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愛する者を失ったとき、自分は理知的に行動できるだろうか?と考えさせられてしまう。
通常であればハナにも掛けないような世迷いごとであっても マヤカシであっても、そこに希望があると思えばすがってしまうかもしれない。
それがマヤカシだとわかっていて、希望がないと知っていても 己を騙してすがりつくだろう。
様々な形の愛がこの本の中にある。
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「ちょっと動きが鈍くなって、ちょっと目が濁って、ちょっと知りたくない秘密を悪し様に語ってくるけど死体を生き返らせる方法があるよ。」と言われたらどうするか?という話。
相変わらずスティーブンキングすごい。読むの止まらない。
緩やかな不気味というのか、お父さん視点で幸せ一家の生活を見ていたのが、いつの間にか狂気一歩手前という感じ。オススメ
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もちろんホラーなのだけど、家族愛がテーマ。
いつもながら、キング作品は心理描写やテーマの深さがハマってしまう。狂気とはわかりつつ、愛するものを失ってしまうものの気持ちが切なく、泣いてしまった。
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『猿の手』がモチーフの作品はたくさんあるけれど、こんなに感情面を掘り下げて書き込まれた作品はほかにないのでは。
作者に息子がいるだけあって、壮絶な描写。
・・・あの息子があんなになるなんて。年取るはずだよー。
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もう文体から死の香りが漂って来る。よくスティーブン・キングは、不可避な残酷な運命をエッセンスに取り入れるけど、その中でもこの作品は秀逸です。
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引っ越してきた家の庭から通じる、ペットの埋葬所。
更にそこを先へ進むと先住民族が作ったと言われる墓地があり、そこに亡くなったペットを埋めると生き返り戻ってくると言われていた。
初めに可愛がっていた猫が、次に息子が亡くなり、その「場所」に魅入られた主人公はだんだんと狂気に走り、遺体を抱いて埋めにゆく。
幸せだった家族との時間が、その後襲う不幸を際立たせ読んでいて辛かった。
遂に「その場所」に支配され次々と死者を埋めにゆき、自分を見失ってゆく主人公。
独り、正気のまま残された娘はどうなるのか・・・それが気になった。
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「そのペット霊園には死者を蘇らせる不思議な力があった」
自分の愛するものを蘇らせられるなら、そんな恐ろしい力に手を出してしまうのだろうか。その力が、死者を全く別の化物に変えてしまうかもしれないとわかっていても、愛する者を蘇らせようと思うのだろうか。
幸運にも家族を失った経験がない私には、想像しかできないのだけれど、もし家族が死んで、この霊園を目にしたら、やはり試してみたくなるのかも。
それが死者を冒涜することで、自分が更に傷つく結果が待っていて、決して最善の手段ではないとわかっていても、死体をそっと埋めるのかもしれない。
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とてもゆっくり物語は進んでる。
猫を生き返らせる。亡くなった隣人のノーマは生き返らせなかった。
思うに、夫のジャドは誰かが人間を生き返らせて、結果どうなったのか知ってる気がする。
だから心がぶれず、葬儀を行った。
人間を生き返してしまった結果、どうなるのかジャドは言わない。
猫のチャーチは頻繁に動物を食すようになった。
人間だとどう変化して、どんな恐怖を与えるのか下巻をこうご期待といったところだろうね。
姉の死にトラウマがある妻のレーチェルが息子が亡くなってどうなるのか興味ある。
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引き込まれる感じでおもしろかった!
続きが気になって結構スイスイ読めました。
上巻の最後でゲージの事が書いてあったのはびっくりしました。
なんか静かな怖さがあると思います><
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表紙裏
都会の競争社会を嫌ってメイン州の美しく小さな町に越してきた、若い夫婦と二人の子供の一家。だが、家の前の道路は大型トラックがわがもの顔に走り抜け、輪禍にあう犬や猫のために<ペット共同墓地>があった。しかも、その奥の山中にはおぞましくも・・・「あまりの恐ろしさに発表が見あわせられた」とも言われた話題作。
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久しぶりに読んだ。
この後に起こる悲劇を所々に匂わせつつの幸福な時間。
この巻はプロローグとしては十分。
日本語訳は所々??な点が。
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アメリカの田舎町に越してきた医者一家。優しいお隣さんとの出会い。職場環境も順調そう。子供たちは元気で可愛く、妻は聡明で美しい。読む方もホッとさせられるような出だしですが、それだからこそ合間合間に垣間見える不穏な予感が恐ろしい。その昔この上巻のみを旅先に持込み、下巻を持ってこなかったことを激しく後悔しました。
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過去、上下巻読了。
4人と1匹の幸せなある家族の物語。
綺麗な妻、愛らしい娘、生まれたばかりの息子、元気な猫。
新しい我と家の親切な隣人、いい所だが目の前の国道は往来が激しい。
そして裏山には国道で死んだペットたちの霊園があった。
片田舎に引っ越してきた幸せ家族、序盤は本当にそんな感じ。
ただ既に不穏なキーワードが繋がる。
交通量の多い国道、ペット霊園、そしてペット。
これで連想させるものはただの悲劇でしかない。
もし突如に襲った悲劇を受け入れられなかったとしたら?
その悲劇に対して何か出来る手立てがあるとしたら?
通常はそんな救いの神はいない、もしいるならその逆の何か。
ボクは読んでてとても悲しく、でも同じ事をすると思ってしまった。
愛と悲しみと愚かさと、ある1つの邪悪。
それらが混ざり合った物語に興味があればどうぞ。
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やっぱりキングは面白い! 個人的ハイライトは主人公の息子が家の目の前の道路で車に惹かれて死んでしまうところ。その場面を主人公はなんどもなんども夢に見ます。まだよちよち歩きのその子を必死で追いかけ、車が来る寸前に襟首を掴んで、やった、助けた! というところで目を覚ます。夢では幸せ、現実は悪夢。次第に追い詰められていく主人公は、その夢と現実の配置をひっくり返そうとします。
絶望は一種のエンターテイメントです。キングの小説ではいつもそれを思い出します。上記の男の子が死ぬ場面なんかその中の白眉! 単なる幼児の死がこんなにも怖くて悲しいのは、彼に注がれた家族の愛の存在があるからです。キングの描く絶望には、必ず深い愛情がよりそって、お互いの存在をくっきりと引き立たせます。
またキングの代表作のひとつである「呪われた町」では、主人公が愛する人たちを取り戻すために行動します。そして「呪われた町」をポジとすると「ペット・セマタリー」はネガにあたります。どちらも深い愛を起点にした結果で、だからこそ「ペット・セマタリー」の主人公の愚かな行為はやるせなく、救いがないラストにも読者を納得させる充足感を与えています。
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久々のS・キング。
さすがの貫録。これは面白い。
前半は、そんなに怖いシーンが出てくるわけではないけれど、後の悲劇を予感するような、細かいエピソードが散見する。「怖い!」と思わされるのは、後半の本当のクライマックス部分だけなのに、上下二巻の長丁場を全く飽きさせない。
そして、以外なことに救いのない結末。
S・キング氏は、写真なんかでは人のいいアメリカのおじさんに見えるけど、本当はとんでもなく厭世家の人嫌いなんだろうな、と思う。