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子供の頃、恐竜が好きだった。古生物学の道に進むことはなかったが、買ってもらった恐竜図鑑を眺めてワクワクしていた気持ちは今も忘れられない。
とはいえその方面から離れて久しく、"昔の図鑑ではこうだったが実は〜"というのもよく聞く話なので、ここ十年程度で新たに発見されたことが手軽に知りたく本書を手に取った。
本書は体系立てて古生物学を知るための本ではなく、あくまで「こういうのって面白いよ!」というお楽しみのための本である。まさしくそういう本を求めていたので気軽に読むことができた。
なんとなく知っていたハルキゲニアの上下逆転や、カンブリア大爆発についても簡単にではあるが記載があり、今の(あくまで今の)スタンダードが知れて良かった。
この手の本はとにかく直近に出版されたことに価値があるため、数年後になればおそらく読まないだろう。刊行からまだ一年も経っていない今こそ読みたい本である。
一点残念なのは、化石や復元モデルの写真がないこと。おそらく著作権の都合と思われる。本文中で紹介される生物はイラストで表現されているが、ところどころ不足があり、文章で想像がつかないものは都度インターネット検索で画像を見ながら読んでいた。そういった手間はあるが、気軽な読み物としては大変よくできていると感じた。