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物語としてはシンプルで読みやすい。
本が好きな人にとってはより入り込みやすい内容で、一緒に冒険しながら「本」について一緒に考えることができる。
読書を楽しむことを前向きに教えてくれる刺激的な本でした。
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突如として天涯孤独となってしまった古書店の引きこもりがちな高校生とひとの言葉を喋るトラネコのファンタジーっぽい物語。書き出しと人物の背景が「ひと」に似ていて同情というか、一気に引き込まれた。
内容は本を救うという名目で異世界をめぐるというもの。
「真理も倫理も哲理も誰も興味がないんです。(中略)どんな傑作も売れなければ消えるんですよ。」など現在の価値観に切り込む姿勢があってにわかの僕からすると耳が痛い。いや、この場合は目が痛い…?
解説によると様々な引用や名作の描写を気づく人には気づけるカタチで散りばめてるのだそう。
簡単な本ばかり手に取るわたしへの警告とも捉えられる本でした。
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「本」を大切に思うこと、作者は、自らの思いをファンタジーの形を借りて一つの作品にした。
本何て別に読む必要はないと思う人もいれば、本を読んで自分の人生が変わってしまうほどの経験をした人もいるかもしれない。
自分は、本を読んで自らの心が揺さぶられるほどの感動を覚えたことはほとんどないのだが、何かを求めて本を読み続けてきた。
小さな古書店を営んでいた祖父が亡くなった後、閉店の作業をしていた主人公の前に、「本を助け出すためにおまえの力を借りたい」と、人間の言葉を話すトラネコが突然現れたことから話は始まる。
手に入れた万巻の書を誇示する、タイパ重視であらすじが分かれば良しとする、売れるための本を大量に作って売り出す、そうした考えの人物と対峙した主人公の夏木林太郎は、亡くなった祖父の言葉を思い出し、思い出し、自らの考えを少しずつ言葉に出していく。
ちょっと教訓臭いと思われないではないが、あちらこちらにステキな言葉が出てきて、沁み沁みとしたものを感じる。
また、巻末の著者による「解説にかえて」を読むと、著者が本書に込めた思いが良く分かる。
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大切なことが描かれている。
この本に出会えて良かったと思える本。
一気読み。
私も作者の策略にハマりそう。
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あったかくて素敵なお話
ファンタジーだけどリアルな感じ
物事の考え方感じ方についてじっくりと考えさせられる本だった
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祖父が亡くなり、書店に引きこもる林太郎の前に現れたしゃべるトラネコ。
「本を解放するために手を貸して欲しい」という。
訳の分からないままに迷宮に連れていかれ、本への想いをぶつける林太郎。いくつもの迷宮で本を解放するうちに、祖父が亡くなり投げやりだった林太郎の心境に変化が…。
クラスの学級委員・沙夜もひょんなことから関わって思わぬ展開を見せる。
本好きにとっては感じるところが多々ありました。
おじいちゃんの語った言葉の数々がとてもいい!
そして本好き林太郎の言葉も。
こんなに素敵な言葉を贈ってくれるおじいちゃんに会ってみたいなぁ。
猫好きの本好きさんには堪らない1冊だと思います。
『本には力がある。』
『時代を超えてきた古い書物には、それだけ大きな力がある。力のあるたくさんの物語を読めば、お前はたくさんの心強い友人を得ることになる。』
『読書はただ愉快であったり、わくわくしたりするだけではない。ときに一行一行を吟味し、何度も同じ文章を往復して読み返し、頭をかかえながらゆっくり進めていく読書もある。その苦しい作業の結果、ふいに世界が開ける。長い長い登山道を上り詰めた先ににわかに眺望が開けるように。』
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自分以外の人の心を知ることができる
人を思う心を教えてくれる
ファンタジーでどんどん読み進められたこと、そして本を読む意味を深く考えさせられた
本っていいなあ
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本が好きだ。
本を読む行為ももちろんだけど、本そのものの物体が好きだ。
だから本は大切に扱いたい。
自分の所有物としたい、ということではなく、良い本はみんなに読んでもらって、読み継がれて言って欲しい。
「本には力がある」
ほんとにその通りだと思う。
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耳が痛いな、と思った。
主人公たちが対峙する人は私にもあてはまるだろう。
読んだ本の数を増やすことが楽しいし、断片だけを知ってすべてを読んだ気になることもある。
作者の本への思いを受け止め、改めて読書をしよう。
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祖父をなくし、ぽっかり穴が空いたようになった高校生のもとに不思議な無愛想な猫が現れ、本を救うのを手伝うことになるお話。
それぞれ主張はもっともなので、私なら言い負かされてすごすごと退散するしかないだろうと思ってしまいました。
自分の考えや思いを本で培い、祖父から色々な大切な話を聞いてきた主人公だからこそ、全ての相手に響いたのだと思います。
私も子供の頃読書をしてこなかったので、今必死に読んでいるのでドキッとします。読みやすい本ばかり読んでしまうので、たまには頑張ってみようと思いました。
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児童文学らしい、設定はベタで、軽いファンタジーで読みやすい。
本を愛すのは自由だが、商売となると、そうは言ってられないので仕方がない。
慰めの言葉はあれど、結局は売れる本を優先的に作り、その片手間で、売れなくても一部で需要のある本を作る、それが本自体を継続させるには致し方ない。考えさせられる内容ではあるが、しっかりとした答えは出せず、やはり現実問題、どうしようもない。
トラネコは亡くなった祖父かと思ったが、後書きを読むに、幼少期に読んで影響を受けたキャラクターだったようだ。
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書籍をめぐる現代社会の問題点を描きつつ、書籍の持つ本来の意味を解き明かす。
行って帰るという児童文学の基本的な形をとり、主人公の成長譚にもなっている。
いや〜、良い本です。ご馳走様でした。
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祖父を亡くして引きこもり気味の高校生が、しゃべる猫と出会い、本を解放する冒険をするというお話。
本当にいろんな本を読んでる人にはもっと楽しめる作品のようで、それがわからない私はまだまだだと思いましたが、作者の思惑にのってしまおうか?と思うほど、出てくる作品に興味がわきました。
読書する人なら大体、ああーこんな人いるなとか、発行部数とか話題で本を選びがちやわっていうのはわかるわと思いました。
読書とは本とはと考えさせられた作品だとは思いつつ、肩の力を抜いて読める読書する人にはたまらん作品だと思います。
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大切なことが書いてありました。皆に読んで欲しい。じっくり古典を味わう時間を作らねばと思った。小学生や中学生の時の方が、世界の名作を1冊でも読みたいという思いが強かったと最近の自分を反省させられた。そして、優しい人間になりたい。
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主人公の高校生・林太郎は、古書店を経営する祖父が突然他界し、孤独の身に…。
そんな彼の元に1匹のトラネコが現れ、本を救うために「お前の力を貸りたい」と唐突に言われて、物語が動き始めます。
猫と共に迷宮世界に入り、相手と共に本についての持論を展開しながら、「閉じ込められ、切りきざまれ、売りさばかれる本」を救っていきます。
迷宮を乗り越えられたのは、結局のところ林太郎の本好き・優しさと祖父の教えでしょうし、最後は女の子も救っちゃいます。
林太郎くん、カッコいー!
引きこもりの林太郎に勇気をもたせ、一歩踏み出させたのは、猫であり祖父だったのですね。そして最後の最後には自分を救ってますね。
本書はファンタジーの装いに留まらず、随所に著者の世界名作書愛・読書愛に溢れ、出版業界の課題や世の中の風潮へも課題提示してくれる深さも持ち合わせているようです。
本は、時空を越えた様々な世界へ誘うだけでなく、他者への思いを馳せる想像力をもくれる良さがあるのだと、再認識できました。