発達障害の現在と、発達障害の子育てについて言及した1冊です。
2024/04/30 21:18
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神科医の著者が、発達障害は現在の医学でどう考えられているかについて言及した1冊です。タイトルにもある通り、発達障害と愛着障害の混同がメインテーマになっています。
そして終盤では、実際に社会で成功した世界的実業家を多数引き合いに出し、発達障害の子どもはどう育児すればいいのかについて言及しています。そこでは、発達障害の子どもの個性を伸ばす子育ての方法が示されています。
紙幅はかなり厚く、ボリュームある1冊です。
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前半は読みながら、この本で言いたいことはタイトルで既に言っているなぁ…と思いました。なぜタイトルの様に言えるのか、について専門的な言葉がずらりと並べられて少々読みにくかったです。
後半は、非定型発達の3パターンのタイプ「視覚空間型」「視覚言語型」「聴覚言語型」を実在の人物の例を引き合いに出し、タイプによって理解の仕方や能力が発揮しやすい環境が変わるという話があり、それは具体的に書かれており自分だったり周りの人だったり、そうかも!と思える内容で面白かったです。
仕事をする中で、なんで周りに聞かないんだろう、とかなんでこんなやり方するのかなとか他人の仕事の進め方で自分からは理解できないものもありましたが、人ぞれぞれ理解の仕方が異なるのなら仕方ないなぁとなんだか納得できました。
この本の話ではないですが、身体障害者などの「障害」は現代社会の構造のせいで暮らしづらくなっているから、それをもって「障害」と言えるのではないかという意見を読んだ時に当人に視点を向けての「障害」ではなく、社会全体で見るとそうかもしれないと、眼から鱗でした。
ルールがあると、秩序ができてコントロールしやすいのと、ある程度摩擦や衝突が減って暮らしやすいかなとは思いますが、素人判断の行き過ぎたラベル貼り(HSPとかも)は良くないなと思っていました。
発達障害自体の認知度があがったため、単純に診断される人数が増えているだけかと思ったのですが、この本で書いてある様に愛着障害から発達障害に似た様な言動が見られ発達障害と診断されてしまうという話だと、これは社会全体で認識を改めていかないといけないのではと思わされました。
アンデシュハンセンの本で、発達障害の中でも現代に合わないだけで狩猟採集の時代であればその反応・行動力で生き延びてこられたのではないかという考えを見た時一理ある、と思いました。
自閉症スペクトラムが現代では増えているのも現代の社会自体が過去から変わってきて職業や仕事の進め方、求められる能力が変わっているからとそことの因果関係も興味深く、現代社会のルールって別にそんなに核心ついていないのかも、と思えました。
時代を超えて変わらない、人間が周りと世界の環境と共存していくために守るべき倫理観はあるとは思うのですが、人の理解というものは、正解がないように思えてきました…???
○○だから△△、と言い切れるものが全てではないというか。
管理する側からしたら、型にはめて判断する方が楽だと思いますが、それに踊らされないようにしたいけど社会の福祉・保障は管理する側が決めたルールなので感情ではどうにもできない部分もありそうで歯痒い。
そこそこ面白い本だなと読めていましたが、P302からの母乳神話の話でドン引きしました。百歩譲って著者が育児経験があり、授乳する側の女性だとしたらまだ…だったかもしれないですが、男性が何をいっているんだろうと冷めました。
若干、この主張の部分では、著者の意見・主張が前面に出て、ケネディの母親を引き合いにはだしてますが一例?と思うし、他の論文とか研究とか後ろ盾になるものの力が弱い気がしたのも余計気持ち悪かったです。ここが言いたい部分だったのかな、って。
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発達障害を持っている偉大な人物は意外にも多い。
大切なことは、「子どもの主体性を否定しない」「共感的な応答を心がける」こと。
子どもだけでなく、大人に対しても、表面的な行動ではなく、気持ちに目を向けることで、その人が何を伝えたかったのか理解することができるのではないだろうか。
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家庭環境や社会的な環境により後天的に発達障害っぽくなってしまう愛着障害のお話。
同年代からのいじめでもなってしまうとのこと。1番大事なのは家庭がセーフティーネットになっているかどうかと、母親の存在。
でもこれって父子家庭とかどうなるんだろ。離婚家庭や再婚家庭でも起こりうるとのこと。
障害を抱える子どもの成長に母親の存在が大きく関わると述べているが、発達障害は母親の責任とは言っていない。子どもとの関わり方で子どもが変わりうる可能性があると述べている。
オキシトシンはストレス耐性を支え、社会性を作る。
社会的認知に大きく影響する。
才能は偏りから生まれる
障害というより、「こういう型の人間」と考える。どの型も進化の過程で必要だから残ってきた。開発者や俳優や博士にも特性を持った人はたくさんいる。インテリ層にADSが多い。
私は小学校の時に女子同士のいざこざが面倒になって女友達を積極的に作らなくなったし、ママ友も作ってない。孤立するほどコミュ障じゃないけど、人のプライベートを詮索したり言いふらす女が怖いから。そして男友達もいらない。マウントをとってきたり、出世レースに利用されるのがウザいから。そうじゃない人もいるけど、見極めるまでに色々と不愉快な目にあってきた。
そんなこんなで、生育歴で障害っぽい症状が見られるというのはよくわかった。私の人間嫌いは生育歴のせい。
というか、これまで一度も辛い経験をしたことがないという人はいないと思うので、みんななんらかの障害を抱えているのでは?
いろんな本を読んでいくにつれて、障害という概念は、画一的な現代社会が作り出したものなんじゃないかと思えてきた。
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愛着障害と発達障害。見た目は同じ。
対処について大事な根幹は同じで、子どもに関心をもって応答すること。何が根っこでその子はその状態になっているのか見極めること。遺伝的要因だけでなく、環境要因も合わせてみていくことが大事。
様々なタイプ別に整理されていてわかりやすい。
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愛着障害なのに発達障害と診断されるケースが多いとのこと。また、世界的にADHDは増加傾向にある。
正岡子規、ザッカーバーグ、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、イーロン・マスクなど幼少期は何らかの発達障害を持っていた。遺伝的な要素、養育環境的要素など複雑に絡む。愛着障害は、母親との関係や幸せホルモンであるオキシトシンとも関係している。特徴を理解すれば、障害ではなく、性格として上手に付き合っていける気がした。
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発達障害と一言で言っても同じような症状が生じる背景には愛着障害、遺伝、環境とさまざまな要素が絡み合っている。一昔前まで信じられていた遺伝を原因にすると「本人のせい」、以上終わりになってしまう。
もっと養育者や周りの接し方によっても改善される部分があるし、むしろその特性を活かす方法もあるということが、この本の肝となっている。
長かったが、著名人の例なども交えて興味深く読了できた。
行動より、心に目を向ける
結果よりプロセスに目を注ぐ
子供の安全基地になる
これらのことを忘れずに子育てしていきたい。
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我が子が家庭でも学校でも対人トラブルを起こしたり奇行が目立ってきたりしてきたこと、「愛着障害」について知る機会があったので詳しく知りたいと思ったことから、この本を読むことにしました。
軽率に判断を下すわけにはいきませんが、実際に目にしている子どもの様子はまさに「愛着障害」そのものであり、親である私たち夫婦の養育態度や環境に反省すべき点があるように思いました。子どもに対する関わりを客観的に見直し、安全基地の構築からやり直したいと思います。