幕末明治人物誌 みんなのレビュー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、昭和期に活躍され、『日本浪曼派批判序説』をはじめ、『ナショナリズム』、『昭和維新試論』、『三島由紀夫論集成』などの著作を残された思想史家、評論家の橋川文三氏の作品です。同書は、幕末維新から日清・日露戦争を経て、明治の終焉へと向かう時代の中で生きた人物たちを描いた作品です。吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛から乃木希典、岡倉天心まで、疾風怒涛の時代を生きた人間の思想と矛盾と葛藤が生き生きと描かれており、読者に歴史における敗者への想像力を感じさせてくれます。出色の歴史人物論集とも言える一冊です。