニメ聖地巡礼に限らず、地域の観光資産を生かして集客を図るさまざまな事例が紹介・解説されていました。観光、地域活性化に興味のある高校生にもおすすめです。
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アニメや漫画などのコンテンツを観光資源として活用するコンテンツツーリズムの活性化について、具体例や集客するための方法論を論じた本。
・アニメの聖地巡礼において商いの匂いを出してはいけない。ファンはそれを見抜き冷めてしまうから。→舞台の雰囲気を守ることが大切。
・地元住民の理解と協力を得るにはファンの誠実な姿勢が必要。(例えば、町のごみ拾いに参加するなど)
・観光は「差異」を売る産業。
・コンテンツツーリズムの根幹は「物語性」「テーマ性」
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以前、格闘系司書さんとゾンビ先生こと岡本健先生が対談されたイベントに参加した際に物販にて見かけ、当時の勤務先である大学図書館でもじわじわと貸出が増えていた著者だったため、自身でも購入してみることに。
聖地巡礼
オタクの身としてはいつの頃からか当たり前のように使っている言葉だけど、オタクじゃない方からすると同じ言葉の使い方をするとは限らないことは身をもって経験した。
だからこそ、オタクじゃない人と作品について話すことがハードルが高いことを知っているため、それを観光資産にするために色んな人を巻き込む…なんて恐ろしいことだろう、とついつい考えてしまう。
けど、本著を拝読し、作品について・地域についてそれぞれ互いに正しく認識し合って取り組みを考えていければ主だった観光地がない場所でも来訪者が1から100にも1,000にもなる可能性が秘められているんだと具体例を読みながら感じた。
コロナ禍が収束しつつある今、観光について見直す時期でもあると思うので、オタクとして聖地巡礼について見つめ直していく良いきっかけとなった一冊。
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文字通り、巡礼ビジネスについて書いた一冊。
今世紀に入ってから始まった印象だが、現在はさらに多様化していることがよくわかった。