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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都大学の特徴が、よくわかりよかったです。東京大学との比較でも、京大的なものが、これからの世界に必要かもしれません。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
変というより、ほかの人とは違う視点で物事を見つめるといったところでしょうか。「京大的」な面白さが良かった。
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2019/3/18 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2019/3/26〜3/29
本屋で偶然見つけて買った本。そう、その通り。ずっと自分の中でモヤモヤしていたことが、明瞭に言語化されている。選択と集中、をやり始めてから、日本はおかしくなり始めた。成果を求めるのではなく、オモロイことをやらないとね。
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大学改革に対する批判の本かと思いきや、筆者の地球流体力学の知識を援用して、カオス理論の最新の理解としてのランダムネットワークとスケールフリーネットワークの比較を、学問の体系と比較して言及するスタイル。非常に腑に落ちるし、「体系だっていないが確実にどこかで役に立っている」知識こそ大学で得たと思っている僕にとっては、まさに思っていたことを言語化してもらった感覚。
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「アホなことをせい」。高校の先輩でもある故・森毅先生がおっしゃりそうな言葉だ。「アホなことをせい」とは、要するに「社会の常識にとらわれずに何でもやってみろ」ということだ。自然界を含む現実の世界はカオスそのものだ。自然環境も社会環境も想定外の変化を見せる。生物は、無目的な突然変異が偶然環境変化に適応することで生存してきた。人類はどうか。人類は、アホなことを思いつくことで自然環境や社会環境の激変を乗り越えてきた。バラバラな専門知識を捉え直し結びつける非常識な能力、学問分野の枠にとらわれない横断的な「教養」。一見何の役に立つかわからない「ムダ」や「ガラクタ」を内包していることによって、社会は環境変化に対する柔軟性を獲得するのである。しかし、日本はこうした能力や教養を「大学改革」によって破壊しようとしている。著者はあえてこう断言する。「(資源の)選択と集中は絶滅への道」であると。最後に、政治家、経営者、大学人、学生諸君への言葉が記されているが、読むべきはむしろ文科省の官僚かもしれない。
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なぜ私は京大生時代、あんなにものを自由に考えていたように思えたのに、卒業して約25年、こんなにも受け身で面白味のない人間になってしまったのか。その哀しみを打破してくれる本でした。もうこの人生には「飽き飽き」!
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職場の上司から「この本、読んでみると良いよ」と言われ、お借りした本。大学における教養概念を考えていく上で、ヒントがたくさんあった。著者は京大の旧教養部・総人の教員であり、「アホ」や「ムダ」・「ガラクタ知識」の効用を自身の研究と教育経験に基づきわかりやすく説いている。複雑化社会に対応するには、生物の真似をし、様々なことをやってゆるく選択するという「発散と選択」の考え方が有用とのこと。今日の樹形図構造により組織された秩序だけで、物事を判断しようとすると、人間がが生物でなくAIを備えたロボットのようになってしまうと危惧されている。本書では教養について、「カオスな世界では、因果律を積み上げた体系的知識(樹形図構造の知識)はどこかで破綻してしまう。そのときに必要になるのが、いわゆる教養なのではないでしょうか?だとすれば、教養とは樹形図構造の『外側』にある知識だとみなすこともできるでしょう。」(p.108)という見方を示している。
また、京大の「教養部」がなくなり研究者がプレッシャーを感じずに研究できる場が一つなくなり、さらに大学界全体が法人化後競争原理にさらされ、論文一つひとつの質にこだわらず、本数や生産性・効率性を過度に重視する昨今の風潮を明確に批判している。
大学論において、大学における教養と科学技術政策は、分けて論じられることが多いが、相互に関連しあっていると改めて認識した。最後に、終章の政財界に対する著者の主張が少しでも届くことを望みたい。
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<目次>
序章 京大の危機は学術の危機
第1章 予測不能な「カオス」とは何か
第2章 カオスの世界の生存危機と自然界の秩序
第3章 イノベーションは「ガラクタ」から生まれる
第4章 間違いだらけの大学改革
終章 アホとマジメの共同作業
<内容>
京大は学祭で、「折田教授」の銅像をさまざま加工することが伝統行事化し、当局が最終的に撤去したこと(現在は1号館の資料館内に鎮座)など、「アホ」の有名な学校である
(最近も「百万遍」の交差点にベッドを持ち込み話題となった)。その伝統を語りながら学問の大事さを語る本、ではある。しかし著者の目論見は、第4章の「文科省の大学改革」への批判であった。教養課程の撤廃(第1次の改革)から、独立行政法人化、研究開発費の問題、文系不要論など(著者は理系の先生=地球液体力学だが)。京大的な「アホ」「ガラクタ」の学問の積み重ねの中から、時々生まれる原石が大事!ということ。学問に「要不要」はないこと。ただし、今までこれに胡坐をかいてサボっていた大学教員が多かったことも事実。最近、京大は「変人講座」を始めている。そんな刺激がじわじわと広がるといいな、と思う。
逗子市立図書館
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教養のある人とは
・1つの見方だけに固執せず、全く異なる数角度から物事を見ることができる。
・想定外の質問にアドリブで柔軟に対応できる。
・今は役に立たないと思える知識でもいつか役に立つ可能性があることを知っている。
フラクタル→ベキ乗則→臨界状態→役に立つ物
気まぐれは能力。選択と集中だけでは新たな物は生まれにくい。
人生の意味は最初からどこかに存在するのではなく「湧いてる」もの。「ありそでなさそでやっぱりあるもの」戸田山和久。
怒ってくれる人がいるうちに失敗しておくべき。失敗したらすべて終わりと言うわけではない。それまで自分が気がつかなかった日がいくらでもある。それが多様性多様性とは好きな人だけではなく嫌いな人も含むと言うこと。
自分が世の中の先頭に立ったときにはもう1怒ってくれる人も褒めてくれる人もいない。最終的に頼れるのは自分だけ。
エジソンの名言「それは失敗じゃない。その方法ではうまくいかないことを発見したんだ。だから成功なんだよ。」
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本書は京大の先生が「アホ」なことをする重要性を「マジメ」に書いた本という印象でした。
1章、2章のカオスについての話は少々理屈っぽく読んでいて眠くなることもありましたが、3章以降の本題は読みやすかったです。
「選択と集中は絶滅への道」とも書かれていますが、大学内においても「無駄」と思われるものを排除して過度に効率化を進めようとする昨今の情勢に警鐘を鳴らしています。
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生き物の社会構造と進化の構造を知り、多様性を理解するのにとても役立ちます。▼我々は、世界を樹形図構造的な因果の秩序でとらえがちです。しかし自然界は未来予測不能なカオス。そのカオスの世界はスケ―ルフリーネットワークという生存に有利な秩序(complex networks)であることが分かりました。直線型の樹形図秩序ではなく、ランダム発生的な正規分布と異なる。生き残りに強い柔軟性の高いネットワークです。そこには「まじめ」だけでなく「アホ」の存在が必要です。「選択と集中」は長期にはうまくゆかず、「アホ」を自由に走り回らせた方が未来を切り開く。数学的意味は難しそう。▼共産主義も独裁主義も長くは続かない理由が、本書で分かる気がする。▼書き写し:「多様性は、『みんな色々でいいですね、楽しいですね!』ではない。大嫌いなやつ。絶対合わない、目も合わせたくない。そういうやつも含めての多様性だ。カエルにとってのヘビや、人にとってのゴキブリこそが多様性だ」。多様性を受け入れようと思ったら、理解できない人や嫌いな人の存在にも耐えなければなりません。いまは多くの人が強い商人要求を抱えている社会。それを象徴するのが、SNSにおける「いいね!」でしょう。
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面白いけど、所々難しかった。
マジメとアホという切り口で多様性の大切さを書いている、そんな本でした。
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アホ
・京大入学時には何度もアホの大切さを強調される。常識やマジメの対立概念
・アホは打率が低い、おもろいが褒め言葉
・暴力的なまでの自由、どこに歩いていいかわからない、1/3は行方不明になる
・効率を求め即戦力を欲しがる産業界の要請で京大の良さが失われつつある。
◯予測不能なカオス
・ローレンツの理論: たった三つの変数で方程式を記述したが初期値の微妙な差で答えが変わることを示した。
・バタフライエフェクトのように、自然界は精度の問題ではなく予測は原理的に不可能。カオス理論ともいう、因果関係がわからないため、過程もわからない
・外的要因ではなく、結果を入力としてフィードバックループする中で何かが生まれる、これが自己組織化
・物事の因果関係は必ず合理的に説明できるはずだという信念が昔より強まったのではないか。どこまで努力しても事故は起こる時には起こる。
◯カオスな世界の生存戦略
・生物の進化は目的を持って行われたわけではなく、結果的にたまたま環境に適してた個体が生き残った、これがダーウィンの進化論
・初めて光合成を行ったシアノバクテリアは偉大と思われるが、これにより生じた酸素という毒ガスにより多くの生物が絶滅したと考えられている。そして酸素を吸って生きる進化をした生物が繁栄した、人間である。
・想定外の変化に耐えるには予測ではなく発散と緩い選択が大事。
・べき分布のスケールフリー構造が自然界には多くその恩恵は頑強性の高さ。友達の数は圧倒的多数の少ない人と圧倒的少数の多い人に分布する。
・対照的な正規分布になるランダムネットワークは、故障によりランダムにノードが破壊されていくとある臨界点で突如システムとして崩壊。
・不平等な構造がネットワークに頑強性を生んでいる、モテる人はモテる。しかしこれも極端になりすぎると一人勝ち構造になり頑強性が損なわれる。
・生物的なスケールフリー構造と、決定論的な樹形図構造のハイブリットな使い分けが人間の生き方。
◯イノベーション
・教養には決まった体系がなく目的がない、体系的な学問が樹形図構造ならば、教養はスケールフリー構造
・教養が人類にとって大事なのは、無節操で非論理的で一見無駄にしか思えないから。
・独立したものが多数集まったとき、ある密度を超えると急激に繋がり出す現状がおきる、これを複雑系の世界でなパーコレーションという。
・一つのアイデアが何かとつながって新たな価値を生み出して、更にそれが別の何かとつながるといつ連鎖反応よる相転移、これがイノベーション
・必要な知識が変わった時にガラクタがたくさんあることで、裏道を見つけられる可能性を持てる。
・私たちの世界は一つの正しい理屈(神、物理法則)を根っこに持つ樹形図構造で繋がっているわけではない。多くの分野体系が重なり合って集合体を作っている。局所的な樹形図は必ずしもお互いに整合性はないが、相互に影響しあって変化していく。
・世の中の最先端にいると世間から成果を期待され自由には行動できない。自由と最先��は二律背反。世の中の期待がなくとも自分にとって新しく面白いものこそ自分の最先端。
・教科書を読むとその内容にひきづられる、何かがおかしいと思って始めたのなら、知らないという武器を生かしてやるべし。
・選択と集中ばかりしていると選択するものがなくなる。必要なのは発散と選択
・飽きるというのは一つのものに依存しすぎないリスク回避の方法。
◯
・人は過去の努力をどんどん無駄にする事で新しいことに向かうことができる。ムダがどれどけ身につくかが教養。
・多様性の大事さ、多様性は大嫌いな奴も含めて
・人生の意味とは、ありそうでなさそうで、やっぱりあるもの。最初から何処かに存在するのではなく、内側から湧いてくるもの by 戸田山和久 哲学入門
・アホとマジメの共同作業がカオスな世界で生き残るカギ
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民間の企業で求められる力と、学者達の世界で求められる力が異なることがよく分かる。
大学の独立行政法人化によって壊されてしまったことへの危機感を筆者が提言する。
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現在言われているリーンスタートアップやアジャイルな組織が、進化論やネットワーク研究の面からも妥当な方向性だと感じた。
あとは価値観に順応させ、どう浸透させていくか…