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ストーリー、キャラクター、スケール、どれをとっても最高だった。
科学の発展を物語る場面は、難しい用語が多きて読むのしんどかったところもあったけど、その後のストーリーで全てが腑に落ちる、今風に言うと回収ってやつ?
歴史に残る超大作、読み終わるのにかなりの時間を要したけど、読んで後悔なし。
当面余韻が消えないだろう。
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三体三部作の完結編。
文化大革命から始まった話がまさか宇宙の終焉まで描く壮大な年代記にまで広がるとは・・・
一作目の「三体」が売れるのはまぁ判るが、三作目の「死神永生」はゴリゴリのSF、しかもどちらかというと奇想系・トンデモ系といって良い内容。ロートルには絶対一般受けする訳ないと感じてしまううが、これが書店で平積みされてベストセラーになっているのだから不思議な話。時代は変わったのだなぁ。
三部作の中では本作が一番面白かったというか好みであった。細かい部分でご都合主義だと感じたりアレっと違和感を感じるところもあったけど、とりあえずその発想がとんでもない。バリントン・J・ベイリーの「時間衝突」のアイデアにも驚いたけど、本作はそれを遙かに超える衝撃。島田荘司の奇想ミステリに近い感じだろうか。
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世の中のSF者と流行り物好きな人はもうみんな読了していると思いますので、あらすじ紹介はレビューに必要な最小限程度にヽ( ´ー`)ノ
しかし・・・なんつー終わり方しとんじゃ!というのが第一印象です、いやもぅ本当にヽ( ´ー`)ノ
【以下、激しくネタバレします、要注意!】
地球人類と「三体」文明との存亡を賭けた闘いは、前作「黒暗森林」のラストで、一応の休戦状態に入っています。ただ、この休戦状態は冷戦時の米ソと同じような状態で、どちらかが先に文明の位置座標を示すボタンを押せば相手側が滅亡する、と知りながらボタンの上に指を乗せている状態。このボタンを押す権利を持つ者「執剣者<ソードホルダー>」となった前作の主人公・羅輯は、守るべき家族を失い、世捨て人のように執剣者の役割に専念していたが、高齢ゆえに後任が選択される。後任に選ばれたのは、美しく純粋な心を持った物理学者の程心。引き継ぎを受けた直後に三体世界からの襲撃の報を受けた程心は、ボタンを押す勇気を振るうことができず、三体文明の座標軸を宇宙全体に送信できる装置を破壊されてしまう。しかし、前回の戦いで深宇宙に飛び立っていた人類の星間宇宙船が、辛くも三体文明の座標軸を宇宙全体に送信することに成功。休戦状態の均衡は、これをもって崩されることになった。
・・・そして、途中を思い切り端折って結末を述べますと、人類文明も三体文明も、他の文明の攻撃を受けて滅亡。
生き残った程心は、この宇宙は物理法則を変えることにより文明同士が争い続け、他の文明が滅亡する様をも目にし、最終的にこの宇宙全体がビッグリップかビッグクランチによる死に至る他ないことを知る。ビッグリップによって次の世代の宇宙を作り出すため、程心は共に生き残った関一帆と共に、三体世界が残した「智子」の導きで、宇宙全体の質量がビッグクランチではなくビッグリップに収まるよう調整をしながら、次の世代の宇宙での再生に向けた長い長い旅に出る・・・。
「タウ・ゼロ」かーーーっ!!(爆)
結局、タイトルはずっと「三体」でしたけど、最後は三体も地球文明も何も関係なくなっちゃうんですね。脳味噌ひとつだけで頑張った雲天明は結局どうなったのかよくわからないし、彼が出した謎かけであるおとぎ話の解釈も恣意的に過ぎるし、下巻で披露される「物理法則を変えることにより低次元化して攻撃する」というのも、理屈ではわからんことはないけど、なんともぶっ飛びすぎてもうついていけないというか、なんというか・・・
と、激しく混乱しながら大森望氏の巻末解説を読んで、鴨はストンと「腹落ち」しました。
そうか、この作品、ワイドスクリーン・バロックなんだ。
理解とか理屈なんか、どうでも良いんだ。だって、確かに面白かったもの。
第2部までは曲がりなりにも戦争SFの体裁を借りてはいますが、要はそういうことなんですね。
作品の本質を見誤ると訳わからなくなりますが、要するに楽しければ良いのです!だって、SFだもん!
・・・ま、鴨はできればロジカルに理解したかったですけどねヽ( ´ー`)ノ
というわけで、SF史上でも最高レベルではないかと思われる大風呂敷の広げっぷりで、この一大長編は幕を閉じます。
最後まで読むには、かなりの忍耐力と遊び心が必要な作品だと思います。が、現代SF最前線の作家が、全力でワイドスクリーン・バロックを描くとこうなるのね、という素晴らしい見本でもあります。これから第一部から読み始める人は、覚悟して手に取ってください!
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よく「宇宙のことを考えると、自分のちっぽけな悩みとか馬鹿らしくなる。」みたいなことを言うけど、この本がまさにそれだと思う。自分には本当に何もないとわかる。全部くだらない。
終盤を読んでると、過去の三体人との戦いすらも小さな話だったように思えてきて、頭がバグる感覚が楽しめる。
単行本以来、約2年半ぶりの再読だった。小説の再読ってしたことなかったけど、三体はこれまでで一番おもしろかった本なので、モノにしたくて再読した。何かの本にこういうこと書いてあったけど何の本だったっけな〜、ってのが日常的によくあるんだけど、「これ書いてあったの三体だったか〜」ってのがたくさんあった。三体には潜在的に頭に残っていたものが多い。
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本巻をもって壮大な『三体』の物語は完結を迎える。上下巻合わせて1,200ページという圧倒的なボリュームに尻込みする人も多いであろうが、そのような心配は杞憂であると断言しよう。とにかく「圧倒的に面白い」からである。
本作の著者劉慈欣は、訳者大森望によるインタビューの中で、SFは「広く大きなものを書くべきだと思っている」と述べているが、本シリーズの結末に至るまでの展開は、その矜持を見事に体現している。また、著者はかつて『三体 III 死神永生』はSFファン向けに書いたものだから一般受けはしないだろうと考えていたとも述べているように、まさにハードSFと言える描写が満載で、描かれる絶望感も凄まじいが、そうした点も心配する必要はない。なぜなら、最後までとても「楽しく」読めるからだ。
これだけの分量を退屈することなく読み進められる要因については枚挙に遑がないが、あえて1つ挙げるとすれば、著者の文学的センスということになるだろう。あらゆる情景を詩的に美しく表現する筆致に加え、物語への緩急のつけ方が抜群に上手いのである。さらに、SFファンであれば誰もが思い浮かべるSF的オマージュがこれでもかと登場し、まさに「センスオブワンダーの洪水」とでも言うべき畳み掛けるようなSF描写は圧倒的だ。しかも、読み手はそれを「節操が無い」と感じることなく受け入れることができ、むしろ清々しいとさえ感じられる。この絶妙なバランスはこの著者だからこそ実現しえたものであろう。
個人的には、本作をほとんど違和感を感じることなく通読できたのには、著者が東アジア人であったということが大きいのではないかと感じている。具体的に自覚し得ないのだが、遺伝子レベルで共感するところが多かったのだろう。加えて、日本語版の素晴らしい翻訳がこの素晴らしい読書体験を後押しした。訳者の方々をはじめ、この日本語版出版に携わった方々の素晴らしい仕事に感謝したい。間違いなく、今後長く読み継がれるであろう傑作である。
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読み始めた当初は、異星人侵略モノかあ、という思いだったが、この巻で、これはそれどころではなく、宇宙にとっての生命とは?という哲学的というか、ファンタジーというか、かなりスケールの違う話になった。三体人は結局、どうなったのか。
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物語が壮大すぎて部分的にしか読み取れなかった。
それでも読み応えは半端ではなくかなりゆっくり読んだが雲天明のものがたりでの伏線回収は読んでて気持ちよかったし、最後の掩体期の宇宙都市の説明は理解しようと頑張って想像しているうちに地球ではない舞台を考えるのが楽しかった。特に円筒の都市はどんな感じなんだ?空に人口の太陽が見えて雲が晴れると街が見える。や車輪の都市?がとても印象に残ってる。
物語で重要になっている程心の選択の一つ一つは実は雲天明からもらった愛を何とか人類に返したいそんな気持ちがあったのではないか。と読んでて思った。
特に何の感情も抱いていない人から急にプレゼントをもらい戸惑いさらに死よりも辛い選択を取らしてしまったことへの罪悪感、度々心が死んでいると描かれているように雲天明からもらった愛を必死に誰かに渡すことで罪悪感を消そうともがき苦しんでいたそんなように読了後読めてますます程心が好きになりました。
外伝があるとあったがしばらくは手を出さないようにしようと思う。
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三部作それぞれがジャンルの異なる物語になっている事が、新鮮で且つ壮大な作品に仕立てあげていると思います。
宇宙で起こる様々な事象、現象のアイデアには只々驚きました。
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「死神永生」英訳ではDeath's End。生命の終わりは死。では死の終わりとは?
謎かけのようなタイトルは、最後まで読んでみてやっと解き明かされる。終わりがないものには終わりはない、そして時間もない、だから永遠なのだと。
主人公は最後まで(いや終わりがない世界か)生き残るが、愛(ヒューマニズム)が強すぎることで、結果として人類にとっては死神のような選択をすることになる。タイトルはこんな意味も隠されているのかなと考えたりした。
<リング>も死の終わりを表現していて、物理法則が無慈悲で強力な武器になるなんて、よく分からない世界。ブルーバックスで勉強してみようかな。
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最終章の上巻で三体世界の消滅を見た地球人類は暗黒森林理論に恐れ、どうにか生き延びる手立てを探していた。
そんな中、主人公の程心は奇跡的に自分に星を送った雲天明と思いがけない形で再開する。
しかしその会合は三体世界に監視されながら行う極度の緊張を伴うものだった。
その会合の中で雲天明はある御伽噺をする。
それであれば三体世界に警戒されないと目論んで。
その御伽噺に何か秘密があるに違いないと人類は心血を注いで、彼が残したメッセージの意味を解き明かそうとする。しかし何も見いだせないと人類が諦めかけた時、程心はふとヒントに気付く。
というところから始まるが、最終章も全く違うテイストで非常に面白かった。
人類に差し出された選択肢や見えない敵が使う攻撃手段を始め、物理学をベースにしているものの良くこんなことを思いついたなと只々驚く。
最後の最後はちょっと悲しかったが、これもまた予想できなかったラストだった。
著者は稀代の天才だなと思った。
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バチくそ面白かったに尽きる。二部までも十分過ぎるほど楽しめたが、三部も期待値を大きく上回り作者には感謝しかない。
地球と三体文明という尺度から一気に全宇宙にスケールが広がり、時間というか次元すら跳躍してしまい、本当にワクワクが止まらなかった。
人類はいつの時代も傲慢ある悲しい性がある一方で、個人や家族単位では主人公のように心温まる愛を持っていたり、SF大作でありながら共感できるストーリーでもう大大満足。三部の最後の方は急展開すぎて、四部作にしてもよかったのでは?というくらい、もっと読みたかった。
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待ちに待った三体完結編は、上下巻合わせて1200ページの大ボリューム。
前作で羅輯(ラオジー)の活躍で三体艦隊とはある程度の折り合いついちゃったんじゃないの?
もうこんなに鮮やかにまとまっちゃったんだから、これの続きあるとしたら銀河系を脱出しようとした艦隊が寝返るみたいな展開しかなくない?
なんて安易に考えながら迎えた本作。
とてもじゃないけど、私の貧困な想像力が予想できるようなものではなかった。
空間も、時間も、スケールが違った。
本作は前作よりも数十年後、三体に地球を侵略させないための抑止力をもったある程度平和な時代で活躍していた女性科学者の程心(チェン・シン)が主人公。
彼女にほのかに恋心を寄せていた雲天明という末期の病を抱えた男性。彼がひょんなことから大金を得、その使い道として宇宙の彼方にある星(キャンペーンで売ってた)を買って程心にプレゼントをし、そして自らは安楽死を選び人生を安らかに終えようとする・・・というところから物語が始まる。
ここまでが、ジェットコースターの最初の登坂。ここから先、このコースターが坂を下りだしたらもう止まらない。
上巻からして感想として語るには多すぎるくらいのエピソード群。多くは語らないけど、まあ三体また悪くなっちゃうわそうかと思ったらなんか愛おしくなっちゃうわ、そしてそのスピードの勢い余って違う次元にまで突っ込んじゃうわ。
うわうわうわうわって思っていたら、宇宙の彼方で脳みそだけだと思っていた人と邂逅するわ。
なんのことかわからないでしょう。読んで欲しい。
そしてこのスピードのままどこまでいくのかと思いながら下巻を手に取れば、まさかのおとぎ話からスタート。
若干拍子抜けの気分になったと思えば、実はこれがまたジェットコースターの登坂。
ここから猛スピードに下る。下る下る。下巻のスピードはすさまじい。
アーサーC・クラーク、フレデリック・ブラウンのスケールから「ディアスポラ」のイーガンのスケールを大きく超えた広大長大なスケールで物語が展開する。
アニメ「グレンラガン」のクライマックスで銀河を掴んで投げるシーンがあったけど、あの荒唐無稽さにすべて理屈をくっつけた感じ。
とにかくスケールがでかい。
ただ、このスケールをの大きさを描くにあたって、きちんとそれを実現するための理論が記述されており、その部分は意外とハードに仕上がっている。
前二作もハードSFの部類に入ると思うのだけれども、それでもまだ一般的に受け入れられるレベルだった。
しかし今回はちゃんとハードSFしてしまっているので、読む人は選ぶかも知れない(後書きにも、それを意図して書いたとの記述)。
しかしそれでも、よくわからない部分はすっ飛ばしてしまってでも、SFに馴染みのない人にも読んで欲しいと私は思う。
多くの人が、映像が一番情報量が多いと思うでしょう。
「惑星が爆発する」というシーンを描くとき、多分多くの人は頭の中で「ドーン」という爆発イメージを思い描くと思う。
それを踏まえた上で、本作での惑星が爆発するシーンを読んで欲しい。
一つの惑星が爆発し、死の星になるまでを描いた凄まじい臨場感。それをテキストで実現するこの筆力。
ある物体が、まさに別の次元に取り込まれる息をのむ瞬間。読者の息をも止めさせるこの筆力。
文章が持つ無限の力のようなものを垣間見させてくれる。
想像力と筆力が組み合わさったときの力というものを嫌というほど味わわされる。
私の筆力が足りないので、私の感動をすべて伝えることができない。
なので是非、読んで欲しい。
一作目から本作まで合わせて2766ページ。
この時間は本読みにとっては決して無駄にならない。
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三体世界とのバチバチの戦争描いた前作・暗黒森林の終わりが完璧だったので、一体本作では何を描くのだろうと思って読み始めた本作でしたが、三体世界との戦争を描くどころか、"宇宙"を描ききったともいえるほどの壮大な展開に圧巻です。。主人公・程心と一緒に冬眠技術を使ってあらゆる未来にタイムスリップしていく本作ですが、各未来で描かれる世界観の描写がどれも素晴らしかった(いずれ自分の脳内想像とNetflixの映像とで答え合わせをしたい)。前作の水滴による虐殺の衝撃は凄かったですが、今作の2次元化虐殺もすごかったな。。
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…凄い作品、としか言えないですね。参りました。
ネットフリックスがこの作品をどのように映像化したのかとても気になりますね。
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とうとう、このSF大長編を読了。しかし、三次元を二次元にって…。とことんまで広げられた大風呂敷を、いよいよ畳まなければならないとなったとき、納得の得られる結末って相当に高いハードル。それに十分に応えるエンディングと思える。でも、難解なあれやこれやが提示されては消える、三部作完結編の本作より、第二部の方が個人的には楽しめた次第。やっぱハードSFは、自分にはあまり向かんということも、改めて分かった。