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感想
誰も気にしない。気にしたところで何も変わらない。人間の意識が届かない。だけれども確かにそこにある。人間の生活の空隙に。覗いている。
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とても悲しく思う。しかもこれらが史実とは。
国という概念を持たず国境を意識せず自由に彷徨うベドウィンに想いを馳せた。
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朝日新聞の好書好日で鴻巣友季子さんご推薦の本。すぐに図書館で予約を入れたが18番目だった。みんな早い。
2024年12月14日図書館から借り出し。
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いきなりの空気感で始まる小説。
イスラエルの地で起きた少女レイプ事件が加害者側から描かれた第一部と、事件の詳細を語るパレスチナ女性目線で描かれた第二部からなる。
なんの予習もなく始まるのでこの地域に何が起きているのか、地理やその気候を知っておくと入り込めそうだ。
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1949年にイスラエル軍がベドウィン少女を殺害した日と自身の誕生日が同じという些細なことがきっかけで、現代に生きるパレスチナ人女性が、まだイスラエルの占領が続く中でその事件の真実に近づこうとするお話。抑制された筆致で、現在のイスラエル/パレスチナ問題を文学に昇華させている。純粋な文学作品だと思った。
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第一部 過去の痛ましい事件
第二部 事件を知った今に生きる人物がその痕跡を探す
今に続く人種差別、戦争。
過去の と書いたけど、決して風化していない現在進行形の厄災。
痛みは続いている。
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現代パレスチナ文学の騎手である、アダニーヤ・シブリーが2017年に発表した小説。
1949年8月、ナクバ渦中のパレスチナで起きた実在の少女強姦事件から着想を得た作品とのこと。
本作は第一部と第二部で分かれており、第一部では1949年8月のその事件をイスラエル軍の兵士の目線で語る。
そして第二部は飛んで2004年現代のイスラエルで暮らすパレスチナ人女性が少女強姦事件の記事を見たことでパレスチナに渡って事件の痕跡を辿るという物語。
虐殺は個々人の人生を大きな出来事として括ってしまい、彼ら彼女らの人生を剥奪してしまうものだ。「とるに足りない細部」として。
この物語はそんなパレスチナで人知れず個人に降りかかる最悪をすくい上げるような作品であった。
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「訳者あとがき」で、この作品が政治的な文脈で捉えられ利用されることに作者が強い違和感を持っている、との記述があった。その気持ちはわかる気がする。一人ひとりの人間に起きた出来事をその人のリアルな生の流れの中で描き出すための工夫や、二部構成で悲劇を巧みに変奏してみせる技量こそ、この作品の評価として取り上げられるべきだろう。とは言え、イスラエル/パレスチナに生きる人々のひとつの現実を思い知らされることも確か。いずれにしても、多くの人に読まれるべき本だと思う。