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ドラクエは、勇者が魔王を倒す王道。
堀井雄二氏、鳥山明氏、すぎやまこういち氏、というチームで作る。
開発は全て外注。
FFは、ドラクエに対するアンチ路線。
スクエア内に開発チームを持つ。
両者のフィクサー的に動いた鳥嶋和彦氏。
ピッコロやベジータがいないと悟空が尖らない、
という思想で、業界や会社を超えて、
日本のRPGの発展に一役買ったんだな、と。
ダイの大冒険でも、マトリフとして登場する人。
スクエニの誕生は、MAの良い例であったことも
理解できる。
企画力はあるが開発は外注してきたエニクス、
開発力や海外の販路をもつスクエア。
ドラクエとFFを競わせることが必要なくなり
発売時期をずらすなどのカニバリをなくすことも
できる。
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・自分はゲームをしない。嫌いな訳ではない。昔は良くやっていたし、今でも無性にやりたくなり桃鉄をやったりもする。(一人で100年とか)
・でも他にも音楽や映画や本や…使いたい時間が山程あり、中でも圧倒的に時間が溶けると感じていたゲームを自分中で「落とした」
・今でも話題のゲームは気になるし、話を聞いているだけでも面白い。来世はゲームに注力した人生を送ろうと、せめて決めている。
・当然この本も面白かった。薄っすら感じていた事を明解に言語かされているし、鳥嶋編集長との対談も興味深かった。
・ただドラクエ、FFとそんなに思い入れは自分には無いので、(興味がない訳ではないです)ブチ上がる、といった感じは無かったです。でも意味はあると思いました。
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ドラゴンクエストとファイナルファンタジー。日本の二大RPGブランドが、どのように生まれどのように発展してきたかを、元スクウェア・エニックスのプロデューサーが綴った本。青春の1ページが色鮮やかに甦る感覚は読んでいて楽しく、数時間であっという間に読み切ってしまったのだが、他のRPGにはほぼ触れることなく「国産RPGクロニクル」を名乗っていいのかはちょっと気になった。
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【本を読んでるのになぜかゲームをやりたくなる】
ドラクエ・FF好きの中年にはたまらない、歩みを描いた本。
友人から「好きそうな本出てますよ」と言われて読んでみた。結果…ほんと、別に何か本から得るものを求めて読むのではなく純粋に読書をさせてくれた(褒めてる)
本筋部分はまぁ、詳しい人、中の人から見たスクエニ史。途中途中、著者の熱量高めのストーリー解説が「ほんと好きなんだなぁ」と思わせてくれてほっこりするwでも、それだけ。
一番の読み応えは最後の鳥嶋さんのロングインタビュー。
ものづくりの哲学みたいのがすごい詰まってる。
ラスト1行の「いやこれ、すごいね俺」から始まるセリフがまさに!で痺れた。かっこいい。
余談
純粋に本を楽しく、ただ素直に文字を追う(自分の思い出に乗せて)ことのできた幸せ時間でした。早くドラクエ新作出ないかなー(私はドラクエ派)
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ドラクエとファイナルファンタジーのナンバー作品それぞれの作った背景、狙いやテーマに軸をここまで丁寧に文章にする言語化力に圧倒されながらあっという間に読みきった。
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ドンピシャ世代なので自分がプレイしていた時の子を思い出しながら興味深く読み進めることができた。ドラクエとFFの違いをここまで明確に文章化してくれているのも面白い
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RPGの定義が白眉です。
様々なプレイスタイルに対応し、誰でもちょうどいい難易度になるよう自動調整の仕組みが備わったゲーム
自分がプレイしたことを恥ずかしさ半分で、思い出しながら読み進めることができました。
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狙ったわけではないが、自分のお気に入りボードゲーム(ではないと思うけどジャンルがわからない)「さんぽ神」を作ったドロッセルマイヤーズの中の人が書いた本だった。
というかこの著者、元はスクエニという普通にゲーム畑の人で、そっちで10年、ボードゲームに移動して10年というデジタル・アナログ派のゲームプロだった。
そんな人による、JRPG二大巨頭であるドラクエ、FFの功績に関する検証本。
自分はそれぞれの3くらいから入ったし、シリーズはほぼすべて遊んできているので功績と言われてもピンと来ないが、まあ、この2つがなかったゲーム業界は想像できないから、改めてそれらがどうすごかったのかを説明してくれて非常におもしろく読めた。
というか、そういう説明の本を見かけてしまったら買う以外ないよね…
ゲーム遊んだんだから何でも知ってるぜ!と思いきや、ゲームの中身以外の話もたっぷり載っている。
例えばFF13が実は「ファブラノヴァクリスタリス」という超巨大プロジェクトの一つであり、アギトXIIIはFF零式に、ヴェルサスXIIIがFF15になったというのは初めて知った。ファブラノヴァクリスタリスという謎単語は聞き覚えがあるといえばあるが… ってか零式は遊んだことないし、FF13はクリアしたはずだけど、13-2とかはもうやったかどうかも定かじゃないな…
シリーズはほぼすべて遊んできていると言ったな。あれを言い直させてもらおう。「ナンバリングシリーズはほぼすべて遊んできている」でした。
・構成
流れとしてはもちろんドラクエとFFの1から入り、DQ11とFF15まで一つずつしっかりと検証していってくれる。
そんなことよりFF15が2016、DQ11が2017というのに鳥肌が立った。あれ、ホラー小説かな?
2023年6月30日発行ということでFF16に関しては触りの説明くらいだけだった。
…しかし、初期の頃は毎年リリースされていたのに、今ではFF15から16まで8年… 時間がかかり過ぎというのはあるが、それよりもかかる金額がもうなんか別次元だよなー。ゲームの値段は大して変わってないし、何かがおかしいような気もする。
・DQ1〜11、FF1〜15
まず、ドラクエ1というゲームを受け入れさせるためにプレイヤーを育てるという、土壌を育てるアクションが非常に面白かった。今ではRPGと書いて読めない人はいないが、ファミコン時代は日本では特にロールプレイングゲームなんて知名度がほぼなかったため、RPG(ロールプレイングゲーム)と毎回書く必要があったレベルとのこと。
ポートピア連続殺人事件が、ドラクエを作るための布石だったことや、その頃の重要開発陣たちがどうやって選ばれてきたかという話が語られ非常に興味深い。
そして、ジャンプで特集をしてRPGの遊び方を一つずつ説明していくことで遊ぶ下地を作り、発売を待つという丁寧極まりないキャンペーンを行ったらしい。「主人公はキミ自身だ!」みたいな。確かにマリオはマリオであってプレイヤー自身ではないから、ゲームの中に自分を投影するという新しい考え方を浸透させる必要があったということかー。
この、伝説の始まりパートがさすがに一番おもしろかったな。
そしてスーファミ時代に入ると一気に増えるRPG。RPGは基本的にシステムは同じで、ストーリーが異なるだけだから、ある意味作りやすい、という説明があったが、そう言われれば確かに。だからRPGツクールというのもあったわけだし(本の中でも言及されていた)。
他にも、今はもう普通だが確かに当時は衝撃的だったスクエニ誕生についてももちろん触れられている。
というか、まさにスクウェアとエニックスの合併タイミングである2002/11にエニックス社員だった著者、当時の生々しいエピソードを語ってくれる。
当時エニックスの社長だった本田圭司さんが前に立ち、こういったのです。
「エニックスは、株式会社スクウェアと合併します」
それを聞いた僕ら社員からは、「ドッ」という笑い声が起きました。
笑ったあとにシーンとなって「え…マジで?」ってなるやつだったんだろうな。いやー、こういう高解像度エピソード、大好物です。
・まさゆきの地図
ドラクエ9の章で、自分もお世話になった「まさゆきの地図」について2ページかけて説明しており、とても良い。ドラクエ9のストーリーは全く覚えていないが、メタルキングを狩りまくった記憶は確かにある。それ以外にも、ヨドバシかどっかにDSを持っていって地図をひたすらにすれ違いしまくった記憶もある。やっぱりあれはかなりの重要な歴史だったよなー。ストーリーは覚えてないけど。
このドラクエ9のストーリーのシンプルさに関しても検証しており、そのためにもDQ9を1から遊びなおしたらしい。偉いなー。
というか、ファルシのルシがコクーンでパージでストーリーがわけわからないFF13と、携帯機でナンバリングを出したDQ9が同じ年に出たって、今思うとすごいな… 合併していなかったらともかく、合併してこれだもんな。それぞれ突き抜けすぎだ。
検証が終わったあとには、ジャンプ元編集長である鳥嶋さんとの対談があり、今でも全然通用する考え方ばかりでタメになる。
「プレイヤーとキャラクターが連動する」という奇跡をちゃんと考えてゲームを作ってほしいな。それがゲームの面白さのそもそもだよね。
・まとめ
ゲームが好きであればドラクエなりFFのどれかは遊んだことがあるだろうし、検証も想像やトンデモなものはなく、面白く読めると思うのでオススメ。
・注釈がいい本は名著
文章下の注釈が地味に面白い。普通の注釈なら二行目は書かれなさそうなものが多い。
例えばMOTHERの紹介は;
1989年発売、糸井重里が企画・シナリオ・プロデュースすべてを手がけたRPG。
ドラクエに感動した糸井が任天堂に企画書を持ち込んだことから開発が始まった。
他にも植松伸夫の説明で実はグラブル声優をしてたとか、ドラクエ初代Pの千田さんが吉田戦車の親類だとか。
伝説のオウガバトルで単にシミュレーションRPGとせず、「民衆の支持度を表す「カオスフレーム」の維持がキモ。都市解放用のクリーンな部隊と汚れ役の部隊を分けるのがコツ。」という濃い説明があったり。
映画のファイナルファンタジーは大コケしはしたが、日本の3DCGクリエイター育成に多大な貢献をしたとか。
FF13で神話をベースにしたストーリーというところでHADESが話題に出て、しかもちゃんと「神々の好感度を上げていく恋愛ゲーム的な側面あり」、という追加説明まで。
マカロニほうれん荘が3DOでゲーム化されたことは知らなかったわ…
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ドラクエとFFがどのようにゲームを作ってきたかを概観することで日本のRPGの流れがかなりわかりやすく見えてくる。
ゲームが新しいメディアであり、購買者の欲望を満足させるために奉仕する存在であるという性質上、日本人のメンタリティを深掘りもできるのではないか