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猫と本が好きでジャケ買いした本。
ストーリーはファンタジー強めで、アニメ化に向いてそうだなーと思う。
ちょっと子ども向けな感じがして途中で飽きてしまい…
離脱してしまった。
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本にまつわる本シリーズ
たくさん付箋を貼った。
良い意味で想像と違った内容であったが、どの章も思うことがあり良かった。第一、第二の迷宮に関しては、自分も少なからずあちら側に近い考えを持っていたこともあったので考えさせられた。本の力、特にそういう思いで本を読んではいないが、読書によって感じることはあり、そういう経験は大切だと思っている。
最後の解説にかえてを読んで著者が医師だということを知った。そしてこの本の背景、想いが知れたことは単純に面白かったし、著者の策略どおり、夏目漱石の本を読んでみようと思った。
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本好きな人間が、最近の本に対する扱いに対して警鐘を鳴らす作品。
速読や、とりあえずたくさん本を読むことや、Padに読み込むために裁断することに、違うだろ!と、本好きにしてみれば思う気持ちを、本を守る猫になって訴えていくような内容。
まあ、本オタクからの訴え。
だけど、そうなんだよ。
大切なことを忘れないで。
そんな気持ちがビシビシ感じれてよかった。
一つの本を大切に、尊敬の念を持って読み込むこと。
作者からしたら、そうだよね。
一冊の本を生み出すのは、凄い事なんだから。
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主人公の林太郎が、本が好きだという思いをもって、本を無下に扱う相手と対峙する、冒険譚でした。無下な相手が語る本をめぐる情勢にハッとさせられ、林太郎の語る思いに応援したくなります。
何より、作者自身の解説(あとがき)が深い。難しい本こそ、そこにしかたどり着けない景色があるんだね。
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本が好きだけど、本を読む事が無くなってしまった人へ、本の良さとは何かを思い出させてくれる本。
作者の伝えたい事が、物語として描かれています。
高校生を主人公としたジュブナイル小説っぽいですが、大人向けでもあります。
話のそこかしこに歴史に残る名著の引用、オマージュがあり、今まで沢山の本を読んできた人には懐かしく読み返したくなり、まだ読んでいない人では手を出すはじめとなるかと思います。
私はあまり読んでいないので、作者の解説にかえてが話の1番の道標となりました。
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本好きの高校生が猫と共に本を開放するファンタジー
ファンタジーではあるけれども、現代の本の読まれ方や扱われ方に対する問題提起でもある
夏木書店を営んでいた育ての親である祖父を亡くした夏木林太郎
古本屋ではあるが、その品揃えは世界中の名作などであり、大衆的な本は置いていないようなお店
店を閉めて叔母に引き取られる予定で、学校も休んでいたところ、しゃべるトラ猫が現れ「力を貸してほしい」と頼まれる
店の奥から繋がった場所では、極端な本の扱いをする人がいて、本の開放をしなければならなくなるお話
4つの迷宮が出てくる
序章 事の始まり】
第一章 第一の迷宮「閉じ込める者」
第二章 第二の迷宮「切りきざむ者」
第三章 第三の迷宮「売りさばく者」
第四章 最後の迷宮
終章 事の終わり
「閉じ込める者」
多くの本を読むことに終始し、読み終わった本は二度と読むことなくガラスケースの中に閉じ込める人
私も最近は本を読み返す事があまりなくなった
読みたい本が次から次へと出てくるのが原因なので、どうしようもない
ただ、閉じ込める者のような読み方はしてないので許してほしい
「切りきざむ者」
活字離れを憂慮して、本を要約する事に執着する人
走れメロスを要約すると「メロスは激怒した」
なんか、久米田康治が似たような事やってたな
忙しい中で教養を身につけるために、最初から読んでいられないという現代人のための速読の勧め
これも耳が痛い
私は古典や名作をあまり読まないからなぁ
それらのあらすじや要約がまとめられた本を読もうとした事もあったけど、結局手を出していない
やはり、物語は原典を最初から読まないと本当の意味で読んだ事にはならないですよね
速読に対する反証は森博嗣も似たような事を書いていた
音楽を倍速で聞くという愚かさだけど、現代に置いてはイントロがなくなったり、サビから入ったりする曲が増えているので、音楽にも時間短縮の波は来ているんですけどね
「売りさばく者」
売れる本をばら撒くように売り、売れない本はそもそも作らないという出版社の社長
今の出版業界を表しているなぁ
ただ、それが一概に悪いわけでもないと擁護したい気持ちもある
売れる本で稼ぐからこそ、あまり売れない本を作る事ができるわけで
さらに、何が売れるかわからないから、売れそうな本を沢山作る事になってるんですけどね
本好きとしては、本という媒体そのものも大切に扱って欲しいものですけど
でも、自分が商売にしてるものだったら扱いが雑になるという人もいるでしょうねぇ
「最後の迷宮」
本そのものからのお招き
二千年の時を超えて受け継がれる、世界で一番読まれている本ってアレでしょうねぇ
読まれてはいるでしょうけど、全部を読んだ人って聖職者以外でどのくらいいるんですかね?
辞書を丸々1冊読むようなものですけど……
どのエピソードも自分を顧みる主題が満載だなぁ
でも、一番響いたのは祖父の言葉かな
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本には大きな力がある。けれどもそれはあくまで本の力であって、お前の力ではない。
いくら知識を詰め込んでも、自分の足で歩かなければそれはただの借り物。
お前はただの物知りになりたいのか。
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本を読むのは大事だけど、考えて自分のものにしないといけないし、実際に行動しなければ意味がないって事ですかね
私も読書体験から得られたものがあるし、実際に自分の行動が変化したものもある
でも、まだまだ足りないと思うところも、実行できていないこともいっぱいあるんですけどね
あと、林太郎の
「むずかしいと思う本に出会ったら、それはチャンス」
というセリフも今の自分には励みになる
軽い物語ばかりを読み漁っている私ですが
去年はノンフィクションも少しは手を出したし、今年は新書を読もうと思っている
多分、読んでいてよくわからない事もあるだろうけど、この言葉を励みに読み進められると思う
この本は、読書術をファンタジーテイストにした自己啓発本に近い
「本の力」が作中で言及されているけど、この本自体がその力を持っていると思える
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僕は読んだ本の数を強調して、1度読んだだけで本を読んだような顔をして、刺激的で簡潔な本ばかり読んでいるのかもしれない。
真実と間違いへの向き合い方を勉強できたと思う。
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最初は単純にラノベっぽいなと思った。それが2章、3章とすすみ、著者による解説含みのあとがきを読むに至って、書物の本質を訴える深いテーマ性に感銘を受けた。今更ながら、これまで避けてきた読書の高い山に挑みたい気持ちが湧いてきた。
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全体的にぬるめ。
「迷宮」という割にそんなに迷うことはないし、各迷宮で出会う人たちともやや苦労はするものの、対話で解決する。
タイトルも猫の話と言いつつ、登場する猫はほぼガイドでこれといった活躍はない。
しかし、本を読むときの心構えのようなものが頻繁に挟まれており、それについては納得したり腑に落ちたりする事が多かった。
特に気に入ったのは「本を読んで難しいと感じるという事は新しい事が書いてあるという事だからチャンス」という主人公の台詞だ。
また、後書きにあるソクラテスの「善く生きる」というフレーズも印象に残った。
もし小中学生のような若い人に勧める小説はあるかと聞かれたら、真っ先に取り出したい一冊である。
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説き伏せる態度でもなく、言い聞かせる語調でもない。
ただ思いを伝えるための対話である。
今日読んだ本の話をしよう。
本は人の心を教えてくれる、人を思いやる心を教えてくれる。
なんだかすごい本に出会ったよ。
これからの読書が楽しくなりそうだ。
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不登校の少年がある日ある条件を満たさないと見ることのできない喋る猫に出会う。
日常生活から突如望まぬ冒険に連れて行かれる。
お節介なクラスメイトが頼もしい仲間になっていく。
とりあえずファンタジー好きなら嫌でもわくわくしてしまう要素しかない。
いじめられっこではないが友達の少ない主人公の少年が不思議な動物と一緒に冒険に出るところは「ネバーエンディングストーリー」を思わせるし、冒険の中で出会う厄介な人達は「星の王子様」に出てくるそれぞれの星の王様に通じるところがある。
この物語の冒険で対峙する相手は凶悪でも手強くもなくハラハラドキドキの冒険物語とはいえないが、子供向けのようなストーリー展開の中で、本好きのお祖父さんとその孫である主人公の少年の本に対する思いを綴るセリフが全てといっていいほど良い。
とても共感できるし読みながらiPhoneのメモに書き留めるほどグッときた。
ファンタジー好きや本好き上級者には少し温度の低めの本だが、純粋に本好きとしていろんな人に読んでほしいと思えた一冊だった。
本をこれから読みたいと思っている子どもたちや本初心者の人たちにはきっと素敵な視点と知見を与えてくれるのでおすすめしたい。
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医療シリーズを読んできた夏川氏の本と思い購入したが、全く予想外の内容。言葉を話す猫からの依頼で本を助け出すというファンタジーな内容だった。世界35ケ国で翻訳された記録的ベストセラーとも裏表紙に記載されていたが、何が受けたのだろうか。子供用の内容でも無いし、かと言って深いかと言われると・・
本屋の祖父に引き取られた引きこもり気味の高校生。祖父が突然亡くなり、会ったこともなかった叔母に引き取られることに。話しができる猫が現れ、主人公に助けを求める。
何万冊もの本を読んで並べる人や、本の一部のみ切り取って速読させる人など出てくるが、本好きの主人公が本の読み方を諭して解決する。
難解な問い掛けなのにあっという間に解決して行く手法はどうなのだろうか?
本に関して哲学的な作者の思いが感じられるが、個人的にはあまり刺さらなかった。
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夏木林太郎がトラネコと出会い不思議な体験をする話だろうと思いながら読み進めた。そのうちに夏木書店の壁がどんどん奥まで広がるように、読書をすることの本質を突き詰めていく感じになった。ただ多くの本を読むだけでいいのか、一度読めば二度と手に取らず飾っておくだけでいいのか、あらすじだけを知っていればいいのか、出版社は売れる本を作るだけでいいのか。一番はっとさせられたのは、自分が心地よくなる本だけを読んでいていいのかということ。もちろんそれでもかまわないけれど、普段読まないような古典を読むことも新たな発見がありそうだと気づかされた。これからも読書をすることで、色々な考え方を知り、人に寛容な人でありたいと思った。
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夏川先生が本が大好きなことが伝わってくる。
私は本を読むのが、とても遅くて、でもそれでもいいんだよって背中を押してくれた気がした。
それでいて、「難しい本に出会ったらチャンス」という林太郎の言葉に勇気をもらったので、たくさんの本に挑戦したいと強く思った!!
p.59 たくさん読めばいい訳じゃない
「ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。どれほど多くの知識を詰め込んでも、お前が自分の頭で考え、自分の足で歩かなければ、すべては空虚な借り物でしかないのだよ」
「本がお前の代わりに人生を歩んでくれるわけではない。自分の足で歩くことを忘れた本読みは、古びた知識で膨らんだ百科事典のようなものだ。誰かが開いてくれなければ何の役にも立たない骨董品に過ぎない。」
「お前はただの物知りになりたいのか?」
p.113.114 本を読むことは…
「本を読むことは、山に登ることと似ている」
「読書はただ愉快であったり、わくわくしたりするだけではない。ときに一行一行を吟味し、何度も同じ文章を往復して読み返し、頭を抱えながらゆっくり進めていく読書もある。その苦しい作業の結果、ふいに視界が開ける。長い長い登山道を登り詰めた先ににわかに眺望が開けるように」
「読書には苦しい読書というものがあるのだ」
「愉快な読書もよい。けれども愉快なだけの登山道では、見える景色にも限界がある。道が険しいからといって、山を非難していてはいけない。一歩一歩喘ぎながら登っていくこともまたひとつの登山の楽しみだ」
「どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景が見える」
p.243.244 本が教えてくれるもの
「本はもしかしたら“人を思う心“を教えてくれるんじゃないかって」
「人を傷つけてはいけない。弱い者いじめはいけないし、困っている人がいれば手を貸してあげなければいけない。そんなことは当たり前じゃないかと言う人たちがいます。でも本当は当たり前じゃなくなっているんです。当たり前じゃないだけでなく、“なぜか“と問う人たちさえいるんです。なぜ人を傷つけてはいけないか、わからない人たちがたくさんいるんです。そういう人たちに説明するのは簡単じゃありません。理屈じゃないんですから。でも本を読めばわかるんです。理屈で何かを語るよりずっと大切なこと、人はひとりで生きているわけじゃないってことが、簡単にわかるんです」
p.260 難しい本
「難しい本に出会ったらそれはチャンスだよ」
「読みやすいってことは、それは柚木が知っていることが書いてあるから読みやすいんだ。難しいってことは新しいことが書いてあるって証拠だよ」
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唯一の肉親の祖父を亡くなり、高校生の夏木林太郎に唯一残った古書店。そこに言葉を話す一匹の猫が現れ、同級生の沙夜と本を守る迷宮の旅に出る。
本を多く読むことに価値を見出す人
効率を求めて本を刻み、要約を求める人
多くの本を売ることに熱心な人
本が一部の教養人の時代もあったかもしれません。活版印刷で大量に本が発刊され、大衆の娯楽の時代もあったかもしれません。そして多くの娯楽が生まれ読書の地位が低下したのが現代なのかなと思います。
本を読む目的は人それぞれだし、感じ方も人それぞれだと思います。本を読まなった人にも理由があるのかもしれません。この本の中にも出てきますが、要約本が売れているのは効率を求める人がそれだけ多くなったせいもあるかもしれません。それでも古典に触れることは、余計なフィルターを外し、時代を超えた本質に触れることができることに価値があるのかなと思います。
なんて考えてみましたが、自分も楽な道に流れることが多いので、偉そうなことは言えませんが。たまには古典に触れるのもありかなという気はしました。
林太郎と沙夜のふたりの対等な関係が初々しくて、続編があるなら読んでみたいと思いました。