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オランダってすごい!読み終わってすっかりオランダファンになってしまいました。フェルメールだけじゃない、ベラスケスにルーベンスにレンブラントに…それぞれ素敵!そして絵画には物語が隠れていて、単に鑑賞するだけではない読み解きの技術の大切さも読みやすい文章の中にちりばめられています。せっかくなのでもう少しいろいろふかぼりしていただきたかったかな。
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中野京子さんの絵画読み解く本。
もう何冊も中野さんと絵画で旅をした気分になれたので、この本もそんな期待をしながら読みました。
とても細部まで絵を楽しめて、びっくりするとともに今までの見方が残念だったと思うもの。
中野さんの解説はより楽しむヒントとして、その土地ならではのこと時代の流れや背景や宗教も教えてくださるので勉強になるしより深く絵を見られる。
最後に現代に出来た「サンクン橋」が紹介されており、絵画とは違った驚きがありました。
この本の絵画は他の著書よりは少なく感じましたが、絵の数よりらオランダという土地とその時代に生きた画家たちのギュッと詰まったプレゼント箱の様だと感じました。
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該博な知識を吸収して、より人類史の本質に近づく。
そして人を楽しませる。
知識欲を持った人というのはすごいです。
なんでそんなにインプットできるのか…美術品の扱われ方も、時代が違えば全然雑でびっくりする。
上から塗りつぶすとかありえないから!
絵画と向き合うときは可能な限り知識を有していた方がいいのか、でもフィーリングを大切にって気持ちもわかるとして、このような形で人に伝えるのは大切だと思う。
何を美しいと感じて、どのように振る舞うのか、時代や場所が違えば私だって罪なき人を殺したり、悪しき風習に流されていたかもしれない…歴史は本当に「怖い」ですね。
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山田五郎さんのYouTube番組を観てから、図書館で予約した本。
今までのオランダのイメージはわたしにとって、
チューリップ、風車、…長崎?
みたいな、
ものすごく貧弱で凡庸な単語の羅列でしかなく、世界史に興味を持つまではヨーロッパの多くの国のひとつだな、ぐらいの認識でしかなかった。
当たり前だけどヨーロッパの国、地域、それぞれに歴史があり文化があり、
それは世界史の時系列の中で説明がつくもの、説明はつきにくいけどそれぞれが辿って来た事実、いろいろ包括しながら現代にまで続いている。
ここを個別具体的に他の国の人間が学ぶのに、絵画というのは、とても有用なツールだなぁと、これを読んで改めて思った。
少なくともわたしには、読む前よりはオランダという国のイメージはハッキリくっきりした。
本書は、文化や歴史を面白く伝えながら、参照にする絵画を見開きで見せてもらえるのがとてもありがたい。
オランダの絵画について、五郎さんの番組でもいくつか紹介されていたのでもともと興味があったし、フェルメールの絵画はオランダのイメージが凡庸な頃から知ってはいた(オランダの画家だとは知らなかったけど)が、中野先生の軽妙な文章で解説されるとリアルな大きさでリアルな色を感じたくなってしまう。
いやはや、おそろしい…。
「夜警」とかは絶対海外の美術館には出ないだろうしな。
そう思うと余計に見てみたくなる。
読み終わったあと、見開きの絵をながめるのもとても良い。
さすがになかなか海外の美術館まで本物を見に行くことは叶わないが、この本を手元に置いてたまに広げるのも一興だ。
やっぱり本棚買わないとな…。
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フェルメールと、と書かれているので、フェルメール作品が非常に多い。フェルメール「地理学者」が着ているのが日本の丹前だったとは…「ヤポンセ・ロック」(日本の上着)と言ったそうだ。フェリメール「窓辺で手紙を読む女」とメツー「手紙を書く男」「手紙を読む女」が掲載されていた。これは確かフェルメール「窓辺で手紙を読む女」が修復後に来日した時、一緒に展示されていたと思う。確か石原さとみがイヤホンガイドを担当していたような。ボルフとヴィレの「父の訓戒」。男が娼婦、娼館の女将と値段交渉している絵が娘に説教をする父の絵になりかわってしまう、というのが面白い。フェルメール「取り持ち女」(遣り手婆、私はこの題名で知っていた)も同じ章に掲載されていて、私はこの絵が好きなので、この絵を見てフェルメールファンががっかりする、という見解には同意できない。娼婦の肌の美しさは非常に素晴らしいし、取り持ち女(遣り手婆)の肌の感じもいいな、と思うのだ。
ヤン・デ・バーン「デ・ウィット兄弟の亡骸」は初めて見たが凄惨な絵だ。現実感がないくらいに。ヤン・ステーン「宿屋の外で九柱戯をする人々」ボーリングの原型かと思う。ヤン・ステーンは他にも「陽気な家族」が掲載されていたが、温かな色合いが素敵だ。アーフェルカンプ「スケーターたちの冬景色」聾唖だったという。ブリューゲルに影響を受けている、と書かれていたが、本当にそう思える。けれどもコピーではなく、アーフェルカンプらしさ、というのもあるように思える。絵解きのしがいがある絵だ。
クローズアップという名のクイズが3つほど用意されている。とても楽しめた。
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絵画を通して、17世紀オランダ社会の光と影を捉える。
スペインからの独立、貿易、科学技術、バブルに、共和制に、プロテスタント。平坦な土地、海抜ゼロメートル。
面白かった。
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オランダの国民の識字率が高く、身分に関わらず絵画を好んでいたことをはじめて知った。だからフェルメールの絵画のように庶民の家にも飾れる小さなサイズの絵画が多いという話にも納得。
安楽死や大麻合法など先進的なオランダのまた違う一面を知って、ますますオランダに興味をもった。
アムステルダム国立美術館にどうしても行きたくなった。
文章がどんどん進み、絵画と話のリンクはするものの、一話と一絵画で構成されてないので、話の展開に頭がついていきづらい面がある。
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この本では様々な観点からフェルメールの生きた時代を見ていきます。
そしてフェルメールの絵だけでなく、ほかの画家による絵も参考にしていくところも特徴的です。
絵の解説に加えて時代背景や当時の出来事が語られていくのですが、面白くてあっという間に読み終わってしまいました。これは素晴らしい本です。読みやすさも抜群です。
ぜひぜひおすすめしたい作品です!フェルメール入門にもうってつけな作品となっています。
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書名のとおり、「フェルメール」と「オランダ黄金時代」についての本です。
フェルメールの作品だけでなく、かれが生きた17世紀オランダの画家たちの作品を紹介しています。分量的には、前者より後者への比重が大きいです。じじつ、本書が紹介している作品は38作で、そのうちフェルメールの作品は8作です。
作品それ自体を語るだけでなく文脈に置くことで、作品を関係の総体の一部と捉えているのは、さすがと思わせてくれます(いくぶん牽強付会に思える箇所もありますが)。知識をひけらかすこともなく、文体もわかりやすいです。
フェルメールについて知りたいという読者には期待はずれかもしれませんが、フェルメールが生きた時代を知りたい場合には期待どおりでしょう。個人的には、後者でした。
表紙では『フェルメールとオランダ黄金時代』というタイトルの「黄金」を色使いで強調していることからもわかるように、フェルメールは黄金期に生きた多くの画家たちの一人だったのです。