本との向き合い方を考えさせられました
2022/11/13 16:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆずりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーのような、不思議なお話です。現実の世界と、本にまつわる仕事をしている人の住む異世界。その世界を往復するうち、少年は自分の内なる思考に目覚めていきます。
並べて置くだけ、要約するだけ、売るためだけの存在なら、本は、本としての価値を失う。本の真の価値とは何か。
主人公の祖父のセリフ、「本がおまえの代わりに人生を歩んでくれるわけではない。」「読み終わったら、自分で考え、自分で歩きださなければならない。」に、私が納得できるようになったのは、ごく最近です。
いろいろな経験を経て、いままでは本に逃げていたかな、逃げるまでいかなくても、単に癒しを求めてたかなと思えます。
あまり重く考えるのはしんどいけれど、丁寧に本を読んだ後には、何かしらの行動を起こしたいと前向きに思えるようになりました。
本好きの人には、おすすめです。いろいろ考えられます。
本の知識により見方が異なる物語
2023/08/15 23:55
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投稿者:ドゥー - この投稿者のレビュー一覧を見る
祖父を亡くした男子高校生の本に纏わるお話
最後の作者のコメントで本の知識により見方が異なるとあり、不朽の名作や作品の中で出てきた作者も読んでみたくなった
書かれてあった通り近年は目まぐるしく時代が進んでいて数年後には価値観が変わったり生まれたりしていく
その中でも何年も語り継がれ、変わらず残る物語などが人の本質みたいなところになるんじゃないかなと感じた
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単行本が発売されて、書店に並んでいた時から気になっていた一冊。
主人公らしき男性と猫が向かい合っている表紙の絵にとても惹かれていました。
内容は、猫が様々な状態になっている本を助けるために、主人公の林太郎の力を借りるというファンタジー。
林太郎は高校生で、祖父と二人暮らし。
祖父は「夏木書店」という古書店を営んでいた。
その祖父は、突然亡くなった。
こういう設定で物語は始まる。
「本には力がある」
「本はもしかしたら“人を思う心”を教えてくれるんじゃないかって」
作品の中で印象に残った言葉です。
私は本が好きで、自分のベースでポツポツ読んでいます。
知らなかった事が知れることが出来る。
沢山のことを考えて感じることが出来る。
とても楽しく、嬉しさも感じることが出来るひと時だと思っています。
本書の作家自らの解説を読むと、何故、この作品が書かれたのか記されていました。
作者の沢山の思いが力強く語りかけてきて、でも、温かくて優しい物語でした。
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本を守ろうとするネコ。夏川先生らしい思いやりのある物語。殺伐とした世の中だけど時代を超えても変わらない。変わってはいけない大切なものもある。思いやり今こそなんだろうな。心がほっこりしました。働いてる皆様や主婦の皆さま、子供たち世代問わず読んでほしいですし子ども達にもお勧めしよう!
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2度目の再読。本好きはますます本が好きになれるお話。感銘を受けた言葉は、「ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。どれほど多くの知識を詰め込んでも、お前が自分の頭で考え、自分の足で歩かなければ、すべては空虚な借り物でしかないのだよ」(byおじいちゃん)
本を娯楽の消費物ではなく、栄養として蓄えることに意識を向けさせてくれた。本との向き合い方を改めて考えさせられる。折を見て、何度も読み直したい。
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この物語の主人公、夏木林太郎は、著者、夏川草介さんの分身だ。後書きで、昨今の世界に不安を抱き、それでも本の力を信じている思いがストレートに物語になってる。そんなにうまく行く?とも思うがそれでいいのだろう。ちりばめたオマージュやパロディはあまり気づけていないだろう。いつかまた、読み返して答えあわせをしたい。
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とても素敵な本に出会えました。
大切にしたい本に出会えました。
本当の意味で本を守るということはどういうことなのか。
一気に高い山は登れないけど挑戦することで見えてくるものがあるのかも知れない。
裏表紙のあらすじではこの本の本質はわからない。本が好きな方に読んで欲しいと思う一冊でした。
「難しい本に出会ったらそれはチャンスだ」本文より
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感想
作家と読者の魂が交差する書店。そんな出会いの場を管理守護する書店員。猫に指導され成長する主人公。駅前のあの本屋に足を運びたい。
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もしかして、祖父もトラネコと会って
冒険してたのかな
祖父が生きていた頃の夏木書店のお話も
知りたくなった
今後の林太郎も気になるので、続編希望
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いろいろな捉え方があるのかもしれませんが、私は本の読み方、扱われ方についてのアンチテーゼと感じました。自分自身の本との付き合い方を見直す、そんなきっかけとなるような1冊だと思います。
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本には大きな力がある、は真実だ。
本はいつでも背中を押してくれて、自身の世界を広げてくれる。
本を通して他者と繋がることで、異なる想いや考え方があると知ることもできた。
世の読書家や愛書家と呼ばれる人達は、林太郎の祖父の言葉をどう受け止めるのだろうと素直に興味が湧いた。
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Amazonの紹介より
お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。
お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう--。
感涙の大ベストセラー『神様のカルテ』著者が贈る、21世紀版『銀河鉄道の夜』!
「21世紀版銀河鉄道の夜」というと、大袈裟かなと思いましたが、そもそも「本」の役割とは何なのか?原点を見つめているようで、本に対する考え方の幅が広がりましたし、改めて本の大切さを噛み締めました。
次々と待ち受ける「本」の「番人」。解決はしていくのですが、スッキリ解決というわけではなく、淡々と話し合って解決するので、「え?これで解決するの?」といったモヤモヤ感はありました。
しかし、主人公の芯ある「本」に対する考え方が、本当に本を愛しているオーラを放っていて、心に響きました。
また、印象に残る名言もあって心に沁みました。
「本には力がある」
短い文章ですが、ギュッと色んな要素が詰まっていて、印象深かったです。
主人公だけでなく、立ちはだかる「番人」の主張も「本」に対する考え方が決して間違いというわけではないので、色々考えさせられました。
主人公が様々な出会いを通じて成長していくのですが、今後さらにどのような成長が見られるのか楽しみです。
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やっぱり、本が好き。と、改めて感じられた。
もっともっと、いろんな種類のいろんな作家さんを手にしてみたい。たくさんの刺激を受けたい!
そんな読了感でした。
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題名に「本」と「猫」が入っている。しかも古書店が舞台だ。これは読まねばと思い読み始めた。作者は「神様のカルテ」(未読)を書いた夏川草介氏。
読み始めたら、ちょっと異世界モノのようなファンタジー系でもあるような感じがした。しかしラノベではない。軽くないのだ。むしろヘヴィーな物語だと思う。 「本には力がある」というフレーズが気になる。というよりも気に入った。思うに自分は最近、あまり力のない本ばかり読んでいるような気がしてならない。
また、ブクログのレビューに駄文を書き散らかしていることも反省せねば。あと巻末の「解説にかえて」は、作者の本に対する愛が感じられる。ここ必読です。
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ファンタジーだと思わずに読み始めたから、世界観に入るまで戸惑ってしまった。
なんとなく「この本を盗む者は」を読んでいるような気持ちになった。
でも終わりは嫌いじゃなかったな。