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ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第3作目。
舞台となるのは戦時中はナチスが占領していたイギリスオルダニー島。
オルダニー島の文芸フェスに参加するために島に向かったホーソーンとホロヴィッツであったが、そこで殺人事件に巻き込まれてしまう。被害者は、文芸フェスの後援をしていたオンラインカジノの経営者チャールズ・ル・メジュラーで、その死体は右手のみが自由になった状態で体をテープで巻かれていた……。
「犯人は誰か?」「なぜ右手のみは自由だったのか?」ふたつの謎を軸に事件解決に向かう本作だが、さらにいくつもの謎が散りばめられているため読んでいてドキドキが止まらなくなる本作。さらに、ホーソーンの過去に少し近づく一作でもある。
さて、島での殺人事件と言えば横溝正史の『獄門島』が思い起こされるが、この本の作者ホロヴィッツも横溝正史からの影響を少ならからず受けているとのことで、この作品にも獄門島を想起させる何かを感じる人がいるかもしれない(犯人の動機という点では違うけど)。そのあたりを踏まえながら読むとさらに面白くなるかも?
自作では物語の語り手であるホロヴィッツが〇〇されるとのことだが果たして…
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シリーズ3作目。流石に3作目となると、最初は、嫌な奴!だったホーソーンの印象が、憎めなくなってくるし、なんなら結構好きになってくる。事件そのものも面白かったけど、未だ謎なホーソーンの一部が垣間見れたのが良かった。でも、更なる謎も。次回も楽しみだね!
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やっと、読めた。一気に読みたいのと、創元推理文庫の字が小さいので、厚さの割にボリュームがあるのとで、休みがたっぷりある時に読みたくて、お正月まで残してたんだよね。
語り手の作家の気持ちの移り変わりが面白い。それから、探偵の秘密も小出しにされてきて、気になります。もちろん、メインの推理も面白いです。
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オルダニー島で開催される文芸フェスに参加することにしたホーソーンと“わたし”は、フェス参加者たちとともにパーティーに参加する。そこで右手以外の手足を椅子に拘束された死体が発見されて……。ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ3作目!
もー文句なしで面白い。ホロヴィッツは裏切らない。ミステリとして最高。
クセのある登場人物、たくさんの容疑者、探偵と因縁のありそうな者、島、大小たくさんの謎。
これら全てが美しくまとまり、事件に関する謎はすべて解明される(ホーソーンの謎はまたもや持ち越し)
美しい、上質なミステリ。
今作は特にクリスティへのオマージュが強い。ナイルに死すとかメソポタミアの殺人とか旅系ミステリを思い出す。ラストもいい。ホーソーンの「私の仕事は真実を見つけ出すこと」(p.433)というスタンスが好き。
若林踏氏の解説も良き。
そしてこのシリーズならではの「作家、ホロヴィッツの内側」がチラチラ見えるのも楽しい。
「〇〇が犯人だと本が書けないんだよ!」には笑った。それな(笑)
実在の書名がたくさん出てくるのも楽しい。「絹の家」も読みたい。
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なんとなく怪しいのかなとは思ったけど、解決読んでスッキリです。手がかりはたくさん散りばめられてるのね。楽しいシリーズ、続編も楽しみですね。
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ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ3作目。
これまでとは趣向を変えて?事件発生までが長い。でもとても読みやすく、スルスルと先へ進めるのはこれまで通り。
解説にあった通りクリスティ的かも。
事件と謎解きは面白かったけれど、前作まで比べると一枚落ちる印象。そこまでの驚きがない。ただ丁寧な謎解き、ロジックは面白かった。
謎に満ちたホーソーンに少しずつ迫るシリーズとして、次作が楽しみ。
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ミステリーの王道をいく作品。最後までわからなかった。それなりに伏線は張られていたのだけど、知らずに行きすぎて、後で気がつくという始末だが楽しめます。
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安定のアンソニーホロヴィッツ。アガサクリスティ好きな人には外さないと思う。
田舎の孤島への招待、限られた人間関係、その中にいる金持ちの嫌なヤツ、過去に因縁がある人達だらけで…
残念だったのは、雰囲気的に主犯がわかってしまったこと。しっかりと謎解きした訳ではないけど、絶対この人犯人って人がいて、その通りだった。子供も関与していたのは想定外だったけど。
謎解き後の物悲しさと、デレクアボットのラストがちょっと苦くて後味は少し微妙。
なぜか二巻目を見逃していてまだ読んでいないのだけど、読んでいなくても楽しめる。二巻の話もちょいちょい入っては来るが。少しずつホーソーンの過去もわかってきて、次回作が楽しみ。
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謎解きとしては非常に面白いのだが、内容はほぼ「刑事フォイル」ではないかと思うほど、パターン化している気がする。決して面白くないとか、イマイチということではなく、ストーリーは文句なしに面白い。しかし、様々なピースを解きほぐす手際の良さが腑に落ちないレベル。本当にホロビッツは才能ありすぎではないかと思う。
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・ホ、ホーソーン39・・・
・嫌味野郎登場は死亡フラグ
・盲目の霊媒師、実は目見えがち
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ホーソーン、終始ニヒルやな〜
敵役が自殺するほど戻りたくないイギリスの刑務所とは・・
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好きか嫌いかと聞かれればもちろん好き。
だが確かにこれは1位ではない。
”メインテーマは殺人”の刊行を控える中、マーケティングの一環としてオルダニー島で開催される文芸フェスに参加することになったホーソーンとアンソニー。
ぽっと出のフェス、いまいちぱっとしない招待作家達、島内にはびこる送電線誘致計画をめぐる対立、その中心に居る文芸フェスのスポンサーでもある”スピン・ザ・ホイールコム”のいけ好かないCEOチャールズ、果ては前作で明かされたホーソーンの退職の過去に関わりを持つデレク・アボットの登場にアンソニーの心は陰鬱になるばかり。
そこへ発生したチャールズ殺害事件。
恨みの買い先なら事欠かないこの被害者を殺した犯人は誰なのか、ホーソーンがふてぶてしき捜査を敢行する。
物語の中で、現実世界の話がちょっとずれた時間軸の中で溶け合う感じだったり、どこまで行ってもドライなホーソーンの立ち振る舞いが好き。
また、アンソニーに対しては絶対見せない、ときに友好的でオープンな姿は本当に謎。
どちらが本当の姿なのか、どちらも本当の姿なのか。
シリーズ通しての大いなる謎があり、色々なことが少しずつ日にさらされていく過程があるのがこのシリーズの一番の魅力。
ただ、この作品一つに絞ってみると、いささかひねりが少なかったかなぁと感じ、シリーズの中では低温な作品と言わざるを得ないのかなと。
全ての作品で二重丸はありえない。
山谷はあるもの。
あのクリスティー作品達だってそうなのだ。
そういうものと思って楽しんでいる。
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海外作品独特の違和感もさほど感じず、王道ミステリーを楽しめる。
著者自身を物語にしている点、他の作家たちの話題も出てきて、垣間見る自虐や嫉妬?も計算のうちか。
ホーソーンの謎が少しずつ開陳するシリーズ次回作を期待する。
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シリーズ第三作目。物語の舞台を離島に移し、文芸フェスを訪れた二人が殺人事件に出くわすという粗筋。論理的な筋運びや拡散と収束の妙技といい、今回も非常に安定感のある仕上がりだが、人間ドラマよりも謎解きを重視する本格ミステリーはやはり肌に合わなかったり。今作においても、犯人の動機は少々逆恨み的だし、被害者の右手だけが拘束されていなかった理由も然程劇的ではない。ホーソーンの年齢が予想以上に若かったという驚きはあれど、メタフィクションの鮮度が(私的に)薄れゆく中、彼の過去にまつわる謎だけでは今一つ牽引力が足りない。
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最初はカササギ〜シリーズのほうが面白いと思っていたのだが、シリーズが進むごとにどんどん面白くなってくるのはこちら。
若林さんの解説より「ホロヴィッツが素晴らしいのは、その突破口を悟らせないために読者の視線を巧みに誤誘導する点である。突破口は分かりやすく目の前にぶら下がっていたのになぜ、と地団駄を踏むこと請け合いだ。」
今回もしっかり踏ませていただきました。くやしい。
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2人で島で開かれる文学フェスに行き、殺人に遭遇する話。
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの良い所(?)は、登場人物の誰にも好感を抱けない点だと個人的に思っている。主人公2人にさえも。誰が死んでも感情が揺れないし、犯人にも感情移入できない。狙ってるのか、単純に私の問題なのか…。今回もそこは安定。