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存在や記憶、そして愛というもの。
人間がどんな時代も問い続けていくのだろう、
生きている間はそれらを完全に理解することはできないし、死んでもそれはわからないのかもしれないが、
考えないで生きるのは、果たして人間を人間たらしめているのだろうか
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短編集よりは長編派だけど、
川上未映子の文章が好きだと改めて思った。
ストーリーというよりは、文章で読む感覚。
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大枠でいえば、川上未映子も村上春樹もおんなじような印象を受ける。
相変わらず、現実に起こっていることなのか、妄想なのか、夢の中なのか、という敢えて曖昧にしているとしか思えない描写が、川上流であるといえばそう。表題作なんかは特にそう。小説自体が虚構であるからこの批判は的を射ていないとも思うが、「そこまでの虚構の根拠は一体どこにあるんだ?なにをもってそこまで表現している?」と思ってイライラしてしまうことがある。本末転倒。
伏線回収。みんな好きなものじゃないだろうか?私だって好きだ。だから表現の要素要素を見落とさないように、「あ、これは後々大事になってくるもんなのでは?」と予想しながら読んでいく。しかし、川上未映子も村上春樹も表現に責任を持たないといおうか、気持ち良く読ませてくれない感がある。だから何か重大な勘違いや見落としをしているんじゃないかと不安になる。不安になりながら不安は不安のまま物語の幕が閉じる。なんだこれ?きょとんってなる。結局何が言いたいの?
何か言いたいことがないと表現しちゃいけないのか?そんなことはない。ごもっともではあるが、カタルシスが得られない。不完全燃焼だ。己の力量不足か。
とにかく少なからずこの短編集には満足できない。『彼女と彼女の記憶について』の書き出しは好き。