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目次から興味持って購入。
はじめに中国でテクノロジーが発展した理由を一通り出した後、BATHなどの代表的なテック企業を紹介するという流れは、情勢を知るのに役立った。
また、COVID-19を機に中国から撤退する企業が出ているが、実際に出ている数は割合として少なく、そういうところは中国を製造所としてしか見てないという意見は数字を見ると一理あるなと感じた。
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イメージしてた中国よりかなり未来にいる!
中国の国家単位での取り組みや国民の企業に対する考え方の違いやBATH、TMDPの台頭が非常に分かりやすく書かれていた!
経済成長鈍化もこのデジタルエコノミーにより乗り越えていくと思う!
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とくに大手会社の研究開発費の巨大さに驚く。たんに人口の多さや政治形態に依存した成長をしているのではなく、やるべきことをやっているのだなあと感じた。
BATH、TMDP等の巨大企業の提供するサービスの説明が多く、しらなかったことも多かった。それらの企業にも紆余曲折があり、生き抜いてきた企業が先行利益の果実を収穫している。
中国でスマートフォン決済が爆発的に普及した要因も興味深く読んだ。中国政府の携わり方も説明されている。
チャイナ・リスクにも適切な対応が必要で、リスクマネジメントをしながらビジネスチャンスを探る必要があるというのはわかる。
一方で、リスクを過小評価しているように感じる。あるいは意図的に触れていないのかも。中国でビジネスを展開するには技術移転を求められるとか、資本規制を受けるとか。小売業であれば、販売管理システムや接客・商品管理くらいかもしれないが、製造業ではそう簡単ではないように思う。その辺を、実態をよくしっている著者がもっと掘り下げると、安心できる、もしくはリスクを探ってみようかという会社も出てくるかもしれず、中国への投資がしやすくなるのではないか。
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ー 中国に進出している外国企業は「チャイナリスク」に直面しています。日本企業も同じです。しかし、チャイナ・リスクはいわゆるカントリーリスクであり、グローバルにビジネスを展開しようとする企業にとっては中国だけではなく進出先のあらゆる国や地域で絶えず直面している問題です。
前述したジェトロのアンケート結果が示すように、だからといって、巨大な消費市場、質の高い人材や労働力を擁する中国から全面撤退するのは得策ではありません。中国を取り巻くリスクを経済的、政治的、社会的、地政学的側面からしっかりと分析し、リスクマネージメントを的確にすることが肝要です。とりわけ、今後もしばらくは沈静化しそうにない米中対立の行方には留意が必要です。安全保障関連分野に限らず、さまざまな分野に影響が広がる可能性があります。 ー
一番知りたかった部分があっさり触れられて終わってしまったので、残念。
あくまで経済面に注目した作品。
C2M、ABCD5G、BATH-TMDPの概要理解にはちょうどよい。
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簡潔な各中国企業紹介でした。
あとはコネでしか信用が築けないなら、それこそブロックチェーン一択だろ、という感じでした。
二点だけ興味深かったのが、下記です。
C2M customer to manufactuer
消費者から製造者へ
消費者ニーズを起点として商品開発する。
例
リアル店舗で試着して、その場でオンライン注文して、夜には商品が自宅に届く。
陳列された食品を実際に確認した上で、スマホを使ってオンラインで注文・決済すれば、持ち帰る必要なく手ぶらで買い物できる。
生産方式:ニーズに基づく生産、データエーゲージメントによるスマート製造、オーダーメイドの実現
在庫:在庫リスクの低減、また在庫ゼロ
チャネル:プラットフォーマーが中心、リアル店舗もあり
商品:脱ブランド、PB開発、高品質かつ低価格商品
メィトゥアン
OMO online marges with offline
オンラインとオフラインの融合
オンラインで注文するフードデリバリーのサイトのユーザーをレストランへ誘導したり、反対にレストランが提供する食事をオンラインでデリバリーしたり
OMOに関しては、事例がざっくりすぎてはてな?です。
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中国のテクノロジーは、目覚ましい発展を遂げている。中国共産党による一党独裁支配で、テクノロジーを人民支配のため、世界制覇の野望のために悪用している面もあるが、日常生活で人々の生活に変化をもたらしている。
日本は社会インフラが整備されていてそれが新しいサービスを取り入れにくい土壌を作っている。このところ、ペイペイなどのQRコードを使った非接触型決済をする人が増えてきたとはいえ、いまだに現金で支払う人が多い。
一方の中国は、EC大手アリババが提供するアリペイや、SNS大手のテンセントが提供するウイーチャットという決済サービスが広く普及している。
日中のデジタルシフトに対する違いについて著者は、両国の人口構成の違いについて指摘している。日本は世界でもっとも高齢化が進んでいるのに対して、中国は生まれながらのデジタルネイティブ世代が多く、デジタルシフトに対する抵抗感が多くない。
さらに、起業家志向でも違いがある。ロンドン大学や米国バブソン大学などの研究者などが継続して行っている国際調査「グローバル・アントレプレナーシップ」の2014年版によると、職業として起業家はよい選択を選んだ中国の65.7%に対して、日本は31%だった。
検索エンジンのバイドウ、ECのアリババ、SNSのテンセント、通信機器のファーウエイなど中国という巨大市場で圧倒的な地位を築いている企業がある。
明るい未来が開けているように見える中国だが、中国当局の規制か緩和かというジレンマとプライバシーをめぐる世論の分断があった。
意外にも個人の情報保護の意識が高まり、中国世論は割れているとは、あの「くまのプーさん」でもすべて思い通りにはできないようだ。
中国のニュースと言えば、子供が穴の中にはまって抜け出せなくなった話題を取り上げることが多い。日本の視聴者向けに受けがいいのだろうが、ハイテクの進んでいる面も積極的に取り上げて中国の実情を知らないとやけどする。
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「世界の工場」から「イノベーション大国」へ。実際、歴史と言うのは進んでいくのです。過去に捕らわれているイメージでは、今は見えないのでしょう。実際に中国で動いているハナシ、ネタ、ビジネスが実名で多数登場。国としての政策との絡みなんかもそのまま書かれている。実情をつかんだり、現地目線の事例として使うネタが満載です。
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大学卒業後来日し、現在は日本で研究員をしている中国生まれの中国人著者が、中国のデジタル革命について書いた本。中国のデジタル技術について、現在に至る経緯を、AI、キャッシュレス、ブロックチェーン、5Gなどの技術別に説明している。成功した代表的な企業の活躍ぶりを例に挙げ、わかりやすい。ただし、分析、記述が表層的で、新しく知り得た知識は少なく、あまり得るものはなかった。以前に読んだ 岡野寿彦著『中国デジタル・イノベーション』の方が分析は深く、著者の私的な見解も論理的述べられており価値が高いと感じた。
「マスクを着用したままで通行人の体温を測定し、感染の可能性のある人の身元を顔認証技術で特定するAI技術サービスに驚いた読者も多かったと思います」p2
「米国のGAFAや中国のアリババ、テンセントの名前を挙げるまでもなく、これまでデジタル革命をリードしてきたのはベンチャー企業です。ベンチャー企業が数多く生まれた国がデジタル革命に勝利してきました」p44
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必読。ABCD5Gとか基本知識と最後の提案もいい。日本の良さと中国の良さ、確かに難易度高いけど最強ではある。
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中国のテックジャイアントと言えばBATHというくらいしか知らなくて、しかも中国政府が主導権を握ってガチガチにコントロールしている印象を持っていたのだけれど、実際はそういうわけではなく、中国国内、国内問わず熾烈な競争を勝ち抜いて大きくなった企業なのだと知った。しかもBATHに変わりうる新たな企業も多数出現してきていることにも驚いた。
グローバル化を目指して頑張っている企業の数多くはどんどん巨大化しており、その背景にはお客さんや関係者の人たちへの誠実な関わりがあるからこそなのだと知った。
個人的に中国という国のリスクを特に大きく感じてしまっていたけれど、地政学的なリスクはどこの国でもあるものであり、そんななかより多くの人の役に立つ価値を創出し続ける中国企業に対してかなり親近感がわいた。
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2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。
2021年12月29日作成
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類似の内容について詳しく書いた書籍 (チャイナ・イノベーション2) を読み切った直後に読んだため、やや雑に読み通した。
比較的平易な読み易い語り口で、はじめに中国の大まかな特徴について触れたあと、どちらかと言えば「浅く広く」のスタイルで、中国のデジタル技術や牽引企業について紹介している。全体的な動向を概観し現状を知るのに手っ取り早い一冊。批判的記述がやや少ない点に注意して読むべきではある。
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良書:恐るべき変貌を遂げつつある中国の先端のリポート:名実ともに中国は世界2位のIT国家です。是非、一読をお勧めします。頭出しの第1章、実像を伝える第2章がキモです。
中国経済の成長が鈍化するなか、チャイナテックの躍進が脚光を浴びている
・スマートフォンが中国のデジタルエコノミを推進している。リーフブロックといわれる最新技術へのDXの普及。
・デジタルライフのABCD5G:AI,ブロックチェーン、クラウド、(ビッグ)データ、5G。
・ニューリテイル:C2M:実店舗で体験、その場でオンライン注文、夜に商品が届く。消費者と生産者の情報連携。
・中国製造2025:①次世代ICT、②高性能工作機械、ロボット、③航空宇宙、④海洋、ハイテク船舶、⑤先進軌道交通、⑥省エネ、⑦電力、⑧農業、⑨新素材、⑩バイオ医療。
・1978年の鄧小平の改革開放、1992年世界の工場、2006年イノベーション国家の流れ。
①研究開発費をGDP比2.5%以上、②特許登録件数学術論文世界5位以内③経済成長に対する技術進歩寄与60%以上
・2015年の5か年計画 イノベーション、協調、エコロジー、解放、シェアの5つの発展方針。
・先端地方政府 ①北京市、②上海市(AIラボ)、③杭州市(AIタウン)
・先端10分野、①AI,②量子コンピュータ、③再生医療、④自動運転、⑤ブロックチェーン、⑥サイバセキュリティ、⑦VR,⑧ドローン、⑨リチウム電池、⑩伝導性高分子
・米GAFAを追い出した、中国のプラットフォーマ:BATH,国内市場の育成と、巨大市場が生み出した
バイドゥ、アリババ、テンセント、フォーウェイ
・個人情報保護の緩さ、ビッグデータとAI技術の急伸
・AI:顔認証、対話型ロボ、AI画像診断、スマート配送
・決済プラットフォーム 銀聯⇒スマフォ決済、アリペイ、ウィチャットペイ
・デジタル人民元、ブロックチェーン⇒サプライチェーン・ファイナンス、国際送金、トレサビリティ、BaaS
・5Gビジネス:ドローン、ロボット、AIサービス、AR,ファーウェイ、シャオミ、スマートシティ
目次は以下
はじめに
第1章 「チャイナテック」を正しく理解する
第2章 世界経済を塗り替える中国デジタル革命の実態
第3章 テックジャイアントbathと、次世代プラットフォーマーTMDP
第4章 中国デジタル革命の陰
第5章 中国記号の国外進出と日中新時代
おわりに
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中国の経済発展を牽引したテクノロジーの進化は凄まじいものがある。我々が学ぶべき点は本当に多いと思う。
中国でこれだけ一気に最先端テクノロジーが浸透したのはなぜなのか。
もちろん、リープフロッグ現象もその一因だろうし、個人情報管理の考え方の違いという面も影響があると思う。
しかしそれらを差し引いても、日本の状況とここまで差が付くものだろうか?
未だにアナログ昭和感から脱していないと感じてしまうのは、私の勝手な思い込みだろうか。
否、我々は謙虚にチャイナテックという現状を正しく認識しなければならないと思う。
著者は、ここまでのテック大国となれた理由を、政府のグランドデザインがあったからだという。
全体の計画が優れていたという「企画の差」もあるかもしれないが、ことデジタル化、テック化については、「一党独裁」というトップダウンで物事を進められる「運営面の差」が大きいことは否定のしようがない。
もちろん、トップダウンがすべて正しいということはあり得ないので、ここは文化の違いとしか言いようがないが、どうも自分の肌感覚的にも「総論賛成各論反対」「石橋を叩いて渡る」というのは、日本の悪癖の気がしてしょうがない。
(きっと自分も他人に対して、気付かずにやっている可能性があるのだが)
「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕るのが良い猫だ」は鄧小平氏の言葉か。
結果を出せばやり方は問わないというのは、あまり日本には馴染まないのかもしれない。
しかし、結果を重視してこなかったからこそ、これだけ世界との差がついてしまったのも事実なのではないだろうか。
高齢化と人口減少が急速に進んでいる日本で、これからイノベーションを起こして世界を牽引していくのは相当に困難だろう。
だからこそ「どういうポジションを狙うのか」「縮小する中で国家をどう運営していくのか」という、それこそ「グランドデザイン」が非常に重要な気がする。
個人レベルではできることが限られているが、当然中国の事例で参考に出来ることは取り入れていきたい。
日本ではまだまだニューリテールと言われる「C2M」は浸透していない。
ここはもっと中国の事例を研究して、早期に取り組んでみたい分野だ。
当方の所属する会社も、通販事業を行っているため、真剣に研究したい。
そのために急いで手を付けなければいけないのが「デジタル化」か。
当然分かっているし、本当に当たり前のことであるが、これが実はなかなか進まない。
個別の事象は確かに遅々としながらもデジタル化されている。
しかしどうしても「一気通貫でのデジタル化」とならない。
縦割り組織は未だに存在するし、なぜか全体最適よりも個別最適が優先されてしまうという文化が根強くある。
部門を超えて議論していたとしても、結局は個別バラバラにデジタル化することに帰結してしまうのはなぜだろうか。
これではデジタル化の真の恩恵は受けられないし、「C2M」のような今までの延長線ではない全く新しい業態に変化を遂げることはあり得ない。
このハードルを超えたいと思っているのだが、見えない高い���に阻まれてしまっている。
個人の気持ちだけであるが、本気で何とかしたいと思っている。
本書内でも出てくるが、現在の中国は「ABCD5G戦略」(AI・Blockchain・Cloud・Big Data・5Gのこと)を推し進めているという。
このスローガンをそのまま真似ずとも、日本でもこの5点を推し進める必要があることは疑いようがない。
このAI・Blockchain・Cloud・Big Data・5Gの全てが揃うから、「一気通貫でのデジタル化」が実現できる訳だ。
この分野も日本は立ち遅れている気がするが、国家を上げて今からでも全力で取り組まないと、本当に国防や国家安全保障まで影響しかねないとすら思ってしまう。(大袈裟ではない気がしている)
偶然なのか、かつて戦争に突入するきっかけとなった「ABCD包囲網」と語呂が似ているが、中国が「ABCD5G」を駆使して、日本との距離を縮めているのは気になるところだ。
本書内では、今だからこそ中国企業が日本進出を狙っていると、著者が説いている。
高齢化と人口減少というマーケットが縮小していく中で、なぜ日本なのかと思ってしまうが、案外そこはマイナス要因と見ていないらしい。
日中の政治的な緊張が緩和されつつあるのも一つの要因らしいが、日本は消費者の目が厳しいために「もし日本で成功できれば、他国でも成功できる」と考えているらしい。
この主張はある意味納得できる。
製品のクオリティにしても、サービス面にしても、もしかしたらUI・UXにしても、一番厳しい目を持っているのは、日本の消費者かもしれない。
ここをクリアできれば、品質は担保されたと言える。
世界のどこに持って行っても通用するということか。
いずれにしても、中国企業のようなしたたかさを、日本側ももう少し持ってもよいと思う。
BATHだけでなく、次世代プラットフォーマーのTMDPが現実的に勃興してきた点でも日本の状況とは大違いだ。
TikTokは日本でも絶好調であるが、それが中国企業だということを日本のユーザーは理解しているのだろうか?
とにかく世界は新時代に突入している。
日本だけ、かつての栄光を懐かしんでいる場合じゃない。
「昔の金メダリスト」なんて揶揄されているのを、指をくわえて黙って見ている訳にはいかない。
今からでも世界を席巻するようなジャパンテック企業が生まれてほしい。
心の底からそう思っているのだ。
(2023/9/26火)