投稿元:
レビューを見る
あえて誤解を恐れずに言うなら小説の皮を被った詩だった。安直な言葉だからこんな表現したくないけど、この作品は彩瀬さんにしか書けない作風なんだろうなと作品を通じて思った。個人的にはゴーヤの話と蛇の話とハエの話が好きだった。
投稿元:
レビューを見る
私たちの生きている世界とは少し違う似た世界。
正しい世界の形が見えなくなりあやふやになったとき、今まで抱いてきた感情や今まで生きてきた世界と出会い直す。
投稿元:
レビューを見る
題にもなっている、「くちなし」の腕の描写が忘れられない。
持ち主から離れて動く、という本来なら気持ちが悪いと思わせる状態のはずなのに。
不思議と美しさ、繊細さが際立っている。
腕との、奇妙で甘やかな生活がもたらしたものは何だったのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
くちなし:女は愛人と別れるとき左腕を貰う。その腕と仲良く暮らすが、ある日男の妻が腕を返せと迫る。独特な世界観の短編集。
投稿元:
レビューを見る
本能や、そこに含まれる狂気や嫉妬や支配欲みたいなものが美しく描かれている。茄子とゴーヤは少しテイストが違う感じがして、これまたいい。
投稿元:
レビューを見る
「くちなし」の話が心に残る。
比喩でもない「腕をちょうだい」だとは。
好きな人の腕ならば愛せるかもしれないが、一個人を細分化して、どこまでがその人と呼べるのか?という哲学的要素も含まれている感じだった。
投稿元:
レビューを見る
「妻がね」そう言って別れを決めてしまったアツタさん。「何かさせてくれ。貴金属でもお金でも。10年も世話になったんだから」そんなアツタさんに私は言う。「腕をちょうだい」
… …くちなし
蛇になる女は珍しくない。異形になった女たちは、愛するものを頭からバリバリと食べてしまう。
… …けだものたち
※と言うような奇譚集ということでもなく
人に褒められたり喜ばれることをつい頑張ってしまう私。好きな男が自分ではない人妻への想いにも、その喜ぶ顔がみたくて手助けしてしまう不器用な私。
… …愛のスカート
夫が不倫相手と共に事故死したのち、無気力に過ごしていたツグミと、妻に出ていかれた無口なオウミさんとのハートフルな再生物語。
… …茄子とゴーヤ
※嗜好がバラバラな短編集。
他3遍
奇譚話は好きなほうだけど、彩瀬さんのはハートフルな方が好きかな。
感想というより、ただの作品紹介になってしまった。
あまりグッとくるものはなかったかな…。
今年の12冊目
2022.2.17
投稿元:
レビューを見る
おもしろかった!!
「別れた男の片腕と暮らす女」って文から始まるあらすじにワクワクしながら読んだらすごいぶっ飛んだストーリーで、何の説明もなくいきなり腕外す描写が出てきたから「えっえっ…」って困惑した!
短編集。実写化は無理やろうから←アニメ化希望!
投稿元:
レビューを見る
文章が幻想的。不思議な感覚で読んでました。
彩瀬まるさんの小説は初めてですが、世界観に引き込まれ気づけばあっという間に読み終えてしまった。
投稿元:
レビューを見る
骨を彩る、を読んだ後の本書。
一つ目から奇妙なお話で、綾瀬さんの可能性の広がりを見た。
ドロっとした奇怪さにまるで触れてるかのような鮮やかな表現にずぶずぶと持っていかれる。
1人の屈託ない純真な愛情も他人から見たら全く綺麗に見えなかったりするんだなあ。両極端の魅せ方で心をぐちゃぐちゃにされました。
投稿元:
レビューを見る
やがて海へと続く。からの、とても不思議な話が続き、文章がとても綺麗で、でもイメージが違うけどと、自分の中で噛み砕く途中で、これがデビュー作なのを気付いた。もう才能の宝庫です高校生に思い付くとか。心の中を表現出来るって凄い。花虫が1番印象を受けたかな。物事を受け入れる人と受け入れない人、でもお互い愛してる。終わり方は哀しみだけだが、夢のある物語だったよ
投稿元:
レビューを見る
不思議で少し不気味な異世界を描いた短編集。別れた愛人の片腕と暮らす表題作や、身体に寄生した羽虫に愛情をコントロールされる「花虫」、戦火を逃れてきた異国の子供たちを主婦たちが買う「薄布」など。
ぞっとするような設定の中にも差別や人権など、決して声高ではないが、社会への風刺のようなメッセージも感じられる。
中でも、「山の同窓会」が良かった。自分は何のために生まれてきたのか、なぜ周りと違うのか、悩みながら黙々と自分の為すべき事を果たして行った先に、主人公には自分にしか出来なかった使命が見えてくる。何だか励まされるような気がした。
ただ、異世界ものはその世界観を理解し入り込むまでがちょっと疲れる。だったら何なのだと思ってしまう。
その中でバランスよく、リアル世界が舞台の2篇、デザイナーとして成功する元彼への片思いを描いた「愛のスカート」と夫を失った女性が心を回復させていく「茄子とゴーヤ」は安心して読めた。
投稿元:
レビューを見る
恋を知らず、愛なんかまだまだ自分には遠い未来の話でしかなかった中学生の私が、帯に惹かれて手に取った大切な本です。私の父が哲学好きで、愛の定義を探していますが、その行動に疑問をもった作品でした。私は今高校生ですが、人を愛したいと思ったその未来で、この本を見返すのが楽しみで仕方ないです。
投稿元:
レビューを見る
人間だけど人間じゃない、でも根本にある感情は私たちと同じ。
そんな感覚がとても面白かったし、読みやすかった。
投稿元:
レビューを見る
有り得ない設定の中に自分の知ってる感情や価値観がまじってて楽しかった。
私も好きな人の腕欲しい。
主人公達が無駄に幸せになり過ぎないところが現実味があって良かった。