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造形、構造から絵の魅力を見いだす、共通の基盤を提示してくれる。絵の具の歴史は出てくるが、絵の歴史や背景、アトリビュートなど、いわゆるよくある名画の見方に出てくる「絵の要素・内容」には、あまり触れず、造形だけで美を語る。絵を見る新しい視点が得られた。和書では類書が少ない、力作である。
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ただただ面白いと感じて読み進めると同時に、新しい発見がありすぎて、自分の絵画に対する視野が変わってきくことに、嬉しさを感じた。
この本を片手に美術館へ改めて行ってみたい、そう思わせるには十分な本だ。
美術が好きな人だけでなく、数学、歴史が好きな人も読むべき本と感じた。きっと興味を持って読み進められるはずだ。
できれば中学生や高校生が手に取ってほしい本。美術や数学、歴史など授業がとても身近で楽しいものになるのではと、昔の自分に渡してあげたい1冊。
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絵画鑑賞によくある本としては絵画の歴史から、その絵が生まれに至った背景、絵のアトリビュートが意味するものを等解説してくれるものが多い。
この本では、単純に絵の背景とかは抜きにして、なぜ名画と言われる絵が人を魅力しているのかといった点に対して、構図やバランス、色合い等、確かな観点をもとに話を進めてくれる。
そのため、具体的にこの絵の一番注目してほしいところはどこ、目の動かし方はどうという風な、絵を見るルートが次第に見えてくるつくりになっている。
美術の歴史や背景は少しずつ頭に入ってきた。
でも、いざ一枚の絵を目の前にすると、この絵がなんとなく醸し出す安定感、ダイナミック感はどこからくるんだろうと疑問に思うようになってくる。
そんな絵を見る技術を一歩先に進めたいという人には、他には貴重な一冊になるはずの本である。
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絵を見るための枠組みを学ぶための本。
絵画を見る習慣は特に無いが、何となく好きな絵はある。その「好き」は一体どこから来ているのか、絵を見るための技術を知ることで、少しでも理解できるかもしれないと思い手に取った一冊。
観察しようとはしていたが、絵を見る技術がないため上滑りな見方をしていた私にとって、とてもいい本だった。今までより絵を見るのが楽しくなったし、絵を見たときの情報量も確実に上がった。
特に「絵の経路」という考え方を知り、絵の中の流れを意識することで、絵がより生き生き?と感じられるようになったのが良かった。今まで絵を観察しようと頑張るときは、とにかく細かいところまで見るのがいいと考えており、結果として視野が狭くなっていたため、いろいろな要素が点在して全体の印象が形成しにくくなってしまっていたと気づかされた。
最後に冒頭の印象的だった箇所を。
≫「見ているが観察していない」
漫然と見るだけでは洞察に繋がらない。常に問いを立てて情報を抽出する。観察を土台に解釈へ結び付けていく。
これは絵画に限らず、何事においても当てはまることだと思う。オタ活するときもこのことを肝に銘じて、すきなものへの解像度をあげていけるといいな。
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絵画を見るのは好きだけど、ただ見るだけで何が良いとか知識のないまま見てたので、ものすごい勉強になった。
勉強した事を活かして少しずつ見れるようになって来たので、より美術館に行って絵画を見て勉強したい。
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たくさんの見る技術が書かれているので、すぐに完全応用とはいかないだろうが、美術館に行くたびに使ってみて、身に着けていきたいものだ。絵画には、科学、数学の面もあるということだと思う。名画の条件がいろいろ分かるのだが、ここでは取り上げていないデッサン力などの絵画技量も落とせないポイントだろうな。フォーカルポイント、ストッパー、視線誘導、リニア・スキーム(バランス)、カラー・スキーム、構図の定石、等分割パターン、ラバットメント・パターン、直交パターン、黄金分割パターン、ルート矩形、輪郭線、疎か密か、質感、形の反復、共線性(主要ポイントを一致させる)、ガムット(傾きを揃える)などの技術が盛りだくさん。今まで知らなかったことが、いっぱいあった。カラー、白黒を交えて名画がたくさん掲載されていて、とても分かりやすい。是非ともお勧め!
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フォーカルポイントってなんとなくはわかるものだけど、どうやってフォーカルポイントを目立たせるか、その工夫、画家がどれだけこだわった演出をしてるか分かって面白かった
「嘆きの壁」の欠けた敷石の演出の妙
なぜその絵のバランスが良いのかについて意識してみるようにしたい
絵具の歴史が配色に及ぼす影響などは知らなかったし、分かるとより面白いと感じた
5章などは線が多すぎてこじつけではと穿った見方をしてしまうところもあったけど総じて面白かった
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絵画鑑賞って、天性のセンスが問われるのかと思ってたけど、結構理論的なところもあるんだなー。
素人でも、絵の見方がすこし分かって、読み終わった後は美術館に行きたくなること間違いなし。
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すぐに美術館に行きたくなった! 構図や明暗など絵画の構造に着目し、絵の見方を教えてくれる。モチーフがどんな意味を持つかなど小難しい話はしない。美術館に行っても絵の横の解説ばかり見てしまう、結局何が描かれていたか覚えていないらなんて人にはかなりおすすめ。周囲にもすすめて家族や友人も美術館に行きたくなったみたい。文章と挿絵もわかりやすく、解説のうんちくではなく、絵画自体を楽しむ一歩になる本。
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タイトルに通り、技術を使って絵画を理解する方法が書かれており、絵の描かれた背景以外の見方を知れたのは大きい!冒頭にある「君は見ているけど、観察してないんだ」というシャーロックホームズのエピソードの絡めた話にも納得でき、新たな視点を手に入れれた一冊だった。
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When you look at the great painting, what do you do? I always wonder that the way I looking at is correct or not. This book tells you how to look at the pictures. It’s focused on technical things like composition, structure, colors, finishing and so on. (Jiro-san)
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絵を見るって印象だけでいいって人もいるけど、描きての意図や構成、流れの妙がわかるともっと面白い。そこから、なぜこの床タイルの一枚が剥がれているかがわかったりする。本当に剥がれていなくても、剥がれて描いた方が絵の完成度が高ければそうするのだ。ということは、ありのままが映る写真とはだいぶ違うぞってわかってくる。目から鱗だ。
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絵画の見方についての本を初めて読みましたが、非常に新鮮で素晴らしい内容でした。
名画と呼ばれるものがどのような理由で名画と呼ばれるに至ったかを、画家や描かれた時代というよりは、その技法や色の選択、注視点や絵を見る際の目の流れといった観点から説明している本です。
欲を言えば、名画になりきれなかった作品や、一般人には非常に上手いと思われるレベルだが専門家には駄作や失敗作と呼ばれそうな作品の、上記の観点から見た駄目な点も紹介してくれればより深い理解ができると思いました。
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見るための「技術」があるなら、その範疇の絵画表現も「技術」になってしまうので、「果たして、それは芸術なのか?」という疑問が残りました。絵画鑑賞の一つの視点が得られた読書となりました。しかし、もっと様々な視点があっても良いと思います。
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自分には美術の才能はないと思っている。実際、線1本満足に引けない。でも観る(鑑賞なんておこがましくて言えない!)のは好きで、ときどき美術館に足を運ぶ。何を描いているのか、どのように観るのが正しいのか(この考え方がそもそも間違っている気がするが)、理解の一助になるかと思い本書を手に取った。フォーカルポイント、経路(見る順序)あたりは楽しかったが段々と難しくなり5章の「構図と比例」はもう無理だった。実際にこれを美術館でやるのは難しそうだが、知識として覚えておいて損はないと思う。