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なぜか華僑、海外に暮らす中国人コミュニティーに対して強い興味がある。
先日初めて中国本土にも旅行したけれど、中国人の仲間意識、熱い助け合いを数日間でも感じ取れた…。とっても面白くて不思議。
日本でも、中国物産店や、中国語しか通じないようなガチ中華のお店に行った時、知らない世界がここにある!ここは中国だ!!と確かに思ったな。SNSともなればもっとすごい世界が繰り広げられてるんだろな。中国だけじゃなく、在日ブラジル人コミュニティー、フィリピン人コミュニティー… 彼らの結び付きや情報ネットワークはすごいものがありそう。確かに日本語が必要ない人はたくさんいて、でもそれじゃあ いったいいつ暮らしている国に愛着が持てるのだろう…暮らしている実感が湧くのだろう…と思ったりする。
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#読みたい本
日本に住み着いた中国人は、観光で来るのとは違う考えで来ているはず。彼らが何を考え、どのように暮らし、そして日本についてどう思っているのか、という興味が昔からある。そのことを教えてくれる内容、これは読みたい
#日本のなかの中国
#中島恵
24/9/10出版
https://amzn.to/3zcxt4Z
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プロローグ 日本にいるのに、日本語が下手になる私
第1章 日本人が知らない、中国人SNSの世界
第2章 中国人だけで回す経済ネットワーク
第3章 持ち込まれた中国的論理
第4章 日本に来たい中国人 中国に帰りたい中国人
第5章 多層化していく社会
エピローグ 日本で暮らし働いた黄さんのささやかな夢
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23年12月末時点で約82万2千人の在日中国人が入国しているそうだ。
最多は東京で全体の3分の1を占める。続いて埼玉、神奈川、大阪、千葉の順で東京近郊に約半分以上が集中している。
経済的な事情から来日することが多かった世代から母国での独裁国家の閉塞感から自由を求めて来日する最近の世代と来日が加速しているようだ。
それが一過性なのか一時的なものか家族帯同か、日本語を学び日本社会に溶け込んでいくか(かつては多かった層だが)考え方や個人の事情で様々だが、最近中国人だけで完結するSNSを駆使した生活レベルのネットワークが顕著になっているそうだ。
今後来日する中国人が増加するにつれ後者の社会が増大していくだろうが、経済的格差や学歴、母国との関係性(地域間の違いもある)等複雑化していくだろう。
それが経済、文化等多面的にどのような影響を生じるか注視していかなければならない。
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先月ブクログで「読んで世界が広がる本」が募られていたが、本書はまさにそれにあたると思う。
難しいことを言っているわけではない。ただ知らない世界が過ぎて、脳が追いつかなかった。
脳が追いつかなかったのは他にも、普段自分が抱いている中国への印象が関係している。
在日の方と関わることがないため、街中で見かける観光客や中国に関するニュースしか情報源がない。それもマナー問題や反日感情と、穏やかではない話が多くを占める。中国人経営の企業が日本で増えているという本書のくだりでも、「富士山が見えないから」と、中国資本のホテルが無断でヒノキを伐採したニュースを思い出した。
しかしセンシティブな話題にこそ、真に知るべき内容が秘められている。変わらず脳は足踏みを繰り返していたが、相互理解への第一歩だと思って読み進めることにした。
著者の知り合いやその伝手を伝って、在日中国人の暮らしぶりをインタビューしたルポ。今年まで取材されていたので、わりと最近の情報が伺える。
コロナ禍付近や90年代以前に来日した方とバラツキはあるものの、彼らに共通しているのはやはり行動力である。良いスタートを切れるように何をすべきかを徹底的に調べ、それをすぐに実行している。
また会話を見ていて思ったのは、言葉の一つ一つに覇気があり、「自分は〇〇ができる」「これくらいの期間で〇〇ができるようになった」と物凄く自信が伝わってくること。話も単刀直入な分、とても分かりやすい。基本的に勉強熱心でもある。
確かにこれらの強みを持ち合わせていれば、ビジネスシーンとかで有利に働きそう。
「かつての中国人は、日本に来たら、日本社会に溶け込むよう努力したものだったが、今はそうではない。日本に来たら、まず日本の『中国人社会』に溶け込むのだ」(P 141)
足踏みは第一章から始まった。
在日中国人同士で独自のSNSネットワークを形成し、近隣地域の住民間でゴミ出しルールや中国の食材を販売するお店について共有しているという。中国人の子供を持つ親同士が進学塾について情報交換する場としても、そうしたネットワークが活用されている。
このようなつながりは他にも見られ、もはや日本語を介する必要もない。(日本語を理解できない中国人をサポートするコミュニティのお話はジーンときた) というか、独自のSNSなんて彼らが教えてくれない限り知る由もない。
これが「世界が広がる」「でも脳が追いつかない」と思った所以である。
「日本に住んでいると、私たちの身の回りに中国文化が溢れていることにも、あまり気がつかない。それは特別なことではなく、私たちの日常だからだ」(P 88)
両国間には古くから交流があったことを回顧できたのも、本書で得られた点だ。
京劇や二胡(胡弓とは別の楽器だと初めて知った)の普及に努める方のお話を通して、やはり文化は最大にして最高の平和活動なんだと実感した。
日本は芸術面においてもステップアップの場だと捉えられがちが、真摯に活動していれば、それはきっと日本人の琴線にも触れる。心の交流も生まれてくるだろう��
気づいたら、当初の凝り固まった印象がだいぶほぐれていた。
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仕事で何人かの在日中国人の方と接する機会が出てきましたので、本書を手に取ってみました。
基本的にはエピソードを集めたものであり、何らかの分析・結論があるわけではないのですが、日本にいる中国人が、中国本土からどのように見えているのかは興味深いです。
また、話には聞いていましたし、有名中高の文化祭に見学に行った際も感じましたが、中国人の教育熱が高いことも理解できました。
もっとも、逆に中国本土の過酷の受験競争からある意味「降りる」ために日本に来るケースもあるようで、その辺りの視点は今までなかったので興味深かったです。
ちなみに、私が接している在日中国人の方を見ていると、中国本土の人(あるいは日本に来たばかりの中国人)に比べると穏やかに感じられ、日本人的な感覚にも理解はある一方で、ビジネスには貪欲で勤勉という印象があります。