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本当は「孤独な少年を守ろうとする本の話」なのです
2022/09/27 15:52
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を読むきっかけはさまざまだ。
夏川草介さんのこの『本を守ろうとする猫の話』の場合、
2017年2月に単行本として刊行されていて
その際にはまったく気づかなかったのだが、
2022年9月に文庫化され、
その宣伝惹句にひかれたことで読んでみようと思った一冊。
宣伝惹句に「米国、英国をはじめ、世界35カ国以上で翻訳出版されているロングセラー、
待ちに待たれた文庫化!」とある。
さらに「21世紀版『銀河鉄道の夜』」とある。
本好きにとって、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』というワードほど
魅力的なものはない。
ただ、この作品がそうなのかといわれたら、
読後感としてはちょっと違うような気がしたが。
物語は古書店を営む祖父が亡くなって、ひとりぼっちになった高校生の少年が、
本の世界を深く知ることで生きることの力を取り戻していく話。
タイトルにあるように
店じまいが目前に迫る中、一匹のトラネコが少年の前に現れ、
本の世界を助けるように求めてくる。
このネコはある条件を持った人とは人間の言葉が話せるというから、
作品は童話のような雰囲気も持っている。
ネコが求める本の世界の困難さからの救済。
ひとつは、本を飾るために読む人、二つめは数をこなすための過度な速読、三つは利益のみ追い求める出版。
少年はこれらの迷宮から、どのように本を守るのか。
本を守ったのは猫ではなく、少年。
さらにいえば、少年を守ったのは本。
つまりは、「孤独な少年を守ろうとする本の話」なのだ。
本を守ろうとすると猫の話
2023/04/12 13:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうと - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中に物申す、そんな本だと思いながら読み進めました。本について書いてありますが、今のギスギスした優しくない世の中に涙している作者が滲み出ているように感じて読み進めました。「解説にかえて」を読んで、やはりそうだったんだと、とても共感しました。
「人を思う心」の大切さ。「感謝」と「ありがとう」が何度も出て来ます。内容の中に出てくる難しい本はほとんど読んだことがありませんでした。
でも、時間がかかっても手に取り読んでみたいと思いました。この本ももう一度初めから読んでみます。
良い本をありがとうございました。
本を守ろうとする猫の話
2022/12/19 08:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メガネ定食味噌汁付 - この投稿者のレビュー一覧を見る
猫と閉じ込められた本を助けるために本の迷宮の謎を解き明かす熱い冒険譚。
小さい頃に大好きな本を見つけた時のワクワク感を思い出しました。素敵な読了感でした。
読書好きならニヤニヤして読めるセリフや謎の絡め方など刺さるはずです。
猫に惹かれて読みました
2024/03/06 08:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこかあさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある意味で非常に哲学的な、そしてSFチックな小説。
そして今の本を取り巻く環境を痛烈に批判していると思う。
本を守ろうとする猫の話
2024/09/22 18:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すずらん - この投稿者のレビュー一覧を見る
思った以上にファンタジーで、思った以上に温かいストーリーでした。本が好きなら必ず読んでもらいたい一冊です。
とても素晴らしい猫と少年の冒険です
2024/01/07 15:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yoshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
高齢になると老眼がすすみ紙の本が読みづらくなり、電子版で文字を大きくして読みました。
ぜひいろいろな方にも読んでほしい一冊です。
積読で読んでない本も主人公の少年が読んでいて解説するのは精神世界の冒険小説ですね。
古典は老人や若者が考えを巡らせ、討議するのに大切なものです。
また3000mの槍に老体も挑戦しようと思ってます。
著者の夏川先生は小生の息子と同じ年の様で親近感でレビューさせていただきました
ちょっと気になった方は読んでください
本に関して考えさせられます
2023/01/22 13:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーのお話です。ネコの導きで現実の世界と、本に関わる仕事をしている人を表す異世界を往復し、心を救っていく少年(高校生)が主人公です。
・知識や情報を得るために本を読み、読んだ分量を誇るために本を並べる人
・効率を重視するため、本のあらすじだけを読めばいいと主張して本を要約して本文を捨てる人
・本は売れなければ価値がないと世の中が欲しがる本を追求し、本を痩せさせる人
といった3人に本の価値を説きます。
そして4番目の人には、本の価値とは自分以外の人の心を知ることができ、人を思う心を教えてくれることだと説きます。
なんとなく刺激(というか面白さ)を求めて本を読んでいた私には、耳が痛い内容でした。
主人公の祖父の「本がおまえの代わりに人生を歩んでくれるわけではない。」「読み終わったら自分で考え、自分で歩きださせ。」といった言葉が響きました。
本について語り合う
2022/10/23 16:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生とトラネコが、仮想の世界の人と本について語り合う話。いい本をたくさん読みたいと思った。難しいと思うのは、新しいことを知ることである、素敵な表現で印象に残った。