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フランスの料理界を舞台にした作品。フィクションだがポール・ボキューズやアラン・デュカス等著名なシェフの名があがり、あたかもノンフィクションの雰囲気を醸し出している。ル・ギッド(ミシュラン)編集者とシェフ達との駆引きや裏切り、嫉妬など花形の料理人が抱える闇が怖い。美味しそうな料理の数々が出てるのに、人間関係のドロドロ感が半端なくて残念。
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フランス郊外で祖母の代から評判のレストランを営んでいた両親のもとに育ったポール・ルノワール。彼が三ツ星シェフとなり、やがて猟銃で自殺してしまうまでを描いている。
ポールの回想の章と、三ツ星シェフになったあとの彼の周囲の人々の章とが交互に続く。過酷な労働と厳しい世の中の評価。フランスのレストラン界の裏側を描いているという。読み物なら山あり谷ありで面白いが、こんな事実が本当にある世界なのだとしたら、いろいろ大変な世界だ。
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登場人物のカタカナ名前が覚えられず、ストーリーを追うのに苦労する。なので、外国人作家の小説は基本手にしない。
美食、策謀、嫉妬…そして愛と孤独。フランス美食業界の光と影を描き切った傑作小説という帯のことばに、思わず手にした。
前の方に設けられた、「登場人物」のページを何回も行ったり来たりしながら読み通した❗️
あとがきに、奇数章はポールの独白を一人称で、偶数章はポール死語の出来事が複数の人達の視点による三人称で書かれていた、ってある。あとがきでなく、先がきして欲しかった。時間が行ったり来たりすることも、内容理解に苦しむ原因だった。
いくつかの衝撃的事実はその構成でこそだったけど。
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5年連続でフランスレストランガイドの三つ星を獲得しているシェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフにも選出され、3ヶ月に及ぶネットフリックスの密着取材を受けている最中のことだった。シェフの一人称による奇数章と、三人称による偶数章の構成で、彼の死の真相に迫っていく。
料理人にとっての星が、名誉でもあり苦しみでもある実態がよくわかった。
一流レストランならではの料理の描写は読みどころの一つなんだろうけれど、フランス料理には縁がなくてよくわからなかった。
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フランス料理界って殺伐としている…。人間の三大欲求のひとつ「食欲」と直結する業界だからだろうか。小説内には「性欲」にかんする赤裸々な描写もあり、原初的な欲にまみれた人間模様が描きだされる。
巧みな構成とリアリティ感のおかげで中だるみすることはなかったが、引っかかりを覚える箇所がなかったわけではない。たとえば《芸者の頬のようにテラスが白く染まっていた》という一文。日本人女性を登場させるシーンに「芸者」というワードをチョイスするとは。あまりに安直かつお粗末ではなかろうか。