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「湿地の恋」「オーバーラップ ナイフ、ナイフ」が特に良かった。表紙の印象で身構えたけど、新感覚な感じでサクサク読めた。(韓国版の表紙の方が好みかな)作者さんの他の本も読んでみたい!
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韓国の新鋭作家、チョ・イェウンのデビュー作で本邦初訳作品。
ホラーというより、ホラー的な要素が含まれる四つの短編。
幻想味の強い「インビテーション」。ホラー的な怖さは一番かも。
幽霊からの視点「湿地の愛」。友情もの。
表題作でゾンビもの「カクテル、ラブ、ゾンビ」。コメディ要素マシマシ。父、腐る。
デビュー短編かつドラマ化されている「オーバーラップナイフ、ナイフ」。SF。
特に最後の「オーバーラップナイフ、ナイフ」は本当に傑作。この短さに、あるジャンルの全てが入っている。
他の作品も読みやすく、ホラーといって嫌厭せず読んでもらいたい作品集。
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初めての韓国文学の短編集に手を取りまして、非常に新鮮な気持ちになり掲載されているどの作品も見事でしたね。
ラストの「オーバーラップナイフ、ナイフ」は、凄くインパクトを感じる素敵な作品でした。
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韓国映画はいっぱい見るけど小説は初めて。
本のカバーとか帯から、血みどろでテンション高めなのイメージしてたけど、静謐でじわじわと迫るような感覚の物語なのが意外。
4つの短編集、ページも少ないのであっという間なのは嬉しい。
でも短い割に濃厚かといえばそんなことなくて、なんか物足りなかった。
ストーリーの進行が予想の範囲内というか、今までに見たことあるようなやつばっかり。
そういう意外性を求めるようなものじゃなかったのなら読んだのが間違ってたのかな。
4つめの話で1番既視感が強くて、終わったときにこれだけ?って思っちゃった。
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『韓国の新鋭No.1ホラー作家が誘う、没入感120%短編集』という帯のとおり、チョ•イェウンさんの物語世界に惹き込まれた一冊でした!
とくに好きなのが1本目の『インビテーション』。
招待や勧誘を意味するInvitationの通りでした。イェウンさんの描くありのままの自分を見出した人間のもとへ、読む人を誘うホラー作品でした。
その自分を剥き出しにした人間の愛に対する生々しさに衝撃を受け、そして彼女のストーリーのラストには清々しさを感じ魅力的でした!
その後に続く物語もありふれた人間の愛憎劇を鮮烈かつ過激に描き、読んでいると作者の人が紡ぐ物語に愛をもっていることが伝わってきます。
恋人や家族、社会のなかで人々が抱える愛憎劇が短い話のなかで力強く描かれた短編集でした!
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幻想的な暗闇に吸い込まれちゃう! エモさとセンス抜群の韓国ベストセラーホラー #カクテルラブゾンビ
■きっと読みたくなるレビュー
幻想的で芸術性の高いホラーですね。読んでると深い深い異空間に吸い込まれていきそうです。韓国のホラーでバラエティー富んだ短編四作。切り口もテイストも全部違うので、思いっきり楽しめる一冊です。
どの作品からも物語を紡ぐ愛情を感じるんすよね~。文芸が好きで、人間が好きで、生み出すは苦しいけれどそれでも読者も楽しんで欲しいって気持ちが伝わる。ホラーではありますが、純文のように一文一文噛み締めたくなる作品たちでした。
●インビテーション
幼い頃から喉に何か詰まっている違和感があるチェウォン、彼氏のジョンヒョンとは折り合いが悪くいつも不満を抱いていた。ある日彼氏の携帯から浮気と疑われるメールを見てしまい…
子どもの頃に大人からされる無理強いって、マジでトラウマなんですよ。私も生まれて初めて母に目薬を点眼されたとき、恐怖で慄いていた記憶があります(そのせいで未だにコンタクトレンズが入れられない)。
本作は幼い頃の記憶をきっかけにして、徐々に禍々しい闇の世界へ引きずりこまれていく。我々もいつか経験したことがあるような痴話ゲンカだったはずなのに、こんなことになってしまうなんて… 人間が圧倒的に冷たく描かれんすよ、まったく血が通いが感じられないだよね。こわっ
終盤の強烈なシーンが頭から離れないよ、ぜひ映像で見たいみたいです。
●湿地の愛
川の地縛霊の物語。退屈な日々を過ごしていた川の幽霊ムルは、林の中を歩く幽霊スプに出会う。二人は少しずつ交流を深めていくが、人間がその場所を立ち入るようになってしまい…
こんなにも美しく素朴な幽霊の世界を体験したことがない。なんかキレイ… そして幽霊と幽霊の静かな寄り添いが、じわっと心を温めてくれますね。人間って死んじゃっても、大切な人が近くにいたら幸せなのかしら。少なくとも生きているうちは、幸せであり続けたいな。
●カクテル、ラブ、ゾンビ 【超おススメ】
おもろい、イチ推し! 父、母、娘、家族の物語です。詳しいあらすじは一切言いたくない、ぜひ読んでください。
コミカルでクールでラブリー、最高のホラー! 全編とおして何じゃコレってお話なんですが、心に沁みるこのエモさは何なの? 作家先生のセンスの塊を丸ごと体験できます。
家族の距離感が素晴らしいのよ。仕事ばかりで家庭に甘える父とそれを許せない母、鬱屈な環境に苦しむ娘。腹に溜まった衝動が今にも爆発しちゃいそうで見てらんない、でもどうなるか期待しちゃう。強烈なエネルギーを感じる大好きな作品です!
●オーバーラップナイフ、ナイフ
父が母を殺害する、そして私は父を殺害する。そして私は…、この状況は変えられなかったのか…
ある女子大生がストーカー被害にあっていた。しかし友人に相談しても神経質なだけど言われてしまう。アルバイトの帰り道、ストーキングされていたところを男性の助けてもらい…
まさにトワイライト���ーン、解像度の高い異世界の旅に誘ってくれます。なかなか無茶な展開が繰り広げられるんですが、挑戦的でいいじゃないですか。序盤はおどろおどろしさの粘り気が強いし、後半はどんどんテンポアップして読まされてしまう。
とある謎の真相も、この物語の結末も、それらしくていいんすよ。こわっ
■私とこの物語の対話 ---『カクテル、ラブ、ゾンビ』
全世界が緊急事態だったコロナ禍を思い出す。
手に入らないマスク、ワクチン接種の差別問題、イベントの禁止など、今ではもう忘れがちになってますが、様々な問題がありました。こういう時に一番しわ寄せを受けるのは誰だったでしょうか。政府や行政はどれほど頼りになったのか。
どんなに虐げられた環境、辛い状況であっても、一番重要なのは大切な人を守るという気持ちですよね。今日も息子の幸せそうな寝顔を見て、安心したのでした。