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テス・シャープの邦訳第二弾(ジュラシックパークの小説版が邦訳第一弾らしい)。
ティーンの少女が主人公の、所謂ヤングアダルト小説。
本作はミステリではない。過去、母親に詐欺師として徹底的に育てられた少女が、元カレと今カノとの3人で銀行強盗に巻き込まれる。封印した詐欺師の力を使い、いかにして銀行強盗から逃れるか。冒険小説。
読みやすかったが、現在パートと過去パートがあまりにも頻繁に入れ替わるため、少しテンポが悪いと感じた。面白かっただけに残念。
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「自由研究には向かない殺人」が好きな人なら絶対に読んで欲しい作品。主人公は17才の少女でミステリ要素は少ない。いきなり事件現場から始まり犯人達に拘束された時間経過とその間に彼女の過去を回想する、と言う形で進んでいく。そうして原題の意味が初めてわかる仕掛けになっている。
もしかしたら主人公は私だったかもしれない、切なさと共に主人公を抱きしめたくなる。
Netflixでドラマ化されるのも楽しみ。
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詐欺師の技で大切な友達を守れ! 甘くも切ない思い出が蘇る青春ミステリー #詐欺師はもう嘘をつかない
■あらすじ
銀行に赴いた主人公ノーラと友人たちは、銀行強盗に襲われてしまう。大切な友人を守るため、かつて詐欺師であった母親から教わったテクニックで脱出を図っていく。
十代の少女たちが歪んだ大人たちに立ち向かう、ヤングアダルトミステリー。
■きっと読みたくなるレビュー
はぁ…切ない。若者たちが頑張る姿はキュンキュンしちゃいますね。
主人公ノーラが熱すぎるのよ。
唯一の武器である知識であるものの、自身のアイデンティティを否定する材料でもある。葛藤のはざまに自らを鼓舞しながら成長していく姿が…もうなんといっていいか、ただただ応援したい。
友人たちもいい奴ばかりで、歪な関係ながらも相手を思いやる気持ちでいっぱいなの。まだ若く不安定にも関わらず、自分のことよりも友人を守ってあげる。
そういえば『愛』ってこういうことだったな…と気づかされるんです。
そしてなにより悲しいのは、権力や力、自分本位の大人たち。男のほうが偉い、力でねじ伏せるという時代錯誤も甚だしい価値観。本書の最終ページに書かれている情報は、作者からの強いメッセージだと思いました。
私のイチオシは主人公のお姉さんであるリー。
まさに主人公の未来の姿であり、利発で折衝力がエグく、絶対生き残ってやるという腕力がスゴイ。何事も事なかれ主義でごまかしている大人は、喝を入れられますよ。
そして本作のもう一つの読みどころ、会話の駆け引きです。
自分が生き残るための作戦、相手を操るためのテクニックが読んでて小気味よい。いつもなーんも考えずに生きている私ですが、少女からたくさんの技を学ばせてもらいました。
一見、ライトな青春モノと思いきや、メッセージ性がとんでもなく強いです。ぜひ少女たちの成長を見届けてください。
■きっと共感できる書評
恋愛、家族、友人、将来…私も若かりし頃は、たくさんの悩みがありました。
友人から恋人に発展しそうなときの心の揺れ。
キスをしたいけど、どうすればいいのか。もし相手に嫌がられたらどうするのか。
恋人の関係性が終わっても、友人としては大切な気持ち。
相手の気持ちに配慮しながらも、新しい恋人との関係性も保たねばならない。
私もこんな気持ちは今にして思えば昔のことですが、当時は何よりも大事なことでした。苦しかったけど温かいな気持ちを思い出させてくれる、素敵な作品でした。
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ひとりの少女の今と、少女の中のたくさんの少女の過去と、そして未来を見守ったような気持ち。弱くても怖くても、踏ん張り笑える彼女を健気だと感じた。自分にも愛する人にも、かつて愛した人にも。
私はノーラのことが好きだな。
そしてもちろん、アイリスも。アイリス素敵だよアイリス…。ウェスもいい。リーも好き。キャラそれぞれが好きだけどなによりその結びつきが、関係性が素敵。
面白かった。
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めちゃくちゃ長かった。青春小説と解説で書いてあった反社会的な環境の少年少女を描いた作品。詐欺を母親から教わった少女が銀行強盗と遭遇し、回想シーンを交えて強盗事件からの生還、そして自身の過去と決別する小説、良かった。
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CL 2024.4.1-2024.4.4
銀行強盗の人質にされた現在パートと、主人公が詐欺師の母親と暮らしていた頃の過去パートが入れ替わりで描かれる。
ノーラもアイリスもウェスも、誰もが17歳とは思えないくらいタフで思いやり深くて魅力的。
もう少し展開が早いとよかったんだけどなー
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友人とたまたま訪れた銀行で強盗から人質にされてしまった少女が、ロマンス詐欺師の母から教わった技術・技能を駆使して窮地から脱するべく奮闘する、というヤングアダルト・スパイアクション小説。
謎解きがあるミステリ小説ではない。
主人公が母親から詐欺師として育てられたという生い立ちから「特殊な技能を身に付けた主人公が無双する!」というストーリーなのかと思っていたが、そんな育児は児童虐待であるという観点からのストーリー展開で、母の結婚詐欺に加担するため名前や性格を案件ごとに変えさせられてアイデンティティの確立に主人公が悩む。
非常に面白く読めた。