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東京 も、半年かかって読了しました。
鈍器本で、重くて外出先には持ち運べませんが、色んな人居てるな〜とか、胸が痛んだりいろいろかんがえます。
小説をあまり読まなくなった自分には、読んで良かった社会学の本です。
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本を買ったことで安心したのと読んでしまうのが勿体ないのとで、未だに半分も読めていない『東京‥』の反省を踏まえ、『大阪』は、返却期限のある図書館で借りる事にしたのが功を奏してなんとか最後まで完走。
いやはや、想像以上に凄い熱量と分量だった。
驚くような告白も、微笑ましく何気ない日常も、話し手と聞き手のちょっとした会話から伝わってくる“大阪”に救われたりズッコケたりしながら、ここにはいないその他大勢の人たちまで目に浮かび、動揺したり安堵したり。それぞれの人にそれぞれの事情があっていろんな人生があって‥いやぁ‥なんというか壮絶な体験やら、信じられないような出会いやめぐり合わせやら‥。喜怒哀楽だけでは分類できない心の中のいろんな感情が揺さぶられた。
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話し手・聞き手が、もしかしたら大阪のどこかですれ違っていることを考えるとぞくりとする。
もっと近くの客かもしれない、隣人かもしれない、友かもしれない。
なんて濃ゆい本なのか。
韓国のチョン・セランの小説「フィフティ・ピープル」のように、無意識のうち人間は交差し、複雑な織り目を作っていくのだろうな。
人間の関係て相関図に表しきれないもだとハタと気がつく。フィフティ・ピープルの本を読みながら相関図を作ってみて思った。線だらけになって何を書いているのかわからなくなった。
聞き取りという作業は、布のようにびっちり絡まった織り目の糸の一本を、丁寧に掬い上げることにも思える。
その人(一本の糸)を見ていく本。
『あとがき/岸政彦(抜粋)』
東京でも沖縄でも、いつも書くことなのだが、この『大阪の生活史』でも、やはり同じことを書きたい。
この本に、私が付け加えることは、何もない。
とにかくもう、読んでください、としか言いようがない。一五〇人の生活史はどれも、ほんとうに、しみじみと、ただおもしろい。ここにはあらゆる喜びがあり、あらゆる悲しみがあり、あらゆる希望とあらゆる絶望がある。ここには大阪という街がある