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池谷裕二先生の脳に関する講義三部作の集大成。哲学を可視化すると科学になり、科学を昇華すると哲学になる。
高校生向けの授業形式のため内容は分かり易く、また、参加している高校生のレベルが高いため質疑応答がさらに高みの議論へと発展する。知的好奇心は大いに刺激され、SFが具現化しつつある未来にワクワク感が止まらない。
人工知能と脳との対比による仕組みや役割の理解、ディープラーニングを考察した結果のアノテーションの重要性、そして地球はエントロピー増大という第2法則に従って我々"動"物が存在という仮説。「わかった!」は永遠に訪れず、そして本書を読むと訪れない方がよさそうだが、「進化しすぎた脳」から15年足らずでここまで脳科学が進化していることに驚嘆。非常におすすめ。