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妥協は死くらいの覚悟で自分が信じるものや愛するものに取り組む人々の物語。
映画に限らず、音楽や文学、芸術作品を受け取る側としてこれからは製作者側の覚悟や意気込み、作品への愛情なども受け止めようと思わされました。
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【映画に夢を見て、映画に魔法をかけて、私たちは生きていく】『ベルリンは晴れているか』の深緑野分、最新作。映画を愛する全ての人に贈る、感動の人間賛歌
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専門用語は全く分かりませんでしたが映画を見ているような気分になりました。
特撮でもCGでもいのちをかけて作っている作り手がいることは同じ。
苦労の方向性は違ってもある。
私はどっちも、好き。
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書くお話がいつも海外文芸のようで、映画の様な深緑さんがついに映画の話を書いたのか…と言うのが第一印象。
自分は単純に映画が好きだから、凄いCGとかを見ると別に深いことも考えず素直に凄い!!
となるけど、映画への愛が深ければ深いほどCGに対する評価は色々とひねくれていくのだな…と思ってしまった。
一から手作りしているジオラマやクリーチャーの方が意味があった。CGはマッドサイエンティストだなどなど…
映画が好きで愛していると言う根底は同じなのにぶつかり合う。
色々な沢山の人の思いがぶつかり合うことで映画も作品として奥が深くなっていくのかも。
この本を読むと、いつも何気なく見ていた映画のスタッフロールがなんだか愛しくなってくる。
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1970年代アメリカ、映画の世界に夢を見て特殊造形の道に進んだマチルダ。一方で2017年ロンドン、CGクリエイターとして活躍するヴィヴ。世代も国も得意とするものも違う二人の女性が、しかしともに映画に魅せられ「魔法」を紡ごうとする物語です。
特殊造形もCGもあまり詳しくなく、映画を観ても「なんか凄い」くらいしか思うことがないのですが。双方の蘊蓄部分も読み込めば読み込むほど興味が湧きました。でも思うことはやっぱり「なんか凄い」なのですが(苦笑)。これは本当に、センスというか才能がないとできないことですね。私は観て楽しめるだけで充分かな。
時代の推移によって特殊造形が追いやられCGが席巻する映画界。現代のCGに慣れた目だと、たしかにアナログな特殊メイクなどはチープに見えてしまうこともあるのかもしれません。一方で昔ながらの造形が好きな人からすると、CGは味気なく見えるのだろうし。どちらがいいか、という問題ではないし、どちらにもそれならではの良さがあると思うのですが。共通するのは、それを作る人の熱意と愛情、なのでしょうね。むしろ魔法にかけられているのは、観る側よりも作る側の人なのかもしれません。大変そうだけれど、羨ましくもなりました。
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Amazonの紹介より
戦後ハリウッドの映画界でもがき、爪痕を残そうと奮闘した特殊造形師・マチルダ。
脚光を浴びながら、自身の才能を信じ切れず葛藤する、現代ロンドンのCGクリエイター・ヴィヴィアン。
CGの嵐が吹き荒れるなか、映画に魅せられた2人の魂が、時を越えて共鳴する。
特殊効果の“魔法”によって、“夢”を生み出すことに人生を賭した2人の女性クリエイター。その愛と真実の物語。
何気なく見ているエンドロール。その裏側では、多くの人々の熱意が多く詰まっていることを改めて感じ、最後まで見なければと思いました。
私も、昔知り合いにアニメのスタッフとして働いていた人がいたのですが、エンドロールに名前が載った時にはとても嬉しかったですし、感動しました。
側から見たら、いっぱいいる中の一人にすぎないですが、関係者としては特別であり、しらみつぶしにエンドロールを見た記憶があります。
内容の構成としては、2つの話に分かれています。最初は、マチルダの物語です。2人目の主人公のヴィヴィアンはここには登場しません。幼い時に見た造形に衝撃を受け、特殊造形師を目指そうとします。しかし親は大反対。親に内緒でひっそりと有名な師匠のところで学んでいきます。
時代は戦後であるので、男性社会で生きるマチルダが直面する苦労が今の時代よりも大変です。その描写に頑張ってほしいと応援したくなりました。
しかし、それとは裏腹にCGの登場により、心を蝕まれるマチルダ。そして・・。
後半は、時が経って2017年のロンドンが舞台です。主人公はヴィヴィアンです。時代が違うので、マチルダとどう絡んでいくのか。いつ登場するのかワクワクしながら読みました。他にも前半の物語に登場した人物も登場します。
戦後とは違い、現代では普通に女性も働いています。その落差といったら、進化していると思う一方、戦後が今のような状態だったらと思うと、悔やみきれないなと思いました。
この物語の要となるのが、CGと特殊造形。どちらも、それぞれに味わいがあって、とにかく凄いの一言です。
特殊造形は立体的でコンピュータとは違った手作り感があります。CGはリアルに近いということが魅力的ですが、逆にリアルすぎにちょっとした恐怖も個人的には感じました。
それぞれが切磋琢磨していくのですが、そこには恨みや嫉妬、あらゆる感情が渦巻いていきます。
前半と後半の物語がどのようにして融合していくのか。
ある映画を軸にそれぞれの人間物語が垣間見えて、読み応えがありました。
そして色んな荒波を超えてのラストシーンは、感動的でした。エンドロールを含め最後までが映画であり、今後ともじっくりと最後まで楽しみたいと思いました。
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タイトルからして映画の話なんだろうとは思っていた。が、著者が深緑野分さんということで躊躇した。『この本を盗む者は』は前半のワクワク感を台なしにする最終話に失望し、『カミサマはそういない』は半分読んで放り投げた。
本書も、ぼくが夢中になったSFやファンタジー映画に欠かせなかった“特殊造形師”を主人公に据え、胸を躍らせた数々の映画が登場する(タイトルだけだが)。なのにまったくのれない。翻訳調の硬い文体のせいなのか、キャラクターに共感できないからか。
マチルダ篇が唐突に終わり、ヴィヴ篇は時代も技術も変わる。3/4を過ぎたあたりでようやく面白く思えてきたが遅すぎた。
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映画に恋した2人の女性が主人公。一部二部と時代で区切ってある。特撮やCG技術が好きな人には堪らない作品。戦場のコックやベルリンは晴れていたかが好きな人には少し物足りないかも。
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お仕事小説の一つでしょうか。
目次を最初に見れば分かるのですが、
二部構成だったのでちょっと驚きました。
技術のイノベーションもテーマの一つですが、
映画の特殊効果というのが新鮮だったかな
映画業界だけでなく、
新しい技術が、古い手法に取って代わるというのは
古い人間には厳しいですね。
生き方を全部否定されるようなものですから。
モーリーンのイメージが
ワンピースのチョッパーを育てた婆さんなんだよな。
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映画の特殊効果という表現に魅入られて、スクリーンの裏側の沼にはまり込んでいく世代の違う二人の女性の物語です。どうして作者はこの主題を選んだのだろう?と、思うくらいに小説としては新鮮な主題でした。ハリウッドをに吹き荒れたマッカーシズムからコンテンツビジネス全体をNETFLIXが席巻する現代ちょっと前までの大河小説ですが、二人の主人公によって二つの時代の断絶が描かれています。ひとつは特殊造型というクラフトに対する愛とCGという映画が獲得した表現方法の壁。もうひとつは男性がやる仕事の中に女性が入っていくのがハードだった時代とその性差がなくなった時代の壁。それぞれの断絶があるからこその映画のSFXに対する、いや映画の想像力に対する狂おしいほどの熱情は世代を超えて繋がれていくというテーマを感じました。全然関係ないけどadidasのimpossible is nothingキャンペーンの初めのモハメド・アリvsレイラ・アリのフィルムを思い出しました。二人の主人公のパッションと自己肯定感の低さが強烈です。獲得すべき自己肯定のシンボルとしてスタッフロールに名前が載る、ということへのこだわりがふたつの時代を繋ぎます。米ハリウッド版『GODZILLA』にinoshiro hondaの名前がクレジットされた時の感動もそうだし、今年のシン・ウルトラマンのオープニングでシン・ウルトラQのタイトルが出て来た歓びもそうでした。「巨人の肩の上に立つ」、これは物理学だけの話ではなく、すべてのクリエーションのテーマなのだと思います。ところで、ふたつの壁、以外に小さな壁をもうひとつ。海外の映画界を舞台にしたアメリカ人、イギリス人の主人公の心の動きを表現にするという日本の小説が挑んだ挑戦も面白いと思いました。でも、ベルサイユのバラ以来、これも日本のクリエーションのお家芸かも。
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映画の裏方である、特殊メイクとか担当する、特殊造形師のお話から現代のCGクリエイターのお話に。
なかなかに興味深いお話だったんですが、これまでの特殊造形からCGの技術的な話だったり変遷の話だったりと、メインストーリーが微妙にちぐはぐしてるというか。面白いんだけどなんとなく尻のすわりが悪い感じ。なんだろうな?自分からすると登場人物がみんな行動原理みたいなものがいまいちよくわからないのかもしれない。結局どうしたいんだ?とか、え?それを望んでたの?とか。
映画の特殊効果についてはとても勉強にはなりましたが、ストーリーの楽しみは少し薄めかな、と思いました。
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マチルダとヴィヴィアン、時代を隔てた2人のクリエイターの物語。マチルダパートは第二次世界大戦後からベトナム戦争という大きな時代の流れも組み込まれ、映画業界も目まぐるしく発展していく中でのストーリーに心掴まれるものがあった。ヴィヴィアンパートは現代の映像業界のテクニカルな部分の説明が多く難解な専門用語に読み進むのに難儀したところはある。でも知ってる映画のキャラがたくさん出てきたのでそこは興味深かった。
調べに調べたであろう業界の技術的な部分、スタッフ達の想いや心理を汲み取り深い考察で書かれた本書は内容以上の重みを感じた。作者には感服する。
ポサダ監督はギレルモ・デル・トロ監督をイメージしたのかな。
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CGの出現に絶望し職を投げ出した伝説の特殊造形師マチルダと、彼女に憧れ特殊造形にコンプレックスを抱く30年後のCGクリエイターヴィヴ。
多くの人による共同作業である映画作りの中で、自分の役割とは何なのか。
30年の時を隔て、反対側から自分の存在意義について悩むヴィヴ。
時代や主題は違っても、職業に掛ける意識が高いほど人は悩み、それを救ってくれるのは自分が信頼する人たちからの信頼や人と人との強い結びつきだということは変わらない。
何故だろう。三浦しをんの「風が強く吹いている」を思い出した。
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専門用語頻出で諦めかけるタイミングで、懐かしい映画たちが登場し、なんとかゴール。読んだという満腹感としみじみとした感動。深緑さんの剛腕、取材力いやはや思わず拍手。このところ、この内容、この薄さで高すぎるという本が続いていたが、これは逆に1700円は安過ぎ、映画5本分の充実感。「あなたの才能を信じてる」でも直木賞は微妙か?「戦場のコック」とか「ベルリンは晴れているか」ふさわしい作品たくさんあったのに…巡り合わせか
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時代を超えて2人の女性クリエイターの想いが重なるラストはとてもよかったが、アニメ作りの専門的なところなど、読みにくいところもあった。確かにアニメやCG映画のエンドロールにはものすごく沢山の名前があるので、それらの作品の裏にはクリエイター達の苦悩や苦労があるんだなと改めて考えさせられた。