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ウクライナ侵攻の今、2022年11月、トルコの立ち位置を興味深く見ています。トルコの理解をすることは、日本の行く末を考える意味でもためになります。薄い本ですが考えさせられます。
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トルコにいるうちに読んでみようと思った1冊。とはいえトルコのことを全く知らなかったので、勉強になった。内藤さんはトルコや中東・イスラムへの思い入れが多分強く、時々他を下げトルコを上げる、という書き方になっている気がする。
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タイトル見て「なんでトルコ?」と思ったけど、読んでみたら「なるほど、トルコ!」と腑に落ちた。
東洋と西洋の境目にあって、独自路線をとる国・トルコは、現代社会の国際情勢を複眼的に捉えるためには恰好の国だ、ということだった。
というとこまで読んで、そういえばオルハン・パムクの小説ってそこが眼目じゃん!と思い出した。
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結構前に読了していたけど、登録し忘れていた。そのときに感じたことの記憶をば。本書のもとは、だいぶ前に書かれたものらしいけど、元の文章に適宜追記って形がとられている。だったら、構成だけ残して、いっそ全部書き直せばいいのに、ってことを強く思った。ウクライナ侵攻が続く現在、テーマは興味深いものだけに、残念。
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30年前に書かれた内容に少し現在の状況を書き加えられた内容。
トルコはイスラム教だが、政教分離を掲げている国である。というトルコの政情から、バイラムというイスラムにちなんだお祭り、労働者の話、多岐にわたる内容が解説されている。
薄くて読みやすい。
秩序をつくるより、文化を異にする社会同士で、コモンセンス(共通の理解)を、作ることが大切である。
この一文が心に残る。
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内藤正典『イスラームからヨーロッパを見る』<岩波新書>を読んでいたのだが、中東事情やイスラム教等々について、あまりに分からないために挫折した。そうしたわけで、新書の中で出てきたトルコを事例に、同じ著者の本書を読んだ。
現在、西欧世界では、「イスラム」という言葉を聞いただけで「嫌な感じ」を受ける人が増えており、日本でも同じように、イスラム教の信者というだけで怖いと感じる人も多い。筆者は、こうした態度に対して、「私たちは果たしてイスラムのことをどれだけ理解しているでしょうか?」と投げかけ、知らない文明や文化について、簡単に好き嫌いを口にしてしまうことの危うさを指摘する。そして、「日本のものさし」だけで、自分たちと異なる「異文化」を測らないことが大切だと述べる。
「ものさし」というのは、「不平等をなくそう」「公正をすべての人」と言ったときに、何を平等と考えるか、何を公正と考えるかを決める価値観のことだという。二つの大陸にまたがって、ヨーロッパとアジアの間にあったトルコでは、常に「西洋のものさし」と「東洋(イスラム)のものさし」をどうしたら融合できるかを模索してきた。この本では、そんなトルコの歴史を振り返り、現実にいた「トルコ人」の素顔を描くことを通して、日本の社会制度や私たちが持っている「日本のものさし」に揺さぶりをかける。
中でも印象に残っているのは、第1章「イスラムと政教分離のはざま」だった。ここでは、トルコ共和国建国から、イスラム政党が民衆の支持を得るまでの経緯が説明されている。トルコは、その建国のときから、政治と宗教を分離する「政教分離」の考え方に則って、「世俗的な国家」であるとしてきた。しかし、現在、トルコで民衆からの支持を受けているのは、イスラム教の道徳観を政治理念とする公正・発展党である。
こうした状況になるまでには、政治を宗教から分離することを訴える「世俗主義」の政党による不正と、イスラム政党による生活改善の取り組みがあった。政教分離を訴える、「世俗主義」の政党は、国内の混乱を抑えるための手段として、軍部のクーデターに訴えたり、贈収賄を行っていたりという有様であった。そして、1990年代まで、都市部を中心とした貧困層の生活などは、改善されないことに、民衆は不満を持っていた。一方で、イスラム政党の福祉党は、こうした都市問題に対して、マンションの建設や経済的支援を通して、解決を乗り出した。こうした施策は、目に見えて民衆の劣悪な生活を改善し、少しずつ支持を得るようになってきたのである。
こうしたイスラム政党の活動は、イスラム教の教えに基づく、倫理観に則ったもので、多くのイスラム信者の心にも訴えるものであった。そして、西洋的な民主的な手続きの中で行われたものだった。こういった宗教と政治の関係は、あまり日本では馴染みのない世界観であるように思う。
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トルコから見た世界を実感できました。ウクライナと地震、いろいろと厳しいトルコの現状にも思いをきたしました。
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『教えて!タリバンのこと』(内藤正典)がキッカケでトルコがどんな国なのかをもっと知りたいと思って手に取った『トルコから世界を見る』(内藤正典)。
最近、この類の本を「海外の事、日本史世界史とか勉強した事は頭からスッカリ抜け落ちてて、ほんんどわかってないから」と思って読むんだけど……
今回も案の定、「カッパドキアとトルコアイス以外、ホンットわかってなかった」という事を痛感させられました。
【民族】、【各宗教の考え方】、【移民】、【外国人労働者】、【各国とトルコの関係、その歴史】……。
改めて知って、内容の深さに触れて、以下4点を思いました。
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❶歴史を読むと暗い気持ちになるけど、国の文化面を読むとなんかホッコリする。
ただ、暗いと言っても向き合わなきゃいけないって事はわかってます。
❷外国のよくわからない事は、自国である日本を比較に出すとわかりやすくなる気がする。
❸ずっと母国ではなく違う国に住んでいるのに、そこで「日本語のうまい外国人」としてしか見られない彼らの悩みを私はわかっているんだろうか?いや、わかってない。
「上手ですね」という余計な一言を言ってしまってそう。
❹海外で生まれる移民の子どもたちが生き方に悩むのは、何となくわかる。
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などなど。
勉強になったんだけど、ちょっと複雑な気持ちで読み終えました。
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高校生~大人向けであれば星5、中学生向けだと星4。内藤先生の著書としては易しいけれど、本シリーズの他書とくらべると内容が濃く言葉遣いも難しいので、中学生読者は驚くかもしれない。中学生に読めない内容ではないけれど、興味の薄い子どもは途中であきらめてしまいそう。ほかの方のレビューを見ても、中学生というより大人に読まれている様子。ふつうの中学生に向けては、内容を抜粋し、よりやさしい言葉で言い換えながら紹介する必要がありそう。それでもメインテーマであるところの「ものさしは一つではない」は多くの中学生に考えてほしい。
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ボリュームは少なく読みやすい。若者向けだけど、イスラエルのニュースを日々見ていると、あらためて思い込みや偏見に自分自身が染まっていないか?と自問。
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著者のトルコの友人との会話、実体験が書かれてあり、トルコ人というの地図上の認識でなく、トルコで暮らす人々を知人や友人のような距離感で知れたように感じました。
10代〜わかりやすい文章だと思います。
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イスラム教信者女性にとってのスカーフ
(ヒジャーブ)が大切なものであることや
は知っていた。
トルコの法律が政教分離の
原則を取っていること、公的な場所での宗教
活動を禁じていることは知らなかった。
このことで、大学の講義を受けるときに
ただスカーフをつけるか
つけないかが信教の自由を重んじる立場
なのか、政教分離の原則を取る立場なのか
周りに知らせる行為になるなんて思いもしない。
トルコは地理的要因で
争いに巻き込まれ、自国民が移民になる道を
選んだり、今はトルコ国内に移民を受け入れたり
厳しい道を歩んでいる。
昔からトルコ人は親日家が多いと聞くし
トルコ人の慣習を読むにつけ、
争いから逃れ、平穏な日々がトルコに
訪れるといいなと思う。