0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一応古代から今につながるまでの経緯を表記されているが内容は薄いといえる。新書では細かい部分を追えないのだろうが徳川幕府海軍としての詳細はない。
投稿元:
レビューを見る
1855年に創設された幕府海軍。長崎海軍伝習、咸臨丸の太平洋横断、幕長戦争、鳥羽・伏見の戦いを経て榎本武揚らの箱館戦争まで。
投稿元:
レビューを見る
日本海軍は幕府海軍からスタート。海軍士官養成のための長崎海軍伝習所が設立され、オランダ留学組も加わり、榎本脱走海軍へ繋がる。日本初の太平洋横断した咸臨丸であるが実質はアメリカ人の操船によるところが大きい。オランダで造船された開陽丸は当時日本最大の船(2590トン)であったが、江差沖での座礁沈没は榎本にとって痛恨の極み。とにかく、榎本軍にとっては天候による影響が大きかった。今と違って天気予報もわからないし、1000トンにも満たない船ばかり。
投稿元:
レビューを見る
幕府海軍が、13年かかり、単なる船の集合体から艦隊行動の始まりまで成長し、明治の海軍に引き継がれた。
投稿元:
レビューを見る
現役の防大准教授 (2等海佐) による幕府海軍成立以前から成立、そして崩壊に到るまでの研究。
単に歴史を時系列で追うだけでなく、海軍とは何かにはじまり、幕府海軍が遺したもの、そして今日の海軍 (海上自衛隊) の役割までがまとめられている。
幕府海軍については、戊辰戦争等の戦記的なものは目にする機会があるが、その成立、組織、装備等についてコンパクトにまとめられたものは少ない気がするので、面白く読めた。
投稿元:
レビューを見る
「幕府海軍」なる本書の題名を眼に留め、凄く強く惹かれた。「読みたい!」また「読まねばならない!」と強く思い、読了して大いに満足している。なかなかに興味深い一冊なので、是非とも御紹介して広く御薦めしたいと思った。
色々と織り交じった経過で、幕末期の色々なことに関心を持っている。幕末期の出来事や人物等を取上げた種々の本をこれまでにも色々と読了している。
幕末期は、新たな技術や知識、そしてそれらに依拠する新しい概念を持ち込む、創出するというようなことを試みた人達が多く見受けられる時期だ。その「(当時として)新しい」の中、際立っているのは「海事関係」なのではないだろうか?
現代に通じるような国交の概念の下、外国との間を船で往来するようなことが試み始められ、それまでに扱ったことが無かったような船で、外洋を帆走する、更に蒸気機関を搭載した船を動かすということになって行った幕末期だ。「海事関係」では、新しい規則や慣行を知りながら、新たな機械を駆使し、そういうモノの維持管理や修繕、更に製造迄する術を身に着けなければならなかった筈である。「海事」には「海軍」も当然含まれると思う。民間でも軍でも「海事」としては、とりあえず船の運航に関するあらゆる事柄が在ろうが、「海軍」ともなれば「作戦運用の能力」、「戦闘」という要素が加わる。そういうことを思うと「担い手=将兵」の「教育・訓練」や「処遇」というようなこと迄も色々と考慮しなければならない筈だ。
本書は、ペリーが来航したような頃から五稜郭の戦い迄の「極限られた期間」に活動した「幕府海軍」とでも呼ぶべきモノに関して、上述したような幅広い問題が、何かの研究成果として煩雑なモノになることを巧みに避け、「一般に広く話題を提供する本」として判り易く網羅されている。
本書で語られるのは、その時代以前の人が知らなかった“新技術”である欧米式の航海術や蒸気機関等の事を学ぼうとしたということから、創設された海軍の運用ノウハウが育っていく経過、海軍の担い手の処遇に関わるようなこと、そして幕府の艦船が登場した主な戦いの経過等である。そして「幕府海軍」が明治期以降に「遺したモノ」を取上げる。
本書が非常に面白いのは、日本では「幕府海軍」というような頃に現れた「“海軍”という存在」が、現在の社会や世界の中で持つ意味、世界各国の海軍関係者の研修・研鑽の場で論じられているような事柄への導入となるような話題迄提起されている。
或いは「非常に新書らしい」という本書を、“あとがき”によれば様々な経緯で時間が掛かりながら執筆されたという労作だ。本書の著者は、防衛大学校の教員として歴史研究をされているのだが、海上自衛隊の佐官でもあり、近年も幕僚として各種の連絡調整任務に就いた経過も在る方だという。
実は、幕末期の幕府の艦船が動き廻るような物語を色々と読んでいて、江差町を訪ねてかの<開陽丸>を再現した資料館を見学したことが在る。そういうことも手伝って、本書の戦いに関する叙述ではあの<開陽丸>で見学した様々なモノを思い出しながら夢中で読んだ。その江差町訪問も2012年の話しで、随分と時間は経ったのだが。
本書に関しては本当に興味深く、この一冊を送り出して下さった著者や出版関係の皆様に感謝したい。そして、この一冊に偶々出会えたことに感謝したい。
投稿元:
レビューを見る
幕末を扱った時代劇だと負けてばかりの残念な幕府海軍。でもゼロから近代海軍創設を目指して苦闘した歴史として読み直すと敬服してしまう。
投稿元:
レビューを見る
幕末から明治にかけて、13年だけ存在した「幕府海軍」。
徳川の私設水軍から、近代的な海軍への編成、さらに明治になって日本国海軍を経て、海上自衛隊につながる遺伝子。
歴史や、水軍、海軍とは何か、海外との関わり、明治期の内戦など、通り一遍を新書でまとめてあるので、とても深いものではないが、いつの間にか素直に読み切ってしまう入門書。
投稿元:
レビューを見る
幕府海軍っていうけど、実は13年しか存在していない。
さらに言えば、当時アジア最強の海軍とか言われていたけど、さしたる戦功もない。
でも人材(特に現場の人間)を輩出したことは確かで、その観点では明治海軍の礎となったんだね。
投稿元:
レビューを見る
幕府海軍がテーマという事で物珍しさに購入。明治海軍の土台として幕府海軍が大きな役割を果たした事を理解した。日本海防の近代化に大きく寄与した幕府海軍の知名度が低い事は残念である。
ぜひ一度本書を手に取ってほしい。
投稿元:
レビューを見る
修士課程の先輩に当たる著者、前著がおそらく博士論文ベースの学術書で、本書は新書で個人的なエピソードや感想、推測なんかも含まれているので読み物として面白いし、幕府海軍のことはあまり知らなかったので学びも大きかった。
気になった話がいろいろあって。アメリカへ咸臨丸が渡って修理を受けた時、マクドゥーガル中佐が修理箇所の一つ一つを勝に説明して了解を得ており、それに勝が貴官が適切と考えるなら貴官の判断でと言ったときに「指揮官たる者、平素から索の一本、板の一枚に至るまで自分の艦を把握していなければ、嵐に遭ったときなどに艦を守れない。だから私はどんなに小さなことでも貴官に説明し、了解を求めているのだ」と回答したとか。幕府の近世的軍隊の論理で生まれ育ち、咸臨丸の当直割を能力に基づいて変更するよう提案したブルック大尉を拒んだ木村喜毅が渡米後は能力に基づく人事制度が不可欠と気づいたり。第二次幕長戦争では大島口の戦いの幕府軍の作戦行動は日本の近代軍事史上はじめて統合作戦が試みられたが、統合指揮官がおらずちぐはぐな行動で劣勢な長州勢に敗北した。富士山が彦島砲台を攻撃したが、激流のためそれ以上の接近を断念した望月の好判断について、軍事の世界においてファインプレーとは危機を未然に防ぐことでありら、それゆえ成功例であるほど目立たない、それに該当。薩摩海軍の翔凰丸が幕府海軍と戦い浸水した時に破孔に布団を詰めたのが今と同じ。徳川慶喜が大坂城から逃げる時に間違えてアメリカのイロコイに乗ってしまったが、その時副長を勤めていたのがマハン。慶喜の脱出を知った日の日記は判読不能だが翌日には冷静さを取り戻し指揮した小野広胖。日本の近代海軍史上、3隻を一つの戦術単位として有機的に用いて戦闘を試みた初めてが宮古湾海戦。