叙述トリックが満載
2020/12/30 16:37
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名の意味は、さいごにいくまでわからなかったよ。
ちょっと困ったちゃんの女の子たち。
周りが困るより以上に、自分自身が困ってるんだ。
その子たちに寄り添いながら、人生で困ったらどうしたらいいのか、
考えさせてくれる。
決して、がんばればいいんじゃないんだよって。
とはいえ、人生読本ではない。
日常の謎系ミステリーとしても面白い。
おおげさにいえば叙述トリックが満載なので、
内容にはあまり触れないでおこう。
ただいえるのは、
最後は感動的ですよ、ってこと。
絶対オススメ!迷ったら買って!!
2020/11/06 20:31
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投稿者:古墳ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶対に共感出来る本です。
校長先生が生きるためのアドバイスをしてくれる本です。
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それぞれの物語自体は短く、これからというときに次の子の話になってしまうのでそこは物足りなかったけど、理事長の卒業式での話が泣ける。
身に染みるとはこのことだった。
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閉校する大学の4年生なのに、単位が足りず、半年間、寮で強制的に単位を取るために残ることになった学生達。
そこには様々な理由があり、優しくて、意地悪で、泣ける日々があって。
加納さんの作品だなぁと思った。
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この本は自分と向き合う自分の物語であり、自分に影響を与える家族の物語であり、人生についての物語である。
閉校する大学の落ちこぼれ学生たちが主人公の連作短編集。
様々な悩みや葛藤を抱える主人公のひとりひとりに、「あれ、過去の私かな?」と思うくらい共感してしまった。
自意識過剰になって接し方がよそよそしくなってしまう、現実逃避のための睡眠が唯一の精神安定剤、クラスの賑やかな人たちの言動に左右される……今では、完璧ではない自分自身を認められるようになったし、考え方もかなり楽観的になった方だと思うから、そこまで思い悩むこともない。けれど、学生の頃は自分のことや他人のことでよく悩んでいた気がする。
何もかも上手くいかなくて、それは自分のせいで。自分が惨めで情けなくて現実から逃げたくて、こんな風に悩む自分も嫌だから誰にも相談できない。当時は現実を直視しなくていい「寝る」という行為だけを好んで選んでいた。
誰にでもそういった振り返りたくない過去があって、でもそれなりに生きている。そして、暗闇から抜け出させてくれるのは、人との関わりの中で生まれた小さなきっかけだったりする。ご縁を大切にしようと思った。
家族は一般的に大切にしないといけないと言われているけれど、近い存在だからこそ気付かずにストレスに感じたり、逆にストレスを与えてしまうこともあるのかもしれない。
自分を救うために、時には逃げることも必要。
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女子大を舞台にした連作短編。登場人物の描写が少し薄いかなとは思いましたが、表現されるそれぞれの苦しみや悲しみは、「そうあって然るべき」という切実さと臨場感を持っていました。
最終話でに理事長が語る「家族は時に、ウィルスや悪性腫瘍と同じく、人を蝕み、病ませてしまう」という言葉から、明確に作者の想いや主張が伝わってきます。そして、「自分の足で逃げられる力」や「助けてと言える人を探すこと」が、我が身を救うための知恵と勇気になるという理事長の言葉も、至極その通りだと感じました。
一人ひとりの人生には、そうなるだけの背景や生い立ちがある。そんな当たり前のことを、改めて感じさせてくれる作品でした。
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閉校寸前の単位不足女子大生が救済措置として寮生活を強いられる。それぞれの傷と再生の物語。だれもかれもがダメ人間だが、それがなぜだか愛おしい。
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加納朋子さんの作品に共通する空気感。穏やかさであり、そして優しさが今回も存分に詰まった作品でした。
市立萌木女子学院は閉校が決まった女子大。しかし、単位不足のため数人の学生達が卒業できない事態に。
学園の理事長である角田理事長は、苦肉の策として半年間の特別補講合宿を開講し、彼女たちに単位を取らせることに。そして、そこに参加した彼女たちは、それぞれにある事情を抱えていて……
閉講することが数年前から決まっている女子大に入学し、それなのに単位を落とし卒業できない。その理由も一見同情できないものもちらほら見られる。
「そういう大学行ってるのに、寝坊繰り返して単位落とすって親が泣くわ……」
と思う話もあったりします。そんな一見すると、単なる怠惰にしか見えない登場人物たち。しかし、彼女たちは時に自分でも気づかなかった理由を、抱えていることが各エピソードを読んでいくと分かります。
人のことを外部の人間が勝手に判断し「あの人はダメだ」と諦め、決めつけてしまうこと。自分もおそらく無意識的にやっていると思うし、だからこそ先に書いたように、初っぱなは登場人物に呆れた事もあるのだけど、加納朋子さんは登場人物自身にしか分からない苦しみを掬いだし、そこに解決を用意し、彼女たちの影に明かりを灯す。
誰にも理解されない苦しみに寄り添い、それを良い方向に向ける。加納さんの優しさが、そういうところに滲み出ていると思います。
女子大生たちの卒業の見込みが着いてきて、そして最終話で語られる角田理事長と、萌木学園の過去。角田理事長がなぜ、口では学生達に恨み節を吐きながらも、親身でいてくれたのか。その謎が明らかになると共に、帰ってこれる場所や、思ってくれる人がいることの暖かさが身に染みました。
『カーテンコール!』では、特に少数派・マイノリティなどのような、世間からはすぐに理解されない人たちに対しての寄り添う姿勢のようなものを感じました。
勝手な想像だけど、加納さん自身の闘病の経験、自分にしか分からない苦しみを経た経験があるからこそ、加納さんの作風というものが、このように広がっているのではないか、と思います。
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様々な理由で大学を卒業できなかった落ちこぼれたちを救済するために、
必要単位を取得するための強制合宿会を開く話。
いろいろな悩みを抱えた人たちが登場するけれど、
いいキャラの学長と、友人同士の助けで少しずつ前を向いて生きる話。
待ち時間に暇つぶしで買ったのだけど、面白すぎて一気読みしてしまった。
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廃校する女子校で、単位を落とし卒業できない学生たちが半年間の補習(合宿)を受けて卒業を目指す物語。登場人物が多すぎて、それぞれどんな問題を抱えているかは分かるけど、いつのまにか成長していた感じ。素敵なお話なんだけど、少し物足りなかった。
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本書の解説を書いている一万円書店のドキュメンタリーを見て以来、文庫化を待ちわびた小説。
それぞれの事情を抱えた女の子たちを取り巻く短編が続いて、理事長先生の温かさにほっこりする。反面、こんな先生に巡り会えることなんてないよな、などと思ってしまったり。
人それぞれ、それぞれでいいんだという力をもらえる、けど、そういう場所はそうそうないのかもとも思う。
(400)
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全ての人の生き方に、何か理由があるという内容。
選書屋さんがほぼ全ての方にオススメしていた理由がよくわかりました。たくさんの女性が出てきますが、理解者がひとりでもいれば、誰もが救われるということを、教えてくれる本です。
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おじいちゃん理事長にほっこりさせられるけど、どの子も何かしら身体や心の病を抱えてて、結構深刻だけど、語り口はライト。
読みやすかったのはよかったけど、なんだかリアリティが感じられず、そこまで入り込めなかったのは、残念。期待しすぎたのかな。
闇を抱えた1人1人のことを考えてくれるおじいちゃん理事長先生みたいな先生が本当にいればいいんだけどね。
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経営難で閉校することになったある私立大学。
全員晴れて卒業!と思いきや、単位不足の生徒たちがいる。なんとかして卒業させようと半年間特別補講として合宿が始まった。
全6話の連作短編集で、一筋縄ではいかない悩みを抱えた人達が、半ば収容所かのような合宿所で、仲間と助け合ったり、悩みを打ち明けたりしながら、卒業に至るまでの日々が綴られています。
各話ごとにそれぞれの生徒たちにスポットを当てて、なぜ単位不足に陥ったのか過去と交えながら、今を生きようとする姿が描かれています。読み手側としては、一つずつ悩みが判明していきますが、小説の中では視点が違うため、該当する人の悩みが分からないまま、進行しています。なので、違った楽しみ方がありました。
それぞれの登場人物の心理描写が繊細で、「今」に至るまでの過程が痛々しく、苦労されているなと思いました。誰も理解されない気持ち、側から見たら、変な人に思われがちだが、本人にしてみたら、重大な問題。そう思うと、安易に人を判断してはいけないと身につまされました。
でも、ちょっと恐いなと思ったのが、「プリマドンナの休日」の話。恋した人に出会いがために許嫁?の人と・・・というのは、いかがものかなと個人的に思ってしまいました。
一番印象深いのは、最後の「ワンダフル・フラワーズ」。
題名と相まって、色んな要素が詰まっていて、心に響きました。大盛り上がりということではなく、内からくる盛大さで、私立大学の創立秘話や卒業する人に向けての熱い言葉が描かれていて、最後に相応しいと感じさせてくれました。
創立秘話では、壮絶な過去や「今」に繋がる伏線が、驚きや感動へと変化していくので、読み応えが抜群でした。
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それぞれ問題や悩みを抱えた大学生に対する理事長の優しいまなざしがとても暖かい。半年間の寮生活で救われた学生も多いはず。