過去へのバイアス
2019/07/25 09:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yo - この投稿者のレビュー一覧を見る
人が誰かに自分の過去を語るとき、その回想には、自分が「相手からどういう人間だと思われたいか」というバイアスがかかっている。本当に客観的な過去なんてなくて、回想を聞く/読む相手との間にこれからどういう関係を築きたいか、そういう未来が過去をつくっているのかな、などと思った。
投稿元:
レビューを見る
晩年に新聞連載していたエッセイ。
こんな風に、静かにゆるやかにひとと繋がっていられたら、と思います。
投稿元:
レビューを見る
本の内容を克明に憶えている場合とそうでない場合があります。この本は後者です。そういう作品に限って、ある特定のシーンが強烈に脳裏に浮かんだりするから不思議です。僕が繰り返し思い返すのは、漱石の「そんなら死なずに生きていらっしゃい」という言葉。だいぶ、この台詞に励まされてます。
投稿元:
レビューを見る
初めて(学校以外で)読んだ夏目本。作品はあまりよんでないけど
これを読んだ事で、すっかり夏目漱石大好きになりました。
投稿元:
レビューを見る
「そんなら死なずに生きていらっしゃい」なんて、漱石のことば。沢山の人に触れて欲しいなあ、と思います。
投稿元:
レビューを見る
高校時代の教科書。
新聞にコラムとして載せていたものをまとめたものらしい。(授業の記憶)
晩年の漱石の穏やかな時間の流れを感じさせてくれる。
当時の人たちはどんな想いで読んでいたのかな?
投稿元:
レビューを見る
意外に知られていない漱石のエッセイのようなもの。
私の尊敬する人が、好きな言葉として上げていた。
『どういう風に生きて行くかという狭い区域のなかでばかり、私は人類の一人として他の人類の一人に向かわなければならないと思う。すでに生の中で活動する自分を認め、又その生の中に呼吸する他人を認める以上は、互の根本義は如何に苦しくても如何に醜くてもこの生の中に置かれたものと解釈するのが当たり前であるから』
投稿元:
レビューを見る
夏目漱石の晩年の作品で
風景描写がとても美しい。
言葉の1つ1つにとても
重みがあり、自然と背筋がのびるんです。
投稿元:
レビューを見る
漱石のエッセイ。エッセイは嫌い、でも「雲」を読むまでのツナギとして安いし、薄いし、と読み始めると、これが意外に面白かった。まあ私が漱石という人間に興味があるから面白かったんだろうけど。三代目にゃんこの話や、夏目家のわんこヘクトーの話、「そんなら死なずに生きていらっしゃい」の名文句などなど。最後の穏やかな夏目家の一ページなんか和みました。
投稿元:
レビューを見る
硝子戸の中から外を見渡しても、霜除けをした芭蕉だの、直立した電信柱だののほか、これといって数えたてるほどのものはほとんど視野に入ってこない――。
投稿元:
レビューを見る
エッセイなので読みやすい。
日常生活や昔の出来事が淡々と綴られているのだけど、どこか淋しげな感じがしていい。
投稿元:
レビューを見る
自己を語ることに寡黙であった漱石が「自分以外にあまり関係のない詰らぬ」事を書くとことわって書いた連作エッセイ。
投稿元:
レビューを見る
自らのことをあまり語らない夏目漱石の貴重なエッセイです。自宅療養中に硝子戸から眺める雑然とした情景描写が繊細でとても素敵です。ほっと心温まる場面があったり、死についての深いメッセージが込められていたり、夏目漱石の日常を垣間見るのはとても興味深いことです。「そんなら死なずに生きていらっしゃい」という言葉が印象的。
投稿元:
レビューを見る
晩年の漱石が身辺を綴ったエッセー。「時の流れ」というのが全体を通したテーマとなっているかと思う。全体を覆う懐古的な雰囲気の中に、様々な人間観が散見される。
とりわけ私が好きなのは第「八」回である。《「死は生よりも尊い」》と考えながらも、結局「生」の上にしか何事をもなせないでいる、というその姿には酷く惹かれるものがあった。
他にも善意でやっている講演に礼金を出すのは失礼じゃないかとか、子どもの時分に友達から買ったものをやっぱり返せと言われて返金を断って品物だけ返すなど、どこか自分に近しい意見が多くあり、久しぶりに非常に楽しい読書であった。
投稿元:
レビューを見る
硝子戸の中から見た、風景と思い出と、それを見ている自分に関する随想。
専門家でもないのに、こんなことを書いて恐縮ですが、
この方は、きっと死ぬまでこんなことを考え続けてらしたのではないかな、という気がします。
それだけ、作者さまから直接出てきた声だと感じられる文章たちです。