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チェック項目19箇所。本書が主に扱うのは、恋愛研究の中でとくに外見的な魅力についての研究です、ってみればこれは「美人とは何か、ハンサムとは何か」というテーマです。本書では外見的魅力の研究分野で何がわかっているのか、わかっていないのかについて詳しく見ていきたいと思います、少しでもみなさんに楽しんでいただける本ができたのなら幸いだと思っております。ほぼ例外なくタレントや有名人は「外見はあまり関係ない、問題は性格」と言っています、もしそうだとすれば、外見に関しては全然悩む必要がないということになります、ところが、こんな発言がなされていても人は外見を極端かつ過度に気にします。なんと、ある人のモテ度は性格や成績などではなく、外見的な魅力のみと関係していたのです。魅力的な外見の人は1回目から5回目まですべての印象が魅力的でない人よりも良く、その差は消失しませんでした、これは残念ながら、外見の効果が少なくとも5回のデートの間(そしておそらくまだしばらくは)持続することを意味しています。ファーストインプレッションの効果はきわめて強力です、なぜこのようなことが生じるかといえば、我々の心の中には「初めに形成された印象はできるだけ変えないようにしよう」というバイアスが存在しているからだと考えられています。美人やハンサムがモテる理由の一つとして、「美人=性格が良い」というステレオタイプの存在が指摘されています、一方で「美人=性格が悪い」というステレオタイプもこの世に存在しています、しかし、どうやら美人・ハンサムについては「美人=性格良い」論の影響力のほうが強そうです。車が止まってくれるかどうかは、髪の毛の色に関係しており、ブロンドの場合にもっとも多くの車が止まってくれることが明らかになりました(ヒッチハイク)。興味深いことに女性の評定者は、バストサイズによってほとんど影響を受けませんでしたが、男性の評定者はバストサイズによって大きな影響を受けました、社会的な側面とも、バストサイズがAカップからCカップまで上昇していけばいくほど評価は高くなりましたが、Dカップになるとそれぞれの評価が急激に低下することがわかりました(女性講演者のバストサイズが講演者の評価に及ぼす影響)。なぜ美人・ハンサムは優れているのか……一つの考えは、顔の良さというものは優れた能力を持っているということを示す生物学的なシグナルになっているという可能性です、もう一つは社会文化的な原因に起因するというものです、期待されるとその期待に応えようとして人々はさらに勉強します、その結果として最終的に顔が良い人は知的能力も高くなってしまうという可能性です。なぜ対象顔が好まれるのか……一つは知覚仮設です、左右対称のものは左右非対称のものよりも単純で、認知的な労力を必要とせずに認知することが可能です、そのために人はこれを美しいと感じるようになったというのです、もう一つは進化仮説です、人間やそのほかの動物でもそもそもの形態は、左右対称です、したがって、左右対称性が崩れているということは何かの問題がそこに生じているという可能性を示唆します。美人コンテスト平均顔は、スーパー平均顔よりも「目の���下幅が大きい、目の左右幅が大きい、目の間の距離が長い、ほお骨の位置の顔の幅が長い、目から眉毛までの距離が長い、瞳孔が大きい、あごの長さが短い、鼻の面積が小さい、ほおの幅が狭い」などの特徴を持っていることがわかりました、じつはこれらの特徴は全体としてある傾向を示しています、それは「幼型化」です。自分以外の子どもを作らせない方法とは……若い性経験のない女性を配偶者として選好するという行動が男性側には進化してきた可能性があります。なぜウエストがくびれていることが魅力になるのか……最初の理由として、ウエストのくびれは、妊娠しやすさのシグナルになっているからです、第二の理由は、ウエストのくびれは、現在その女性が妊娠可能な成熟状態であることを意味するシグナルになっているからです、第三の理由は、ウエストのくびれは、その個体が現在妊娠していないというシグナルになるからです、第四の理由は、ウエストがくびれて、ヒップに脂肪がついていることは、妊娠継続や授乳などの育児能力の高さを示すシグナルになっているからです、第五の理由は、ウエストがくびれて脂肪がついていないということは、健康のシグナルになっているからです。バストサイズが大きくなるほど給料に対するチップの比率が大きくなっていき、バストサイズが非常に大きな場合、チップが最大となることがわかりました(ウエイトレス)。美人・ハンサムであることは本当に幸せなことか……「注目されすぎること」の苦痛、「陰口をたたかれやすい」、ステレオタイプとのずれ。
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外見的魅力をめぐる心理学をまとめてあり、見た目が良いほど人生の勝ち組となるのかを科学的に説明したもの。
ざっくり言うと、生物学的要因と社会学的要因の双方から、美人・ハンサムは能力が高い、と結論づけられた。つまり、美人・ハンサムであるほど、頭が良く、運動や音楽でも優れ、仕事ができ、玉の輿に乗る可能性が高いようだ。
平均的で均整がとれた顔を美人ととらえやすいが、顔や身体の左右対称性は健康や知性、社会的な適応と密接に関連している。しかも、美人・ハンサムは幼少時から周囲の大人に能力が高いと期待されやすく、結果努力を重ねることとなるからだとか。
しかし、年を取ると、価値観が広がるため美人の定義が広がるうえ、自意識が薄れるため美人かどうかが気にならなくなる。一時的に差はついても、人生トータルで考えれば、見た目と幸福度は関係ないのだと思う。
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美人・ハンサムは性格も頭も良い場合が多く、得をするようだが、一方で美人・ハンサムならではの苦労もある模様。
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外見的魅力を発揮するのも、判別するのも、全て生殖活動に繋がるものであると、あらゆるデータがさし示している。
人間も、いわゆる「動物」であるに過ぎない。
胸が大きくなるにつれ魅力度が増すという研究報告には苦笑せずにはいられない。
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男は経済力、女は身体的魅力のあるものがモテるということを動物の例も混じえて科学的に説明している。
男性的な特徴を強調した超男性顔よりも、男性顔の平均に少し女性的な要素を混ぜた顔のほうが女性に好まれる。最もモテるのは男性顔を10〜20%女性顔に近づけた顔。男らしい男は男性ホルモンが多く生殖能力が高いので「やりにげ」戦略を取られる危険があるため。短期的な相手としては好まれるが、結婚も含めた長期的な相手としては中性的な男顔の方が好まれる。
超美人がむさ苦しいくらいの男顔の人を連れているのは自分に自身があってやりにげ戦略を取られない自信があるからかも知れない。
→その通りだった。8章で、女性に男性の顔を評価させる実験で、評定者自身の魅力度が高いほど男性的な顔が好まれるとのこと。
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世の中に男女差を説いた本は数あれど、ここまで科学的な根拠から男女差を説いた本は少ないのではないでしょうか。本社は美人(見た目)を切り口に男女差の違い、なぜ美人がモテるのか、また一番もてる体型はなんのか、これらを科学的または生物学的にまとめて書いています。楽しめて読めました。
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美人やイケメンが最も強いのは恋愛における第1フェーズにおいて。
第1フェーズ…出会ってからデートするまで
第2フェーズ…付き合うまで
第3フェーズ…付き合ってから結婚(長期的な関係を築くまで)
恋愛において最も重要なのはお互いの価値観を擦り合わせる第2フェーズ。
また、性欲が強い女性に対して、マッチョな男らしい人はかなり優位。
外見を整えて、トークを磨くのが恋愛の攻略法であると感じた。
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いくつか新しい発見がありました。
外見的魅力とその他の性質の関係性について、何故そうなるのかも含めて丁寧に記載されていてよかったです。
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社会心理学の中での恋愛研究について、こんなに学術的実験が行われていたということに驚き。
美人とかイケメンとかというのは誰が評価して、その研究内容は被験者にどのように伝えられたのかしら。
顔の対称性と魅力度の関係
お肌すべすべの効果と顔の平均化の効果
スーパー平均顔
母親のWHR値と子どもの認知能力テストの関係
消防士コスチュームと笑顔を返される割合
評定者と刺激の性別と自分に類似した顔を選考する程度
結婚後の年数と夫婦の外見類似度の関係
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美人も楽ではないというけれども、結局は
男女問わず美人の有利性の高さが羨ましくなる本。
同時に、様々な実験結果から人間も根本的には
本能に忠実な生き物だと改めて感じた。
常日頃からあれこれ考えすぎず、
もっと直感で生きても良いのかもしれないと思った。
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「美女美男子の正体を心理学的に研究すると現時点ではこのようなエビデンスがあります」という、非常に興味深いテーマ。美男美女とは何か?なぜ彼ら彼女が魅力的なのか?美男美女の性格・知能などの能力が統計的に平均値とどう違うのか?などなど、進化論的に考えても確かにそうだなと思える内容でこれは必読。
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美人、ハンサムといった容姿に優れているとみなされる人は、実際どういう基準でそう評されているのかがなんとなくてはあるがわかってきた。
生殖や子孫繁栄に繋がる無意識の判断基準というところは、人間も動物の一種なんだと少し面白かった。
一方で本書が少し古いということ、データが主に欧米基準であることもあって、首を傾げることも少なくなかった。最新の研究結果も読んでみたいと思った。
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美人やイケメンがなぜ持て囃されるのかについて、心理学的に解説した一冊(著者は犯罪心理学者の越智啓太さん)。巷で言われている見た目がいい人は本当に「顔良し、頭良し、性格良しなのか?」について徹底分析、ダーウィンの「進化論」まわり、遺伝関係の話もでてきたりと(エビデンス満載で)多面的に解説されるので非常に説得力がある。また、AKB48の「恋愛禁止ルール」の進化論的根拠だったり、人気女性タレントが統計学を用いてタイプ分けされたり、エンタメ要素もあり面白かった。
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2021/02/13 読了(図書館の本)
2013年6月出版のため、約8年前の本。
この間に研究はおそらくだいぶ進んでいるため、どこまでこの理論が正しいものとして残っているかは不明だが、
数え間違いでなければ、142件もの引用文献・論文がある。
そのため、学術的にもそれなりに信頼がおける本であろう。
また学術的なことで驚いたことは、心理学の方面では、相関係数が0.3以上でだいたい意味があると言われているらしい。
結構弱い相関である。やはり「人」を研究題材に選ぶと、なかなか不確かなことが増えるのだろうか。
いかに人間が面白い生き物であるかを再認識した。
実験方法も「3種類の色のウィッグをかぶり、どの髪色だと最も魅力的と思われるかを調べるために、ヒッチハイクで止まってくれる人の割合を調べる」など、なかなか興味深い手法であった。
このような手法で得られた結果は、その国の文化圏によって結果が分かれるのでは?という反論も考え、体型的魅力に関しては十数ヵ国を題材に実験したものもあった。
これにより、その嗜好が文化的なものなのか、生物学的なものなのかを切り分けられる。
題材としても身近で読みやすく楽しめた上に、文献等の引用も多く信頼できる書籍であると思っため、星4つをつけた。
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なかなか興味深い内容でした。美男美女を判定する人間の、動物的本能のすごさに感心しましたし、基本的にあらゆる場面で美人はお得だと、よく分かりました。私は女優さんばりに美人にはなれないですが、健康的な生活をして、自分の身体を若々しく保ち、適度にお化粧したり、自分に似合う服を着たりして、適切な範囲で自分を魅力的に演出したいと改めて思いました。