民俗学的な要素もあるホラー
2024/03/13 14:30
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投稿者:kunkun - この投稿者のレビュー一覧を見る
風習というか民俗学な要素も感じるホラー小説と思いました。怖かったです。結末はややわかりにくいと思いました。
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怪談の収集を趣味とする大学病院勤務の「私」。ネットだけでなく職場での聞き集めや先輩医師の症例報告、メールで送られてきた体験談等を調べるうち、別個の話と思われていたそれぞれの話や怪異に奇妙な符号を持ち、それぞれがリンクしていることに気付く。頑なに創作と解釈していたが、怪異は徐々に「私」自身の現実を侵食しはじめ……。
別々の人間や媒体を介して「私」の下に集まった実話怪談や都市伝説、記者から送られたインタビュー記事が奇妙な符号を持ち、それらが次第に収斂し、とある家系と場所へ繋がって行く。と同時に、それを調べる「私」の周囲にも怪異が現われる。作中にある「一つの映画を、ワンシーンずつ断片的に、全くバラバラのタイミングでに見せられるよう」な感覚で、読み進める内に朧気に立ち上がって来る怪異によって主人公自身も取り込まれていくのだが、集まった各話のソースや語り手のレベルが一様でないため、どこまでが実話でどこまでが創作かという判断も次第に曖昧になって、全体のメタフィクションな構造も多層的なものになってくる。
ジャンルとしては旧家の因習や呪いを中心にした土俗ホラーなのだろうけれど、そこにキリスト教的要素を(作中で民俗学者が解釈として語る)Mixしたのは新しい感覚だと思う。作中で綴られる各々の怪談や報告のどれも中々の怖さの質なので、それだけにラストは何かどーにも物足りないというか、個人的にはそう行って欲しくない方に出たな……という感想。
それとは別に、登場するキャラクターの何人かが読んでいてとにかく気持ちが悪い。このレベルは幸いなことに実生活では未だ遭遇したことがないものの、ネット上で何度か見かけたり絡まれたりしたことを思い出して、それがリアルに怖かったり。
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最初は怖い〜!!ってなってたんだけど
どんどん、あれ??いけそう…!って
麻痺したみたい笑
ちょっと慣れてきた頃に大量のずの
ページ。ゾッとしたねぇ。
最後の方はちょっと作り物っぽくて
あっさり読み切っちゃった!
後味残んない感じで。
知りすぎない方がいいことってあるよね〜。
本当と嘘が混ぜこぜになってる感じも
きみ悪くて良かった!!
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「ひとつの映画をバラバラに見せられているような感覚」と始めに紹介されている通り、知人のメールであったり民俗学者の手記であったりインタビューだったり、様々な狂った怖い断片がちりばめられ何とも掴み所がない。
その断片の一つ一つを追って、ある一族に降りかかる怪異の正体に迫ってしまう怪談好きのサガ…。“怪談好きもほどほどに”と釘を刺された感じ。
結末の煮え切らなさも含めてまさに読後は、深淵の不気味な何かに骨まで侵食されたような感覚の疼きに全身がゾクゾクしている。
しきくい様の青年に思い当たった時が一番盛り上がった。
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安易な気持ちで、恐怖の実話を集めてはいけない…。「今回ここに書き起こしたものには全て奇妙な符合が見られる。読者の皆さんとこの感覚を共有したい」で始まるドキュメント・ホラー小説。
前半の不気味さと先行きの不透明さで期待したが、だんだん尻すぼみ。それどころか意味不明、ワケワカメ。
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2ちゃんまとめ動画をきっかけに、民俗学ホラーにハマったので、そういうタイプのホラー小説も読んでみようと思った。
聖書、神話、歴史なども解説してくれている部分が多くて、初心者でもなんとなく繋がりが理解できてありがたかった。
しっかり理解できた訳ではないと思うが、バラバラだった話が繋がる感覚は味わうことが出来ました。
2日で一気に読めるライトさで、入門書にピッタリ!
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怖かったけど、正直、ちょっとウケを狙いすぎのような…意図的なのかもしれないけどネットの掲示板みたいな眉唾物だった。
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登録数1500冊目!!!
珍しく続けてホラーを読んでいる。
最近のホラー小説はメタ系が流行ってるのかしら。
メタと言えば私の中ではやはり三津田信三。
この作者さんも好きだそうで。
メタホラーは頭がこんがらがって
最後の方などは訳が分からなくなってくるのだけど
このよく分からないゾワゾワ感が好き。
ホラーと民俗学が絡むとより面白みが増す。
他にも作品があるみたいなので読んでみよう。
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面白かったけどもう少しはっきりして欲しかった。残穢みたいに呪いの発生源とかきっかけなどはっきり描いて欲しかった。ネトフリで話題の呪詛みたいですね。ノンフィクション形式でやるんだったら謎のまま終わらすのはちょっとモヤモヤすると思う。
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大学病院勤めの「私」の趣味は、怪談の収集だ。今回ここに書き起こしたものには、すべてに奇妙な符号が見られる。
私は、読者の皆さんとこの面白い感覚を共有したいのである―――。
著者の芦花公園さんが小説投稿サイト「カクヨム」に掲載していた話が元になったホラー小説。
終盤までは主人公の「私」が集めた怪談とそれに対する考察構成されていて、知人のメールやインタビューの文字起こし、民俗学者の手記など、様々な別の事件を考察していった結果、一つの物語へと収束していきます。
怪異の正体は示唆されてはいるもののはっきりと明かされてはいません。スッキリしない人もいそう。けれど、心理学的に人は「よく分からないもの」「理解できないもの」つまり名前のない未知の恐怖に怯え妖怪の仕業だの気のせいだの理由付け・名前付けをして安心するものだとか聞いたことがありますので、正体が「わからない」というのもエンタメのホラーとしてのあり方として全然アリだと思います。実際何だかスッキリしなくて、そわそわするようなおさまりの悪さがあり不気味で良いです。
言ってしまうと現実に侵食してくる系のメタホラーなんですが、ラストまで読んでから「はじめに」を読み返すとまた趣深くていいです。良かったらお試しください。
また、特筆すべきはホラーでは珍しい参考文献の多さ。作中で言及されているホラー作品も多く、作者さんのホラーに対する造詣の深さと愛情を感じます。
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怖面白い‼️今回も楽しませていただきました。静かに、確実に忍び寄る怪異。怖すぎます。私は蛇恐怖症ではないですが、今後は蛇への見方が変わるかもしれません。これで芦花先生の著作を全て読了したので、2月に発売する『聖者の落角』が心から楽しみです
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「ずずずず」がめっちゃ怖い。ノンフィクション風に色んな人の話を編んで作る形が面白かったけど、ラストは正直ムズかった。リングの系譜。
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昔ながらのオールドスタイルの恐怖を表現したいろんな切り口の怖い話が繋がりあって一つの物語になっていくホラー作品。あっ!これは!夜にシャワー浴びられへんなるやつや!!って読み始めてすぐわかる作品。
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ノンフィクション、ルポルタージュ風のホラー小説で自分自身が怪異・謎を追ってるような気分になる。
土着信仰は文献があいまいだったり、混ざり合ったりして、理解不能のところもあり、それがまた不快な感覚を覚える。
実際、私の故郷も田舎なので、土着信仰?的な、他の地域では見かけない風習などある。(大晦日に式神をわりばしに挟んだものを振りながら「悪魔っぱらい」と言いながら家中を歩き回り、最後は家の道路脇に突き刺す。)土地を離れた今、考えると不思議なことだけれど、幼い頃はなんの疑いもなく毎年行っていたことを思い出した。
怪異に触れた人たちがおかしくなっていく描写は、精神疾患の方々の話を聞いているようで(以前仕事で経験あり)、まるで著者はこう言った体験があるのか?とおもうほどリアル。
怪異よりも、おかしくなっていく人たちに追い詰められていく、主人公の気分がひしひしと伝わってくるので、読後、変な夢を見て眠りが浅くなるくらい怖かった。
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大学病院に勤める医師の主人公が趣味の怪談収集をするうちに、気づけば逃れられない「何か」に囚われているという展開は、解説で朝宮さんが述べてるように最近のホラー小説ではわりと見られる気がする(そもそもポッドキャストで朝宮さんがこの作品を紹介していたのが手に取ったきっかけ)。
ネットの洒落怖や実話怪談など、それぞれは怖くて面白いが、物語に関連性も無さそうなそれらの話。だが、読み進むうちにそれらは全てある一族のことを述べているのだと気づく。そういった好き者のカタルシスをくすぐるような形で物語に引き込む。気づけば中盤まで読んでいるから、そうなると途中で止めることは出来ない。これは一体何なのだろうか。主人公と同じく、知ることは良くないことだとわかっているのに、読者も読み進めてしまうのだ。
残り10ページを切った頃、主人公がどうなるのか全く見えてこなくて「んんん???」となったのだけれど、そうきたか〜と納得。そうだよね、たしかに彼の役割はそれしかないや。と終わりまで読んだこちらも、やられた、これから彼が襲われたような怪異がやってくるのかと思わず身構えてしまう。フィクションだとわかってはいても、厭な感じは残る(褒め言葉)。「終」のあとのおまじないは、そういう人のためのものなのか。私にはさらにダメ押しで何かがやってくるものに思えてならなかったけど(笑)。