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2020/07/28 19:16
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ちょっと読みにくかったかな。ワークしながら実践でやると入ってくるかも。驚くような思考や考え方ではないので、やり方のひとつとして、頭の片隅に置いておくくらい。
2021/08/23 20:15
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「ナラティブ」という言葉、概念をこの本ではじめて知ったけど、今の自分の仕事も「多くの人が、これこれこういう課題を抱えている」というところから始まっていて、そこを起点に「自分の特技でそれを解決できる」と思ったから立ち上げている。ユーザーが主役になっているという意味ではナラティブな発想だったと思う。
アマゾンでは、新しいサービスを思い立ったら開発にかかる前にプレスリリースを書く、ていうのは前から知っていてすごく面白いと思ったけど、この本ではそれに加えて、FAQやユーザーマニュアルも先に作る、と書かれていて、なるほどなぁ、と。真似してみる。
ちょっとIT用語とかも多くて難しいけどよんでよかった。
2022/02/04 23:29
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Amazonの元幹部である著者がアマゾンでの取り組みや考え方について50のアイデアのまとめとして書いた一冊。
今や小売業界で世界ナンバーワンと評価されるアマゾン社の躍進の秘訣と顧客満足の圧倒的高さの理由を本書で知ることができました。
長期的に考えること、顧客への執着、正しくあること、失敗の仕方など様々な観点から成長している要因を知ることができました。
ピザ2枚分のチームやスピードとアジリティやフライホイール、POPなど独自の戦略や用語も多彩に載っていましたが、ルールを知らないと理解が進まないと感じたのは残念でした。
あとアイデアに繋がりがあるので問題提起だけでなくポイントも書かれているとより復習できると感じた点も残念でした。
2023/10/21 11:04
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Part1 誰もがイノベーティブになれる15のアイデア
1 短期で結果を出そうとするな あなたの旅は遠く、道は曲がりくねっている
長期的な戦略を立て、長い目で見た評価を行なうことができれば、他社にはできない投資と”賭け”ができるだろう。早いうちに長期的なリスクと制約を特定できれば、戦略を進める力となるかもしれない。
突き詰めると、デジタルとはスピード(速さ)とアジリティー(敏捷さ)という2つにまとめられる。もっと具体的に言うと、新しいビジネスモデル、イノベーション、膨大な量のデータ収集についてのスピードとアジリティである。
スピードは、非常に正確に反復する動きである。効率的かつ正確に一方向に動く。大規模なビジネス運営が優れているというとき、それはスピーディーであるということだ。
一方、アジリティは、重要な事実、指標、市場の変化を察知し、それに合わせた変化、調整をすみやかに行なえる特性、あるいはスキルである。あなたの事業のイノベーションは、アジリティによって推進される。つまりそれは、大きな変化も小さな変化も起こせる力なのだ。
アマゾンのDNAは、スピードとアジリティという2つの特徴を持つ。
2 動機は金か使命感か あなたのこだわりに戦略的かつ正直になる、そして勝つことにこだわるディワン
組織の大義と顧客を大事に思うなら、困難にも耐えられるはずだ。使命についてこつこつと伝え続けることで、従業員の大半を占める”それほど関心がない”層を取り込める。仕事に熱心にかかわり、勝つことにこだわり、使命感を持つ社員に変えることができる。
3 Day1に戻るために前進せよ カルチャーがイノベーションをつくるキグセッション
あなたの事業が行き詰まっている、あるいはマンネリ化や停滞の恐れがあるなら、その状況を認め、問いかける内容を変えてみる。また目的意識を持って他人とコミュニケーションする。
4 顧客への執着 あなたの仕事にカスタマー・オブセッションを生み出す
顧客についてよく知り、共感し、そのニーズを第一に考えることは、社員全員の仕事だ。それを全社員に徹底する必要がある。それを実践し、できると思わせる方法をいくつも見つける。顧客(または重要な投資者)が経験する問題について深く掘り下げること。そして原因を見つける作業を人任せにしてはいけない。顧客がどのような体験をしてどのようなことに抵抗を感じるのかを知ろう。
5 協調するために同調しない 社会的一体性のリスク
正しくあることを最重要事項にする。正しいことをして勝つ、顧客への執着とデータを基にして率直に話し合い、データを通して完璧を追求し、肩書を気にすることはないが、互いへのリスペクトを忘れない、という方針をトップが打ち出すべきだ。本書のアイデアの多くが、この原則を強化する助けとなる。
6 責任はリーダーが持つ リーダーは質問をしよう
社員が正しい結果を出せなくても、リーダーはそれを非難してはいけないという雰囲気をつくる。分散型組織において、部下が目覚ましい結果を出せるようなマネジメント法を具体的に説明する。
7 全員がオーナーである 企業最適化のための報酬戦略
企業の長期的な価値創造を目指そうと社員に思わせる報酬体系をつくる。その報酬体系が目指すものと価値を伝えることで、社員が団結することが多い。事業に大きな変化が必要なときは、報酬体系も大きく変える必要がある。
8 カントリークラブ思考を排除する 成功してもハングリーであれ
成功した企業や株価が上がっている企業は、安全第一に傾く危険がある。成長、イノベーション、長期的な目標を目指すために、緊張感を保つ方法を見つけよ。
9 象を踊らせろ ポートフォリオ戦略とイノベーションのためのガバナンス
イノベーションには、ふつうの企業とは違う、投資とガバナンスの考え方が必要である。イノベーションのための投資について、リスクの低い投資と同じように、規定、運営、人材配置、評価を行なっても、思うような結果につながらない。まったく違うガバナンスと枠組みが必要だ。
10 リーダーこそ手を動かせ イーロン・マスクが20%しかマネジメントに時間を割かない理由
デジタル企業では、製品の設計や構造の説明ができ、何が本当に求められているかを深く理解し明確にできるリーダーが力を持つ。これは伝統的な、細かいことにはかかわらず全体を監督するというリーダー像からすると、大きな変化だ。これからのリーダーに求められるのは、手腕、興味、どこに深く関わるべきかを見抜く洞察力。そしてデザイナー(企画立案者)である必要がある。
11 誤解される覚悟を持て アマゾン最大のイノベーションからの教訓
イノベーションの最大の影響力とは、長年当たり前とされてきた前提をくつがえす可能性があるということだが、その側面はあまり評価されていない。従来の前提に代わるものをつくるときは、それを批判する人がたくさん現れることを覚悟せよ。
12 バックオフィスは"NO"を言うための部署ではない リスクに対する問いを見直す
どうすればイエスという答えを出せるかを考えるのは、社員全員の仕事だ。従来サポート部門とされてきた部署の社員も、内部顧客がイエスという答えを得るのを助けるというビジネスをしているのだ。本当の目的を理解するのに時間をかければ、もっと多くの選択肢が生まれるだろう。
13 組織図を吹き飛ばせ 私たちはプロセスを支配しているのか支配されているのか
組織図、肩書、職務明細などは、重要な目的を実現するためのものだ。それらは正しいことをするために使え。正しいことをする妨げにしてはいけない。組織構造とつり合いの取れる戦略を立てろ。
14 発明はゲームで増やせ アマゾンの会議でいつも1つ席が空いている理由
パテントは「価値を高めるすばらしいアイデア」を表す言葉にすぎない。パテントの獲得が組織やチームの戦略の中心ではないし、現実的なことでもない。しかし「価値を高めるすばらしいアイデア」を考えようとする意欲を生み出すことは、立派な戦略だ。イノベーションを促し認める、楽しくて安定的な方法を見つけよ。
15 倹約はイノベーションを生む なぜドアに「脚」をつけたデスクがアマゾンの象徴なのか
節約は競争以上に重要だ。倹約は安いことを意味しない。倹約によって、効率とイノ��ーション重視のカルチャーが育まれる。コストのような制約に合わせて考えることが、状況を見直し、イノベーションを進める役に立つ。
Part2 デジタルで本当に役立つイノベーションを生む15のアイデア
16 ミッション・インポッシブルへの道 ビーイング・デジタル
ビーイング・デジタルとは、組織だけでなくあなた自身も変化し進歩することだ。デジタルとは、スピード(速度)とアジリティ(敏捷性)である。顧客への対応だけでなく、仕事のやり方や、組織として協力することも含む。永続的な変化を推し進めるには、このミッションの一部として、あなたのチームに新しい習慣を計画的に実践させる。
17 実験・失敗・中止を繰り返せ デジタル時代に成功するために
デジタル・サクセスは、すばやく動き、テストを通じて変化の影響を測定できるかどうかにかかわっている。正しいタイプの失敗と、悪いタイプの失敗を見極め、どのようなテストと評価を行なうのか、注意深く決めることだ。上級リーダーは、テストの規定と結果と影響の評価に、直接かかわる必要がある。
18 ブラットフォーマーになりたいか アマゾンが大事にするプラットフォームビジネスで大切なこと
プラットフォームという形で、あなたの会社の強みを提供できないかを考えることは、将来のビジネス戦略を決めるうえで役に立つかもしれない。これは誰にでもできることではない。それでも、そのために何が必要か理解を深めることで、改良とイノベーションのすばらしいアイデアが生まれるだろう。
19 ITの集約と分散 デジタル推進は中央から離れたところで
集中型のITは、会社の一部の目的に適っていることもある。しかし、顧客体験が製品やサービスに統合され、テクノロジーを基盤としたイノベーションが必要とされるほど、テクノロジーを顧客に寄せ、ビジネスに組み込み、チームや製品の一部としなければならない。
20 みんなにビザを! 小さなチームの魔法
中核事業やサービスのデジタル化は、小さなチームに責任を持たせる。そのチームが、内部と外部の顧客に評価される製品やサービスの考案、制作、操作を行なう。小さいチームをつくることで、結果的にイノベーション、質の高い仕事、より強力な文化が実現する。
21 ネバー・セイ・ネバー 過去の立場にとらわれるな
ほとんどの会社やチームは、”ビーイング・デジタル”のために、すべてのレベル(戦略、ビジネスモデル、チーム、パートナー、その他)で変化が求められる。今後、どのような戦略をとるのが正しいか考えるとき、過去の立場にとらわれてはいけない。ものごとは変わるのものだ。
22 リレントレス・ドットコム 改良を続けるためのツール
顧客の期待は、すべての領域や体験で上がり続けている。その期待に応え、デジタル時代の競争力を与えてくれるのはオペレーショナル・エクセレンスだ。デジタル体験とモノのインターネット(IoT)は、オペレーショナル・エクセレンス・プログラムを強化するチャンスをくれる。
23 他人の仕事を活用する OPWとメカニカルターク
ルーティン化が可能で、今後、大規模化しそうな、あるいは一気に増えそうな作業は、他の人にやってもらう方法を見つける。中心的な仕事をこなすのに��人の力を活用する方法を見つける一方で、ブランドと顧客体験を守ることができれば、根底のテクノロジーとオペレーティングの考え方の改革ができるだろう。
24 フォーシング・ファンクションの魔法 細かく管理しなくてもチームが飛躍する方法
正しい結果を出すことと、官僚主義と集中管理を避けることのバランスをとるため、リーダーはチームや業務を細かく監視しなくても、正しい結果を出せるようにするやり方を考えなくてはならない。そのやり方をフォーシング・ファンクションと呼ぶ。そのような戦略を早期に練ることはその業務の目的にかない、その仕事を率いるリーダーに、明確な権限と目標を与える。
25 あなたのフライホイールは何か ビジネスに好循環を生み出す動力源を見つけよ
あなたの業界、あるいはシステムシンキングを用いて向上させようとしている状況を、よく調べて分析する。目標を達成するアイデアや仮説を思いついたら、戦略をためしやすくするため、システムの簡易バージョン(”フライホール”と呼ばれることが多い)をつくり、その論理と計画を他の人に伝える。
26 テクノロジー=イノベーションではない 面倒を減らしてこそイノベーション
たいていの人は”イノベーション”と聞くと、テクノロジーだと考える。アマゾンの画期的なイノベーションも新しいテクノロジーによるものが多いが、現実のイノベーションの成功要因は、顧客の摩擦を減らすことにある。
27 顧客にスーパーパワーを授ける 夢のあるビジネスと長続きするニーズ
自分自身にこう問いかけてみよう。「私たちの顧客はどこにいて、私たちは彼らに、どんなスーパーパワーを与えられるだろうか。それはあなたの戦略の力を高める、他社にはないコア・コンピタンスでなければならない。それらの”そのクラスで最高”なものを維持して、マーケットで先んじられるよう力を注ぐ。」
28 現状打破のためによりよい疑念を持つ 問いを変えよう
それまでと違う問いかけをすることで、顧客や機会について新しいレンズや制約を通して見ることになる。それらの疑問を考えるときは、慎重になり、目的意識を持つ必要がある。これは身につけるのに練習が必要なスキルである。
29 まず参入する アマゾン流ビジネスの広げ方
新しい事業と、あなたの会社の既存のビジネスに近い事業には「参入して学ぶ」。新しい事業を始める方法を見つけ、そこから、規模を拡大する方法だけでなく、その事業のバリューチェーンに加わる方法を見つける。
30 あなたのOSを明け渡してはいけない ヤフーはなぜグーグルになれなかったか
戦略上、あるいは重要な意思決定をアウトソースしてはいけない。プロセス、データフロー、意思決定ツリー、アルゴリズム、そして企業全体の重要な機能を最適化するシステムをつくる。戦略の実践にはパートナーや売り手を使い、ルールと最適化エンジンを自社の知的財産として構築する。リアルタイム・データを統合して、意思決定に組み入れる。
Part 3 テクノロジーに使われず、テクノロジーを使う11のアイデア
31 アマゾンはデータをどう扱っているか? メトリックスとインストルメーション
根本原因の理解と修正を厳しく追求するときは��メトリックスを使う。経営と財務だけでなく、顧客体験を測定する。メトリックスに取り込む、細かいリアルタイムデータを集めプロセスとシステムを考案する。メトリックスを中心にした会合を大々的に行ない、責任感を高めるための行動を奨励する。メトリックスを考えることはスキルであり、継続的な取り組みが必要だ。メトリックスをつくることに終わりはない。
32 プロセス官僚主義 規模を拡大できる業務プロセスとは?
きちんと定められた業務プロセスは、官僚主義を防ぐ、あるいはその存在を明らかにする役に立つ。中核機能のプロセスは、あえて規模拡大ができるように組み立てる。プロセスを組み立てるとき気をつけなければならないのは、会社全体で複数のやり方で使われている重要なサービスを見つけることだ。シンプルさで複雑さをねじ伏せる。重要なプロセスを組み立てるときは、高い水準を設定して、官僚主義を防ぐ。
私がジェフ・ベゾスから聞いた名言の1つは、ある地方の映画館で行なわれた全員参加のミーティンクの席でのものだ。1人の従業員が彼に、官僚主義を避けつつ一定のルールを保持することについて尋ねた。ベゾスの答えは「すぐれたプロセスは絶対に必要だ。明確なプロセスがなければ、規模拡大もできず、メトリックスやインストルメンテーションも設定できず、業務管理もできない。しかし官僚主義を避けることは基本だ。官僚主義はプロセスの暴走だ」
ベゾスに言わせると、Aレベルの社員は官僚主義を嫌い、それがはびこる組織から離れようとする。逆にCやDレベルの社員(どんな組織でもだいたい中間管理職に多くいる)は、体制の陰に隠れられる官僚主義を好み、ゲートキーパーのような行動をしてある種の摩擦を生み、会社全体を停滞させることが多い。可能な結果をともなう強力なプロセスは、官僚主義を減らし、仕事ができない社員を明らかにする。
ではどうすれば官僚主義に気づき、明確に定められたプロセスと区別できるだろうか。官僚主義のサインをいくつかあげてみよう。ルールを説明できない。顧客を優先しない。権限を持つ人が間違いを正さない。筋の通った質問への回答がない。SLAや回答期限保証が、プロセスに組み込まれていない。ルールが意味をなしていない――こうした状況が1つでもあれば、官僚主義が広がり始めている可能性がある。
プロセスに組み込まれていない。ルールが意味をなしていない――こうした状況が1つでもあれば、官僚主義が広がり始めている可能性がある。
高水準を保ち、細部に注意を払って、これらの兆候が出るのを避け、責任意識を高め、世界レベルの能力を生み出すのは、現実を無視しているように思えるかもしれない。たしかにそうなのだが、アマゾンはリーダーに対し、これほど高い期待を持っている。その高い水準についていけないとすぐに気づかれてしまうということも、アマゾンが誰にとってもすばらしい場所ではない理由の1つである。官僚主義は仕事ができない人を隠してくれるので、それを好む人はいる。2017年の年次報告書で、ベゾスは高い水準を求めることの利益を次のように説明している。
高水準の文化を築くことはやるだけの価値はあるし、そこには多くの利益がある。ごく当たり前ですぐにわかるのは、顧客のた���の製品やサービスの質が向上することだ。それだけでも十分だが、もう少し気づきにくい利点もある。人はレベルの高い職場に引き寄せられる。有能な社員を集め、引き留める魅力となる。それは“目に見えない”が重要な仕事すべてを守るものだ。私が言っているのは、誰も見ていない間に終わらせる仕事である。仕事をきちんと行なうこと自体が報酬である。それはプロになることの一部だ。そして最後に、水準が高いことは楽しい!一度高水準を味わってしまうと、もう戻ることはできない。
■規模拡大ができるプロセスをつくるための処方
1 プロセスCEO
2 ピザ2枚チーム
3 顧客
4 セルフサービス
5 定義
6 メトリックス
7 API
8 可能性のロードマップ
Part 3
33 仕事の計算式をつくろう AIは定式化から始まる
プロセス改良と自動化を目指すならば、そのプロセスと下位プロセスについて最適な計算式をつくる。それはプロセスと測定法を理解し定義する助けとなり、自動化とAIへと導く。
34 顧客の体験を指標化せよ あらゆる顧客にとっての完璧と簡単を見つける
顧客体験はウェブサイトやモバイル・アプリ上のことではない。それは顧客のライフサイクル全体で、あなたの製品やサービスにかかわる重要な出来事のことだ。しかしそれはあなたの製品やサービスに限らない。顧客体験を測定するためだけのメトリックスをつくる必要がある。顧客がその体験をどう感じ、どう反応するか、掘り下げて理解する。そうすれば改良のためのアイデアと、さらにイノベーションと拡張のアイデアを得られるだろう。
■パーフェクト・オーダー・パーセンテージ (POP)
アマゾンのビジネスモデルの核が顧客満足にあることは、確固としてゆるがない。販売者の成績を判断するのに、アマゾンはいくつかの指数を使っているが、その一つがパーフェクト・オーダー・パーセンテージ(POP)というメトリックスだ。これは要するに、完全に受け入れられ、処理され、履行された注文の数を追跡するものだ。
アマゾンの考え方では、パーフェクト・オーダーは、手続き上の不便がまったくない状態である。それらは次のような指標で評価される。マーケット・プレイス保証申請(アマゾンの満足保証)、低い評価、注文取消し、出荷遅延、返金、購入者からのメッセージ。
アマゾンが販売者に推奨しているPOPメトリックスは95パーセント以上である。推奨するというのは3つの目標に達しなければ、アマゾンは何らかの措置を講じるということだ。注文不良率1パーセント以下、出荷前キャンセル率2.5パーセント以下、出荷遅延率4パーセント以下。
35 あなたの会社の「アマゾン・ゴー」は何か 顧客体験のためのIoT
センサーとIoTを使えば、顧客体験を理解し、新しいアイデアをテストし、試運転をし、イノベーションを始動する能力を高めることができる。
36 情報セキュリティという言葉はなくならなければならない セキュリティを全員の仕事に
セキュリティは役割ではない。セキュリティでリスクを取り除くことではない。セキュリティは義務、プロセス、リスクの受け入れといったものを総合的に成長させるもので、すべてのチ��ムに織り込まなければならない。
37 プランニングは骨が折れる アマゾンのOPI
計画を立てるときは「これまでの業績は?」「来年の計画は?」「どのアイデアが事業を進歩させるか?」「どのイノベーションを追求するべきか?」と問いかけ、その答えによって必要な人員や予算を考える。議論の際には、主要な作業や顧客体験に関するメトリックスと目標を考慮に入れる。できるだけ時間をかけて、資料について細かく議論し、読み込み、話し合い、幹部レベルで決定を行なう。どのアイデアと企画が承認され(イエスの決定)、どれが承認されなかったのか、あるいは予算がつかなかったのか(ノー、あるいは今はまだしない)を明らかにして、組織に公表する。
38 戦略的ヘッドカウント・ブランニング 規模拡大とイノベーションのための人員配置
“事業運営”のためのスキルとヘッドカウント、そして“規模拡大とイノベーショ"のためのスキルとその業務に必要な人数を明確に規定して説明する。そのとき用いるのは一般的にテクノロジーとバートナーだ。プランニング・プロセスと意思決定を行なうにあたっては、規模拡大とイノベーションのための社員と費用をどう分配し動かすかを慎重に考える。
39 アーキテクチャはビジネス戦略 テクノロジーとアーキテクチャで勝ち抜け
会社がデータとテクノロジーのアーキテクチャをどのように設計し、つくり、運営するかは、とても重要であり、それはビジネスの価値に影響する。どれほど敏捷でいられるか、どんなタイプのリスクがあるかは、アーキテクチャで決まる。これらは考慮しなければならないことであり、自分が深くかかわっていることを確かめる必要がある。時間、才能、予算を惜しんではいけない。
40 あなたの質問 CIOに聞いてみようーそれがみんなのためになる
技術リーダーとリーダーシップのチームに、議論、変化、深いかかわりを余儀なくさせる質問をする。CIOには、それに対する答えとプランを出す責任を持たせる。しかしその作業は、事業部は関係なく協力して行なう。
41 人工の、人工知能の終焉 機械学習の未来に備えよ
機械学習は、目的を絞った狭い範囲で用いられるだろう。たとえばマネジメント上の決定を補強し、幅広く新しい機能やビジネスモデルの創造などに使われ、業界全体の力学を変える。リーダーには、自分たちの組織でそれを活用するという心構えが必要だ。少なくとも機械学習に関心を持って学び、業界の専門技術とストーリーを追求する必要がある。主要なプロセスに、サービス、計測手段、決定のためのルールをつくって、組織として備えよ。
Part4 仕事をアマゾン化する9のアイデア
42 ドアは一方通行か双方向か どのように意思決定をするかのスキルを持つ
あなた自身、そしてあなたのチームには、意思決定の訓練が必要だ。ほとんどのケースで、意思決定を迅速に行なう必要がある。顧客第一の姿勢とデータで議論を戦わせつつ、意思決定の権利が尊重されるカルチャーをつくる。決定が行なわれたら、それを発表して、全員に前進することを求める。
43 バーを上げろ 採用ミスをなくすために
雇用にかかわるミスの根本原因を体系的に防ぐ雇用プロセスを構築する。そのアプローチは明確で、計算され、体系的であること。ただ今日の仕事をこなすためではなく、成長と適応、そして変化のための雇用でなければならない。
44 パワポは捨てろ イノベーションは6枚のメモから始まる
アイデアや提案を完全なナラティブで書くことで、もっとよいアイデアが生まれ、アイデアがわかりやすくなり、そのアイデアについての話し合いが進む。何をどうするべきか、より的確な意思決定が行なわれる。計画に無駄がなくなり、リスクが減る。ナラティブを書くことは大変で、時間もかかる。しかしそれは組織のために身につけるスキルだ。高い基準と、時間をかけてこの能力を強化しなければならないという認識が必要だ。
アマゾンではリーダーがプラン、提案、サービス、投資すべてについてナラティブを書く。パワーポイントは使わない(拍手)。パワーポイントがいかに組織のレベルを下げているかについては、多くのことが書かれている。2017年の年次報告書に、ベゾスは次のように書いている。「私たちはアマゾンのプレゼンテーションで、パワーポイントは(スライド中心のもの)は使わない。ナラティブ形式のメモを6ページ書く」。ベゾスは続ける。「会議のはじめにそれを、“自習室”にいるかのように黙って「読む」。そのメモの質にかなりばらつきがあるのは仕方のないことだ。とても明確なものもある。レベルが高く、よく考えられているメモがあると、会議で質の高い話し合いができる。一方で、まったく逆のものもある」(5)
アマゾンにおけるナラティブは、主語や目的語が明確な完全文で書かれた2ページから6ページのメモである。ナラティブはテーマ、計画内でのタイミング、参加者をもとに、状況に合わせて作成する。箇条書きやスライドをあまり使用してはいけない。付属資料はつけてもかまわない。私はアイデアを書き出すという決まりが、アマゾンのイノベーション・プロセスの核心であり、他でも同じことができると思っている。グレッグ・サテルは次のように説明している。
アマゾンのイノベーションの中心には6ページのメモがあり、それが同社の活動のすべての始まりである。幹部はプレスリリースを書き、最後は新製品への顧客の反応を推測する。その後にいくつものFAQがあり、顧客だけでなく内部の関係者からどのような質問があるかを予想する。同社の幹部は私に向かって、そのプロセスによってとことん考えざるをえなくなると力説した。問題を軽く扱ったり、複雑さを言い訳にしたりすることはできない。実際に答えを出す必要がある。それがすべて、最初の会議の前に起こる。これほどの厳しさを目指す組織はほとんどない。実現できる組織はもっと少ない。
45 未来のプレスリリースをつくろう ビジョンを明確にすることから始める
重要なプロジェクトや変革を始めるときは、まず告知をする。未来の会社の強みになる”キラー・フィーチャー”は何かをはっきりさせる。このビジョンについては、組織全体にリーダーは1人。このビジョンを実現するため、全員がその人のために動く。
■未来のプレスリリース作成のためのルール
ルール1.ゴールには、目標が達成され実現している、未来のある時点を設定しなければならない。計画を立ち上げるときにプレスリリースをつくるの��よいことだ。もっといいのは、立ち上げたあと、本当の成功について検討できるようになってからつくることだ。
ルール2.顧客に関することから始める。なぜその製品が顧客(あるいは主要な関係者)にとって重要なのかをプレスリリースで説明する。顧客体験はどのように向上したのか。なぜそれが顧客の目を引くのか。この新しいサービスの何を顧客は気に入るのか。それが目標達成のために重要な他の理由についても話し合う。
ルール3.大胆で明確なゴールを設定する。あなたが達成した、明確で具体的な結果を公開する。それには財務、経営、マーケットシェアなどにおける成果を含む。
ルール4,成功につながった要因の概略を示す。これが、未来のプレスリリースで最も厄介で重要な実現が難しそうなこと、重大な決定、成功要因となった方針などを明らかにする。成功のために発表する必要があった問題について検討する。"厄介な”問題を早めに表に出すことが、どのような変化が求められているのか全員が理解する助けとなる。その問題をどう解決するかについては、まだ心配しなくていい。それを解決するための時間はまだある。
46 「FAQ」を先回りせよ 自分のために他人の質問に答える
FAQを書くことで、ユーザーの見方への洞察を深める。それを組織の誰もが見られるようにする。また、それを読むことと書くことの両方にかかわる。開発前からそれを始めて、常に最新の状態を保つ。それを徹底的に行なう。くだらない質問はない。
47 つくる前にユーザーマニュアルを書く 顧客から始めてさかのぼる
自分がつくろうとしている製品やサービスが、どのように使われるのか説明できないうちは、それをつくる準備ができていない。ペルソナとユーザージャーニー、そしてマニュアルを作成することで、ユーザーにとってよりよいものにするアイデアが生まれる。この作業をとおして、うまく折り合いをつけて適切な判断ができるようになる。
48 インプットがあなたをつくる エグゼクティブ・チームの読書リストで変化を起こす
生涯学習という目標をリーダーが実践せよ。それがチームに、戦い方を変えるための新しい習慣を生む。ブッククラブ、読書リスト、講義、なんであれ、消費するコンテンツの質を上げて変化を生み出そう。そのコンテンツをチームの誰かとシェアしよう。
49 バカでもわかるファイナンス アマゾンは「フリーキャッシュフロー」を大事にする
会計はメトリックスと同じように、操作されることがある。組織を変革しようとするときは、会計をどう利用するか工夫が必要だ。損益ばかりに目を向けると、変化が抑えられてしまう可能性がある。
50 ”ビーイング・デジタル”のために大事なこと 信頼と約束
自信過剰とビジネスに対する甘い見込みには警戒せよ。ブランドとは、顧客への約束である。それを肝に銘じて、その約束をすべての行動の核にする。統合された便利なデジタルな製品を使って、顧客の信頼を獲得し、維持し、計測することができる。
51 原則はポスターではない スピードとアジリティの追求とデジタル・リーダーシップ
デジタル変革への正しい道は、あなたとチームがつながって尽力する、そして結果を生み出すというものだ。長期的な変化���は、個人的な努力と組織的な変化が、同じくらい求められる。デジタル時代のリーダーになるために、あなたは何を変え、違うやり方を探そうとするだろうか。あなたの会社をどう差別化し、どう力を合わせ、何を優先するかについての第一原理を設定することが、本質を理解し、あなたのチームを参加させるためにきわめて重要だ。
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