時代小説らしさとは
2022/06/10 18:26
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sadagoro - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅田先生は現代ものから時代ものまで或いはその中でも社会的な問題を扱ったアクチュアルな小説から恋愛小説はては幻想的なファンタジー或いはユーモア小説までさまざまなジャンルをこなされますが、この小説って時代小説って言えるんでしょうか?
一気に読めます。
2015/03/23 13:51
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投稿者:はじめ殿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気に読んでしまいました。泣かせる結末です。おすすめします。
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ときは、明治元年暮。火の手の迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった訳ありの重罪人たち-博打打ちの信州無宿繁松、旗本の倅岩瀬七之丞、夜鷹の元締め白魚のお仙。牢屋同心の「三人のうち一人でも戻らなければ戻った者も死罪、三人とも戻れば全員が無罪」との言葉を胸に、自由の身となった三人の向かう先には…。幕末から明治へ、激動の時代をいかに生きるかを描いた、傑作時代長編。
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明治初頭、ですね。
大火のため小伝馬町の牢屋から解き放ちになった、ワケありの男女3名。
を、関係者の回想で物語る、と。
主役は、この3人ではないのだな。ジツは。
維新後のなんでもかんでも新しくなる時代と、それに抗ってみる、矜持ある「江戸」の人々。
浅田センセらしい作品。
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早々と結末は見えてしまったが、語りのすばらしさが面白かった。 士官学校教官となった七之丞が生徒の質問に回答した負け組の兵学がしみた。
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まるで横で語り部が語りかけてるような心地よい感覚.和風走れメロスと言ったところだろうか.浅田さんらしい,人情深く,とても面白かった.
以下あらすじ(巻末より)
時は、明治元年暮。火の手の迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった訳ありの重罪人たち―博奕打ちの信州無宿繁松、旗本の倅岩瀬七之丞、夜鷹の元締め白魚のお仙。牢屋同心の「三人のうち一人でも戻らなければ戻った者も死罪、三人とも戻れば全員が無罪」との言葉を胸に、自由の身となった三人の向う先には…。幕末から明治へ、激動の時代をいかに生きるかを描いた、傑作時代長編。
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ーーー時は、明治元年暮。火の手の迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった訳ありの重罪人たち―博奕打ちの信州無宿繁松、旗本の倅岩瀬七之丞、夜鷹の元締め白魚のお仙。牢屋同心の「三人のうち一人でも戻らなければ戻った者も死罪、三人とも戻れば全員が無罪」との言葉を胸に、自由の身となった三人の向う先には…。
久々の浅田次郎
人倫、特に男としてどうあるべきかを書かせたら比類なき作家
明治の御一新で世の采配がめちゃくちゃな中で、「よく生きる」ことを目指した男と女の姿を、様々な語り口で描く。
解説にもあるように、いろいろと仕掛けが施された物語なので、楽しんで読んでほしい。
「いかがか」
「まだまだ」
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赤猫とほ、放火犯の俗称。総じて、火事を指すとのこと。火事により伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった博打打ちの繁松、旗本の七之丞、夜鷹のお仙。三人戻れば、無罪。ひとりでも逃げれば全員死罪。
本の解説を読んだときに、太宰治の走れメロスのお話に似ているかと思いましたが、全く違いました。話は、その後から始まり、その出来事に関わった人から話を聞くと言う流れで進んでいきます。逃げた三人も、すっかりひとが代わり、時代の成功者となっている。時代的には江戸から明治にかけて。250年にわたる徳川の世の中が終わり、全ての常識が変わろうとした時代。だからこそ、ヤクザが大財閥の社長になったりできたんだろうなと思います。
殺したいほど憎い相手がいる三人。理不尽のために、辛い目にあうけれど、お互いを近くに感じることで、救われた部分もあったのだろうなとも思う。牢役人の苦労や悲哀もよくわかりました。
初めての浅田次郎さんでしたが、面白かったです。
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博奕打ちの信州無宿繁松 旗本の倅岩瀬七之丞 夜鷹の元締め白魚のお仙 それぞれの牢屋に入った経緯と その後の話より 私は鍵役の丸山小兵衛と杉浦政名の話の方が よかったです お役とはいえ人を切らねばならない立場… 悲しいですよね
さすが 泣かせの 浅田次郎さんです!
「いかがか」
「まだまだ」 (T0T)
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『プリズンホテル』『天切り松闇語り』シリーズおよび『蒼穹の昴』『壬生義士伝』くらいまでは単行本で読んでいたのだが、以降、すっかりご無沙汰となっていた著者。
というのはほかでもない。『プリズン~』『天切り~』は気に入っているのだけれども、なんというか武田鉄矢氏主演の映画やドラマに似た「泣かせよう」臭がだんだん鼻についてきたからである。
で、今回、ストーリーが面白そうだったので久方ぶりに手に取る。やはりうまい。だけどワンパターンに感じてしまう(水戸黄門ファン的にそこがいいのかもしれないが)。
現代の山本周五郎と目してはいるのだが……
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「赤猫」とは放火犯の俗称、総じて火事を指すそうです。厄介な囚人の3人の解き放ち前後の人間性を浅田流の詳細さで調べ、描く。
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読後、すっきり。3人がその後成功したのは、一度死んで命をもらったと思ったからか。本当の主人公はだれか、最後わかった。
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得意の幕末期モノでした。
筋は読めたもののやはりと言うか
最後の盛り上げ方に熟練の技が。
映画になるとすれば西田敏行さんあたりっすかねー。
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おお、これはアタリでした……! ストーリー云々の前に、牢屋敷のシステムや解き放ちのことなど、大層詳しく解説されていて、まずそこに感心するやら感動するやら。
登場人物各々の視点で語られる解き放ちの顛末が、ゆったりとしていながら深みがあって良かったです。
序盤ではさほど重要視されていない丸山小兵衛が、語りが進むにつれて存在感を増していくので、最後の語り手が彼なのだろうと見当をつけていましたが……ううむ、こう来たか。
誰もの生き様も、それぞれに見事です。
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浅田節全開。
長編が多い浅田さんですが、ほどほどの厚みの一冊できれいにまとまっていて完成度が高いなと思いました。
明治元年、火の手の迫る牢屋敷から解き放ちとなった罪人たち。
中でも重罪人とされている三人は、全員戻れば無罪放免、一人でも戻らなければ戻った者も死罪、一人も戻らなければ役人が代わりに腹を切る。
関係者への取材という形は浅田作品ではお馴染みの手法で、スッと物語に入れます。
ちょっと地味だけど、ラストはエンタメとしての驚きも用意されている。
二時間の映画にちょうど良さそう。
「法は民の父母なり」