逃げたナチスを追え
2018/09/30 18:34
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、まえがきが衝撃的。本編への期待が否応なしに高まる。ストーリーは、ルポライターのミラーが、リガの殺人鬼と呼ばれた元SS隊員を追跡する、というサスペンス。しかし、登場人物が実在の人物だったり、オデッサや各政府機関の内情がかなり現実に則して描かれてれおり、ドキュメント要素も強いです。最後のイスラエルの大佐が言う「危険は決して去らない、形を変えるだけだ」は、まさにナチスがなくなっても、別人としてドイツ社会に溶け込んだ戦争犯罪人たちのことに符合する。このストーリーを象徴するかのような印象的な台詞です。
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最後の最後でストーリーをど〜〜んと上げてしまうような展開。
何冊か、彼の本を読んだけど最初の書き出しの頃から、わざと抑えて書いてるのかな?
それを狙っているのかな。
私は、彼の本で泣いてしまいました。
海外作家の方は、風景や建物、周りの景色や感情など、とっても詳細に情景を書くみたいです。
そうすると、読んでる最中に映画で画像を見ているか?の様な感覚になるから好き。
オデッサ(ナチス親衛隊)のメンバーをなぜ?そこまで執拗に追いかけるのか?
最期の最期に判明する場面が今でも、心に焼き付いています。
この場面で、涙が止まりませんでした。
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戦後のナチスの秘密組織という大きな背景を持つ問題に一人で切りかかる勇敢な記者の手に汗握るサスペンス。
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高校の時に読んだ本 フレドリック・フォーサイスの小説の中では一番好きです。ナチスの親衛隊を追い詰めていくのはスリルがあって最高です。 自分的には主人公の彼女がストリッパーってのがちょっと。。。。でした。
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偶然、収容所の生き残りの老人の日記を読んだことから、ミラーは老人の敵・SSのロシュマンを追いかけ始める。ところが、彼の前に元SSたちの組織・オデッサが立ちふさがる・・・ 手に汗握りました。ミラーの真の動機はわかりやすいものの、決め手に欠けるよな〜と思っていただけに、種明かしには驚きました。覚えてるものなんですね・・・。
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ナチスはいやだなぁ、戦争はいやだなぁと、当然のことを改めて思った。
主人公の行動の理由が、極めて私的な復讐というのが良いです。
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いつもながら、読み終わった後に虚無感が漂う。
戦争の犬たちもそうであったが・・・
何かを訴えかけて、考えさせる終わりかた。
私は好きですね。
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ネオナチを扱った作品としては有名どころ。
ジョン・ボイドで映画化されたのをご覧になった方も多いでしょう。
事件の背後関係を掴むまで、時代背景が交錯するのでなかなか入り込めない人もいるらしいが、入ってしまえばこっちのもんです。
ミステリのようにドキドキさせてくれる。
執筆中、作者に脅迫状がばんばん届いたというのも頷けるくらい濃くて強い内容だから腰を落ち着けて読みたい。
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本書も、30年ぶりの再読。最近つくづく痛感するのが、10代で読んだ作品を再読すると、まるで違った発見や気づきがあるだけではなく、その作品の評価までがらりと変わること。これもまた、読書の醍醐味
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すぐ引き込まれて止まらなくなる。
オデッサってほんとにあったのかな?ナチ親衛隊を戦後救う組織があったとは。
どこまでがフィクション何だろう…
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「ジャッカルの日」、本作、「戦争の犬たち」と、このあたりはフォーサイスの連続スマッシュヒットだったなあ。
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数あるフォーサイスの作品の中で、個人的にはトップクラスに好きなもののひとつである。ドキュメンタリー的な迫力では「ジャッカルの日」に及ばず、スケールの大きさでは「悪魔の選択」 にはかなわない。現代的なトピックスとしてなら「神の拳」等が上だろうし、作品としての余韻ならむしろ短編を勧めたい。
もちろん、ナチスドイツの戦争犯罪の話は、今読んでも褪せることのない迫力で迫ってくる。冒頭の日記は胸がしめつけられるようだし、途中明らかになってくるさまざまな「事実」には事実ならではの説得力があり、怒りで胸が苦しくなる。ラストに近い主人公と敵役の言葉による対決シーンは、単なる小説の世界を超えた力を持つ名シーンだと思う。
が、むしろこの小説の味は、ほとほと呆れるほどの主人公のいい加減さ、調子の良さであり、主として偶然のもたらすドタバタの追跡劇である。シリアスな背景を取り除いてみてみれば、ほとんどコメディといっていいかのようなすれ違いの追いかけっこだと思うのだけど、どうだろう。
フォーサイスの作品、特に長編の主人公はプロ、それもプロ中のプロといいたいくらい、さまざまな意味で鍛え抜かれた連中である。そういうプロの行動のあざやかさが、彼の作品の魅力であることは間違いない。
しかし、本作においては違う。主人公はどうしようもないくらいアマチュアである。アマチュアの、身勝手で怖いもの知らずのめちゃくちゃにハラハラしながらつきあいつつ、その先が読めない動きに引っ掻き回されるプロたちの姿をちょっと小気味良く眺めることに、この作品の最大の楽しさがあるのだとおいては思うのだけれど、どうだろうか。
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大学生のころ『ジャッカルの日』を読んで震えましたが、本書も同じく最後まで読み切らせます。大江健三郎の『性的人間』なんかもそうですが、無駄な伏線がいっぱい張ってあり、ミステリーのように幻惑を狙った効果が企図されていないので、不条理な日常生活と連関しているようで、そのへんも楽しめます。しかし、なんといってもローラーコースターのような展開で主役のルポライターが危機的な状況をすんでのところですり抜けるとホッと息を呑みます。初版は72年。全然古びていません。
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ケネディ暗殺のニュースから始まって、ユダヤ系ドイツ人の老人の自殺、その日記のあたりでかなり凹んでしばらく放置してたけど、面白い。60年代が舞台で70年代初めに書かれた小説らしいけど、テンポがよくてさすが名作と言われる社会派ミステリー。実話や実際の人物も多くて、どこからどこまでが本当なのか、よくわからないが、ドイツの抱えていた戦後問題がかなりよくわかる。社会問題、差別問題、戦争、狂気、世界的に見て結局は同じような問題がまた起こるし、起こっているし、力のある者が生き永らえ、民がそのツケを払わされる、と言う矛盾に気付く者は、ことが終わってもどこの国でも少ないのかなあ、と感じた。
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オデッサを執拗に追う主人公の動機に曖昧さを感じるも、ラストで納得。
やはり個人の恨みがなによりも強い。