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【祭りの熱気に誘われるようにエロスが満ちる。傑作短編集】農家に嫁いだ舞桜子は、龍神まつりが近づくと夫と激しく交わる夢を見る。隠された忌まわしい事実とは――傑作短編集。
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夜明け前/ANNIVERSARY/柔らかな迷路/
水底の華/約束の神/分かつまで
祭りの日もえあがる男と女
忌まわしい習慣
捻じ曲がった時空
復活の兆し
道の先にあるものに絶対はない
一つずつ選んでいくだけ
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祭りと性愛にスポットを当てた6編からなる短編集。タイトルは、柳田國男が提唱した「祭」の語源に由来したもの。
「龍神まつり」、「ほおずき市」、「白秋祭」、「道祖神祭り」、「蘇民祭」、「相馬野馬追」の6つの祭りが題材となっている。
自分としては、長野県御代田町の「龍神まつり」を題材にレタス農家の嫁が見る艶夢と祭りの夜に繰り広げられる男女の狂態を描いた「夜明け前」が強く印象に残った。跡継ぎにこだわる古い農家のしきたりと祭りが焚き付ける情炎をうまくマッチングさせている。
他に、地元の柳川に戻り「白秋祭」で舟に乗っている時に別れた夫と再会し、彼の良さを見直す「柔らかな迷路」、エリート男性のもとに嫁ぎながら、男性が脳梗塞になり人生が狂った女性の一瞬のきらめきを描いた「水底の華」も良かった。
また、「約束の神」は、幼い頃、ガキ大将に苛められた時にその場を救ってくれた2歳年上の幼なじみと
の大人になってからの関係について男性が一人語りするもので6編の中では異色の作品。
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長野県御代田町の農園に嫁いだ舞桜子は伝統の龍神まつりを前に、夫と激しく交わる艶夢をたびたび見る-。〈祭〉と〈日常〉、ハレとケの裂け目をめぐる、6つの禁断の物語。
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その土地その土地に根付く祭りと土着信仰のような文化のなかで営まれる、さまざまな愛の形を描く短編集。
祭りの持つノスタルジックな雰囲気や異世界を感じさせる昏く妖しい雰囲気など、一編一編に変化があるのでさくさく読めた。
もともと短編はあまり好きではないのだけれど(消化不良気味になるので)、最近疲れているからか、この短編集が持つテンポがちょうど良かった。
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祭りと男女関係を絡めた6つの短編小説集。散りばめられたエロティシズムと祭りの熱、入り組む感情や関係性の複雑さに酔いも伴う感じがなんとも。
情念はただ美しいに留まれない愛欲の貪りの様だ。
短編の先が知りたいような、知りたくないような。
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いろんな祭りをキーワードにそれぞれ独立した短編が6作品掲載されていた。村山由佳さんの作品の割には読後感としてあまり印象に残らなかった。
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祭と性愛が6つの舞台で響き合う、禁断の作品集。
レタス農家に嫁ぎ、平凡ではあるけど幸せな日々を過ごす舞桜子は、毎年夏祭りの時期になると艶夢を見る。まさかこんな理由だったとはという「夜明け前」。
村山作品にしては軽い感じでハッピーエンドの「柔らかな迷路」。
この2作品が好みでした。
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いつもより性的描写控えめ。もうええわと思っていたけれど、わたしはあれが読みたかったらしい。
祭りに関わる話、地元がそこまで地方ではないからあんまりピンと来ないけれど、その地域の人々にとっては重たさが違うのだろうな。
"ANNIVERSARY"は、わたしもすきな歌。歌と、タイムリープと、祭りと、うまく噛み合ってない感じはしたけれど、恒川光太郎さんみを感じて雰囲気はすきだったな。"柔らかな迷路"にも北原白秋が出てきたし。笑 約束の神も、ケンちゃんを崇拝する感じの語り口とても良かった。
全ての話において割とそれ自体は面白いのだけど祭り絡む必要あるんかなという感じはした。
愛情は、持続などしない。みんな都合が悪くなると簡単に掌を返すのだ。穂村の娘がつくづくうらやましかった。自分には愛される価値があるのだということを、彼女ははなから疑ったことさえもないだろう。