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これは怪異でもあるし事件でもある。
あまり本は読んだ事がないから分からないけど、こういう終わり方の本は初めて。
面白かったです。
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単行本の頃から気になっていた作品。ホラー小説は普段読まないが、本書は<横溝正史ミステリ&ホラー大賞>受賞作ということもあり、てっきりホラー寄りのミステリー小説だと思っていたら、実際はホラー寄りのファンタジー小説だった。ホラーなのに怖くないという選評もあったようだが、確かに頷けるものがある。それはミステリー仕立ての淡々とした筋運びの所為かもしれないし、戦死者の怨念という重厚なテーマが後半で有耶無耶になった所為かもしれない。賛否両論ありそうなラストだが、ファンタジーは何でもありと言ってしまえばそれまでだろう。
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特殊設定のミステリー。日記が勝手に書き換わる。死んだ人間が生きていたような事実に捻じ曲がる。実のところはお互いに生存し得ない人たちの戦いだったんだなあ。主人公がずっと彼だったからさ、ラストは少しもやっとした。もうちょっとチャコさん世界側の方も描いてもよかったかな。読み手が雄司さんに肩入れしちゃってるからね。あたしだけか。でも、一気に読み切った!
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今ある現実と、有り得たかもしれないもう一つの現実…誰しも自分や大切な人が生きている現実を望むし、思い描いた通りの現実を欲するだろう。
でもちょっとこの結末はホラー的にはグッドだけど心情的には無理矢理の邪な勝利で後味悪い。
積み重ねた現実は生きる執念の化身のような火喰鳥に喰われてしまったが、人の心までは喰えないんじゃないかな。やはり夕里子はいずれ彼から離れる道を選ぶような気がする。
片や自分がチャコの立場ならハッピーエンド…単純に善悪で断罪できない複雑な読後感とパラレルワールドの不思議な魔力に捉われた。
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横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作とのことで読み始めましたが、ホラー強めです。
描写が思いっきり映像でイメージできてしまうので、かなり怖い。。
好きなジャンルですが、怖すぎてなかなか読むのが進まなかった
ラストは誰の立場に立つかで印象がガラッと変わります。
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不思議な終わり方。
納得いく人と、納得いかない人にきっぱり分かれそう。全体的に不気味な雰囲気は、読んでいてとてもわくわくした。
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読後すぐの感想が「なかなかにえげつないホラーを読んでしまった」でした。
物語は、第二次世界大戦中、パプアニューギニアで戦死した主人公の大叔父の手帳が、主人公を含む遺族家族の元に戻ってくるところから始まる。
その手帳の、大叔父が書き記した内容を読んだ時、彼らの運命がどんどんおかしくなっていく……。
その違和感がないようで、じわじわと手帳を読んだ彼らの運命をむしばみ、狂わせていく様々な現象は、生々しく描写されるラバウル戦線の熱帯の気温や血生臭さ、現実の真夏の描写と相まって、息苦しさを伴うじわりとした恐怖があった。
人は大事なものを"守る"ため、"手に入れる"ためには何でもするのか。
それが狂気となると、どうなるのか。
細かく書くとネタバレにすぐ当たるので伏せるが、戦中だろうが現代だろうが、人の"欲求"が、悪い方向へ追い詰められ、煮詰まり焦げ付いた末路を見たような、読んでいる最中の気味の悪さがものすごい(褒めている)。
加えて、ミステリーの観点では最初からの伏線や展開がスムーズで、最初から読み直したくなる構成になっているのが面白い。
話を急展開させるある人物の登場には、やや唐突感を感じるも、それを小さなものにするほどに、物語が濃密だった。
タイトルも中盤まで、ホラー要素の一つでしかないのかと思わせながら、後半からの急展開とタイトルの意味には唸らせられた。
ホラーは得意ではないジャンルなので、沢山読んでいる方ではないが、それでも「新しい」と思う作品でした。
ホラー好き……より強い恐怖(刺激)を求めている人にはちょっと物足りないかもと感じましたがホラー苦手な(でも読む)私にはちょうど良いぐらいのホラーでした。
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ネタバレ要素を含みます。
ホラーというジャンルではありますが、SF要素を含んだものとなっていました。そのため現実世界と意識内世界とが入り混じった不可思議な出来事による不気味さには凄まじいものがあり、なんとも気持ちの悪い恐怖が随所から感じられる作品でした。しかしオカルトという言葉だけでは説明できない出来事が絡んでくるため、どのように物語を締めるのか気になっていましたが、SFの世界観が受け入れられない方からすれば消化不良感を感じてしまうかもしれません。よって評価は人を選ぶものとなると思いますが、私は最後まで恐怖感を感じ続けられる傑作ホラーだと思いますので一読の価値ありな作品だと思います.
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ホラーやミステリーを使ったパラレルワールドの話でした。色々難しくなく伏線の回収もしていて面白くない訳じゃないけど、こういう終わり方はあまり好きじゃないかなと思いました。
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どのようなオチに進んでいくのか、全然分からないまま読み進んでいった。
今、自分が読んでいるのはホラーなのか、ミステリーなのか、SFなのか。
ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか。
先が気になって、ページをめくる手が止まらない。
角川ホラー文庫で出版されているが、ホラー要素はさほど強くないように感じた。ただ、読後の今も、自分はどんな小説を読んでいたのか分からないような、奇妙な読書体験だった。
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横溝正史ミステリ&ホラー小説大賞ということで、手に取る。賞の名前もあってジャンルがどれになるのか気になって、一気に読めた。
マルチバースとかパラレルの要素は、そんなに好きじゃないけど、読んでる間は楽しかったです。後味悪いのは、あんまり。
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全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。信州で暮らす久喜雄司に起きたふたつの異変。墓石の破壊と「死者の日記」が届いたこと。異変後、久喜家の周辺では異常現象が頻発し……。(e-honより)
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とってもスリリングな一冊。
確固たるものだと思っていた日常/現実が何かに侵食され崩れていく。どんな手を打っても止められず、そんな主人公の恐怖を読者も震えながら追うしかない。
ちょっと作品世界が主人公に対して理不尽すぎるきらいはあるけど、途中からストーリーがどこへ向かうかわからなくなり、誰の言うことも信じられず、足元があやふやになっていく不安極まりない感覚が恐ろしいのに何故かアガる。
ホラー小説にありがちな怨恨や因習を恐怖発生の源泉にするのではなく、恐怖を与える側の都合みたいなものが明らかになっていく展開も面白い。
新感覚というのは言い過ぎか?それでも他ではなかなか味わえない読書体験だった。
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2020年の第四十回 横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作だそうで!
ジャンル分けが何とも難しい、ホラーでミステリでSFでラブストーリーで、色んなことが起こる!
本の残りページが減っていくにつれ、結末がどうなってしまうのかと、じっとり嫌な冷や汗が出てくる。
脳がふいに奇妙な話を求めてきた時にオススメの一冊!
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怖おもしろかった!ホラーはこうでなくちゃ。不気味な出来事が積み重なっていく前半。火喰鳥が暗示するものが何かうっすらとわかりはじめ、新たな登場人物と共にミステリみが強まる中盤。衝撃の後半。終わり方が好きかというと微妙なんだけど、それでもまた読み返したくなるような魅力のある作品。