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長年連れ添った妻が、実は巨額の遺産を持っていた。その額は48億円。あなたが夫だったとして、そのことを知ってしまったらどうしますか?そして、1億円あげるからあなたの好きなようにしていいと言われたら、一体どうしますか?
お金があるということで見えてくる世界。お金があるからこそできること。お金を超えて大切なもの。そんなお金を巡るあれこれを、作者はリアリティーのある設定と描写で上手に描き出していると思いました。
600ページを越える大作ですが、すんなり読めます。クライマックスでの予想外の展開は、お金は何のために使われるべきかという、物語の主題の一つに対する答えになっていて、とても興味深かったです。
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いやはや…こんな分厚いのに一日で読み切ってしまった。全力疾走。
20年連れ立った妻に48億もの遺産があると知った主人公。家族、仕事、お金とは。人生とは。
「白石作品過去最高のエンタメ度」とあるけれど、まさしくその通りで、ちょっとした連ドラを一気に見終わった感じ。
最後はいつものように力強い(読者からすると物悲しい)終わりかと思ったけど、いい意味で裏切られた。あの終わり方も「最高娯楽小説」って感じでいい。
白石氏の作品はとにかく登場人物が多いけど、それが複雑に絡み合ってほどけて、また絡んでいく様が気持ちいい。これだけ人がでてきても読み手がこんがらがらないのはすごいと思う。そして人生は運であり、縁だなあと思う。
私は白石一文と柚木麻子が狂ったように好きなのだけど、なんでだろうと思った。
柚木麻子は「苦しいくらい共感できる」のに対し、白石一文作品の登場人物には基本的に共感できない。男性も、女性も。自分とは違う世界の、自分とは違う考え方の人だからその強い言葉や行動がすんなり心に沁みるのかもしれないなと思った。
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ある日突然、妻が莫大な遺産を相続した事を知る。
夫婦としての信頼関係に疑問を持ち、新天地で新たな生活を始めた。家族も会社も自分勝手な奴らばかりで、嫌気がさし、別の地で生活をすることにしたのだ。
そんな時、親族の遺産の相続相手として自分が指名されていた事を知る。
いったいどうすべきか。そんな時、1年も合っていなかった妻が訪ねてきた。結局、妻に振り回されることになるのか?
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登場人物達のどこにでも居そうでどこにも居ないようなそんな突飛で、でも妙に人間臭いところが印象的であった。20代の私と50代の私では受け取り方が変わるようなそんな考えさせられる話。人生の転機にまた読んでみたい。
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久しぶりの白石作品
一億円を手にして、心機一転仕事も家庭も捨てて海苔巻き屋さんを始める。
やっぱり白石さんの作品は面白いなと思った。物語自体というよりも登場人物の発する言葉や思想が魅力的だった。
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内容(「BOOK」データベースより)
加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。30年前、夏代は伯母の巨額遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま銀行にあるというのだ。その額、48億円。結婚して20年。なぜ妻は隠していたのか。発覚した妻の巨額隠し資産。続々と明らかになる家族のヒミツ。爆発事故に端を発する化学メーカーの社内抗争。
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お久しぶりの白石一文著。
「ぼくはこの作品にまるまる2年間費やした。
もうこれ以上おもしろい物語は書けないかもしれない」(白石一文)と書かれていれば、読むしかないということで。
その勢いや、詳細の描かれ方含め、読み終わってみると、言い過ぎではないと思える一冊。
一部感情移入しにくい部分もあるが、それでも読み終わった時の読了感はさすが。
ちょっと文量があるけど、小説読みたいなーと思ってる方にはオススメ。
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ドラマ途中で読破
ドラマは上川隆也さんだったので、原作主人公のような時には狂気する部分はまったくなかった。そのイメージのせいか、いくら裏切られた感があっても、なにも言わずに家族を捨てて家を出たり、娘が出産したことも連絡しなかったり、子供から連絡しなかったり、ちょっと考えられない。ラストも、なんだよ、結局金で屈服させたのかよという気持ちにならなくもなく、不完全燃焼。
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久しぶりに読んだ白石一文さんの作品。読み応えありました。白石さんの描く女性たちは、信念を貫く強い人が多い気がします。これからドラマを見ようと思っています。
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白石さんのストーリーはいつも好き。でも何でこんなに説明口調で書くのか、ここまで細かい描写が必要なのか。この本もそのためにとても分厚い本であったし自分はずいぶんと読み飛ばした。これだから本屋でなかなか手に取れないのだが。
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20年連れ添った妻に、48億円もの財産があることを知った夫が、夫婦の関係や仕事、人生を考え直していく。
設定はおもしろいのだが、必要以上に具体的な描写が多いのに加え、最後まで夫婦二人の考え方に共感ができなかった。
家族がどれほど困ったことになっても、自分のお金ではないと言い張る妻、意地になってわがままに生きる夫、子どもたちへの接し方やラストも含めて、私には納得できる部分が少なかった。
お金で人生が狂うというのはわかるが、上手な使いかたをすれば、幸せにもなれるはず。恐いものにふたをするのではなく、お金を生かす方法を探す努力をしたらいいのにと思うのは、財産のない者のひがみかなぁ。
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ミステリーかと思って読み始めたら違いました。約700ページもある大作ですが、最後まで読めました。
印象に残ったところ。夏代との夫婦関係は、二人の子供を育て上げた時点で役割を果たし切っていた。子育てを終えた夫婦が死別のときまで共に暮らす理由には、もちろん慣れ親しんだ繋がりを失いたくないという願いも強く作用されるだろうが、片方で、経済的な事情や敢えて別れるまでもないという〝面倒くささ 〟も大いに関与していると思われる。
自分たち夫婦の場合は、夫の側に新天地で始めた順調な事業があり、妻の側には娘や息子との深い絆と莫大な財産がある。
そうとなれば「子どもたちの独立」という明確な区切りをもって互いが別々の人生へと乗り出していくのは、考えてみるに決して不自然でも不合理でもないのではなかろうか?
フィナーレが映画の1シーンのようでした。
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有り得なさそうで有り得そう、でもそれすら有り得なさそうというようないかにも現実味離れたお話だという印象があります。
1億貰った鉄平さんの使い方に心の広さを感じました。
PS BSTVで若い頃の鉄平さんを演じたSixTONES 松村北斗くんすごくかっこよかったです( ⸝•ᴗ•⸝)♡
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NHKBSのドラマでやってましたが見損ねたので、小説のほうで。福岡と金沢、少々土地勘があるので入り込めました。面白かったのは間違いないのですが、最後はもう少しノーマルに、しんみりと元の鞘に戻ってほしかったなって。これ個人的な希望、好みとして。なんか皆さん濃いキャラクター、そして濃い人生ですよね。やっぱ、お金と女性は怖ぁ。両方とも縁がありませんが。
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表向きは円満な夫婦だったが、ある日、妻の夏代に48億円もの資産があることを知る、夫鉄平。
鉄平は会社をリストラされ、マンション購入を断念し、関東から親戚を頼りに福岡へ移住することになったときにも、そんなことは一言も知らなかった。
それは妻が叔母から譲り受けたが、妻は自分のお金だとは思っていなかったため、一切手をつけるのをやめようと考えていたからであり、妻はそのお金は元からないものとしていたからである。
しかし、夫としてはなぜそれを苦しいときに使ってくれなかったのかと考えた。
また、2億円をカナダの企業に出資していることもあり、矛盾しているではないかと考え、妻に対して不信感を抱く。
そのお金のあり方を見直すためという名目で妻は、お互いに1億ずつ持ってみて、お金について考えようと提案され、妻は一度家を出ていく。
家を出ていってからは、息子や娘、そして仕事上でのトラブルに見舞われる。
そのトラブルの最中に、妻の出資先が妻がかつて不倫していた相手の会社だということを知る。
それがきっかけとなり、1億を持って家族とは縁を切ること思いで、夫鉄平は家を出る。
新たな生活拠点として金沢を選ぶが、そこで自分でやりたいことを始める気でいた。
金沢ではお店を経営したり新たな人間関係を築いていくが妻からは一向に連絡はなかった。
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読み終わって、誰しも秘密は抱えているし、人に言えないこともあるだろう。
しかし、夫は少しサイコっぽくないか?と、いくら成長したとして子どもたちも捨てるような覚悟でいけるものなのか?
またかつての親友の妹をこうもあっさりと切ることができるのか?
妻の考えはどうだったのか?
妻は妻で身勝手だとは思ったが、人間らしくて夫より共感できた。
最後は結局元に戻るのかな?
突然、物語に出て来ていなかった人の名前が登場したりして、ん?読み飛ばしたっけ?ってなるところが何度かあった。