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序盤は、文字間隔や背景の色などで読みにくいのが気になった。
でもこの文章も装丁の内であって、文章だけちゃんと読みたい人は普通の小説を読めば良い訳だから、と自分に言い聞かせながらページをめくっていく内に、マツオヒロミさんの絵にすっかり魅了されてしまった。
これは絵本の域を超えていると思う。漫画、小説、映画など、一つの作品を味わうのに色々なジャンルがあるけれど、まだ名前のない新たなジャンルを体験しているのではないかという気がした。
お話の方はすごく谷崎らしいのだけれど、今まで主人公を谷崎の顔で想像してしまっていたのがこのイラストに挿し変わるだけで、こんなに世界が変わるのか、と思ってしまった。
素晴らしいコラボで両者の魅力を再認識させられた。
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絵の力!そしてレイアウト。
まるで映像を見ているみたい。こんなに小説の世界が立体的になるなんて。
そして落ち着いた文章はやっぱりいいなぁ。
この続きがあるのなら、世間知らずの甘えん坊坊ちゃんが、本当の闇の世界に足を踏み入れて落ちていく章を読んでみたい。
これは小さい男の子のちょっとした冒険譚みたいなお話。
他の作品も読んでみたい、素敵シリーズ。
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マツオヒロミさんの絵が好きで買った本なんだけど、絵と物語の世界観がものすごく合ってる!
色っぽくて儚い感じがとても好き。
谷崎潤一郎は初めて読んだけど、面白かった。
秘密って、秘密だから魅力的なんだなー。
主役の男の人はこの先どんな体験をするんだろう?
他の谷崎作品も読んでみようと思わせてくれた1冊でした。
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イラストが魅力的。文章だけで読んだら読後感は全然違うだろう。英語が混じってくるのは手法のひとつ?秘密が暴かれたら、あんなに魅惑的だったのにとたんに色褪せて見える。分からなくはないけど、残酷だなぁ。
表紙の絵と中の絵、同じ構図なのに顔が違う。もし、逆だったらぞくっとしただろうな。
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マツオヒロミさんは前々から作品を拝見していて、素敵なイラストを描かれる方だと思っていたので読む前から素晴らしい作品だろうとは予想していたが、その予想以上に谷崎潤一郎の世界観にぴったりと合っていた。
馴染みがなく、最近の文章と比べると読みにくく感じる文体だが、絵のおかげで挫折せず読むことができる。
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上海で知り合った見目麗しき夢のような女には<秘密>がありました。その女と夜の東京で再会した「私」は、渾然たるミステリ-の靄の裡に投げ込まれていくのでした。 化粧に身をやつし装いを変えて都会の夜の街々を歩く<秘密の私>。それを一目で見抜いた<彼女の秘密>に、恋情の炎が燃え上がるのでした・・・。 妖しい魅力で迫る谷崎潤一郎のミステリアスな明治44年の作品です。
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女装が美しい男の人は、ちょっと憧れる。
昔に付き合った美しい女性と再会して少し嬉しくなったのだろうと思う。
美しい人同士の恋愛。
良いけど、
不倫ってこと?
秘密はそのままにできない魔力があるのかも。
好きで知りたかったから行動したのか?
仕方がないと思う。
辛いけどさようなら。
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<乙女の本棚>シリーズに谷崎潤一郎がついに登場。これまで登場してこなかったのが不思議だ。そして絵師は、これまたシリーズ初登場のマツオヒロミ。美麗かつ妖艶。文章も絵も、耽美でデカダン。
「本」としての出来栄えは秀逸すぎる。ただ、お値段が高い。オールカーラーで判型も特殊だからしょうがない。
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読みたかった乙女の本棚シリーズ。
図書館にあったので借りました。
谷崎潤一郎という作家は名前は聞いたことあったけど、作品を読むのは初めてでした。
耽美な世界観が、色艶やかなマツオヒロミさんのイラストととてもマッチしていて良かったです。
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幾つもの「秘密」で美しく編まれた世界とその結末。
それに官能的で耽美、豪華絢爛なイラストが添えられています。文章でもイラストでも眼福な一冊。
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美しい世界観と美しい絵に耽溺できる贅沢な1冊。
つられて椎名林檎の「短編キネマ 百色眼鏡」が観たくなってくる。
T女の秘密はいじらしい。
タネがわかると夢が覚める手品みたいな、脆い秘密が可愛らしい。
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耽美派などの作品をイラストとテキストにより表現した作品群らしい。テキスト入りの画集を見ているような雰囲気がある。イラストもきれいなのときちんとテキストを踏まえた作品になっており良い内容だと思う。
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最初は理解して読めたものの女性の登場からよくわからなくなってしまった。
つまり、よからぬ関係だったということ?
それとも本当に別世界に迷いこんでたのかしら?
なんにせよ秘密まみれの作品。
イラストがすごく綺麗でみとれました。
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夜な夜な女装をして出歩く「私」は、ある夜、昔の女と再会する。
そして彼女との秘密の逢い引きが始まった。
秘密に淡い快感を覚える特殊性癖をもつ「私」を繋ぎ止めるため「夢の中の女」を保とうと努める女。ある意味健気。
マツオヒロミさんの挿絵がとても素敵で物語に彩りを加えていた。
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乙女の本棚シリーズから、谷崎潤一郎さんとマツオヒロミさんのコラボ作品「秘密」です。なんともノスタルジックな印象の表紙ですよね!作中のイラストもステキでした。
主人公は日常を生活する上で得られる刺激に物足りなさを感じていた「私」…ある日ステキな着物を見つけたことがきっかけとなり、夜な夜な女装して町に出かけることを覚え新鮮な刺激を得ていた。ある夜のこと、偶然以前お互いの身元を明かさず交際していた女性と再会する…。そして再び彼女とお互いの身元を詮索することない、秘密の関係を持つことになった…。ただ、「私」は彼女の秘密を暴きたくなってしまい…彼女との関係は終わりと告げる…。
彼女のほうが秘密の関係を守ることで、「私」をつなぎとめておきたかったことが読み取れました。あるいみ健気です。対してこの主人公の「私」は、イやな感じだとつい思ってしまいました!私なら、こんな主人公とまた付き合いたいとは思わないや!とあまりいい感じの読後にはならなかったです(^-^;)。