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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
SNSを賑わす、人魚を探して銀座の街に現れた王子様。人生の転機を迎えた5人の男女が、異様な存在から『人魚姫』に思いを馳せる事で自らを俯瞰していく、幻想的でロマンティックで、それでいて等身大の物語。
またしてもとんでもない想像と創造の力が青山美智子から迸った、と終始ニヤけが止まらなかった。
「王子」が何者なのか?「人魚」は何処なのか?それだけで十分に心奪われるのもさることながら、各章に割り当てられた主役の心の行方からも目が離せない。いっぱい詰め込まれているが、なぜか時間の流れは緩やかに感じ、あれ?私もそっちに連れて行かれたかな?と錯覚するような夢心地でどっぷり堪能した。
自分にしかわからない自分の事と、自分だからこそわからない自分の事を、他人に重ねて紐解いていく。色んなところが少しずつ引き継がれて繋がっていく構成が魅力的な作品。
どの章もユーモアと気付きがあり、それぞれに見合った説得力を感じた。小説家にスポットを当てた4章は職業柄か言葉選びが頭一つ抜けていて、2章の娘はアーティストなだけあって創造に対する感性が光っていた。細部までこだわり抜いた設定が愛しく、駆け出したくなるような恋がしたくなった。
じんわり柔らかく心に刺さる、青山美智子ワールド
2024/11/15 20:32
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投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後まで、青山美智子ワールドにはまってしまいました。
青山先生の、登場人物の見事な繋がりを
今度は「王子」がつとめています。
どのお話も、それぞれに愛あふれる内容ばかりで
どんどん引き込まれていきました。
青山先生の、お話の面白さも素敵なのですが
登場人物のちょっとした一言が
読んでいるこちら側にじんわり、柔らかく突き刺さり
心温まる物語でした。
また、作中にカバーに使われている田中達也さんや、My presentの表紙を描かれた、U-kuさんもさり気なく登場していて、私達の現実と、本の中のフィクションが混ざり合う感じも楽しめました。
"「言葉なしで相手の気持ちを理解するなんて、とても難しいことです」(中略)「でもだからこそ、目や仕草が表しているその人の思いを、見逃してはいけないのかもしれない」"40頁
"いろんなリスクがあることだって、初めから百も五百も承知よ。不安がなかったわけじゃない。だけど、誰かにやれと言われたことじゃなくて自分が願ったことだから、つらいことも全部引き受けるって、それくらいの強い決意で臨んだのよ"67頁
"失敗のペケじゃない、経験の掛け算さ。これからもっともっと、味わい深い人生になる"107頁
"「しっかり、って漢字でどう書くか知ってるかい?」(中略)確り。「確かな自分を、持てばいい」"168頁
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大好きな青山美智子さんの連作短編集。
タイトルを見たときから、ファンタジックな「人魚」というワードに、一体どんなストーリーなのか早くもワクワクしていました。
年齢も職業もさまざまな人たちが登場しますが、みんな何かしら胸に迷いや不安の種を持っている。だけど、自分の中にあるそのモヤモヤを何とかやり過ごしながら日々を送っているのが現実で…。
子どもから大人まで、誰しも経験があること。
登場人物の心情に自分を重ね合わせ、親近感を感じて応援せずにはいられませんでした。
同じ体験をしていても、見えているものが違うというのは誰にでもある。それは別人であっても、自分であっても。
…そんなことを思いました。
読みながら若い頃の淡い気持ちを思い出して、ちょっと懐かしい気持ちに…。
あちこちに思わず笑顔になるポイントがあって嬉しくなりました。
キュンとして、可愛くて、夢のあるストーリー。
青山さんの作品は、どれも独自の世界観があって楽しい!
それに、一歩を踏み出せずにいる人や人生の迷子になっている人に優しく寄り添ってくれるような、励ましと温もりを感じます。
温かく幸せな余韻を感じられる素敵な物語でした。
また、青山さんの作品と言えば、表紙を飾る田中達也さんのミニチュアの世界も毎回楽しみにしてるので、その点も嬉しい。
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青山美智子さんお得意の短編連作5編。
それぞれのお話は面白かったけど、各編にチラチラ登場する「王子」と「人魚」がなんだか引っかかってしまって。
この王子と人魚が物語のキーポイントとも言えるのに…
ラストで話が見えてきてちょっとすっきりしたけど、ファンタジー寄りじゃない方が自分好みの展開だったんだと思う。
でも、帯の「世界は物語(フィクション)でできている」という言葉には納得。
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貴方にとってかけがえの無い大切な人、それがこの物語での「人魚」
「人の心に、答えや正解はない。」
物事は人それぞれの見方、受止め方によって違っている。
でも、貴方は決して悲観しないで欲しい、きっと大切な人は貴方の事をずっと想っているから、
著者の青山さんはそんな風に語っているように感じる。
5つの物語の冒頭に語られている3行のメッセージ、それはその物語の主人公の心の声であり、それが探してる「人魚」
物語それぞれの主人公に心を痛める大切な人が居て、すれ違う想いがあり、優しさがあり。
その主人公が「人魚の側から見た自分への想い」に正直に気が付くことが、この物語の着地点ですね、
そしてその5つの物語が少しずつクロスして絡み合っていくことでさらに心が引き込まれていきます。
自分はその中でも友治と理世の心のすれ違いに、「そんな事って確かにあるね、」と心を痛め
紗奈の心の解放された時の幸福感に心が温まりました。
この巧みさは、まさに青山さんの真骨頂。
読み終えると、自分の大切な人にもっと感謝したくなる、、そんな一冊でした。
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感想
同じ方向を見て同じものを追いかけていたあの頃。楽しかったけど少し忙しなかった気もする。だから多様性の時代はつまらないけど幸せ。
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青山ワールドならではの、ファンタジーの中に本人が気づくことの大切さを描く短編連作。人魚姫の王子のピュアさが、自分からの目線だけに凝り固まっていた心を融解させる。2章の母親の気持ち、なんか分かるなぁ。自分の存在や価値って低く見がちだし、なんの為に生きているかって自分次第だって、なかなか思えないもんなぁ。安定の青山作品でした。
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待ちに待った青山美智子さんの新刊。
ほんのりファンタジー要素も。
連作短編でほっこり伏線回収。
最後のエピローグが最高すぎました。
うっとりして、ため息が出ちゃいます。
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連作短編集。
逃げた人魚を探す王子が登場、アンデルセンの「人魚姫」をモチーフとした作品で恋人、親子、夫婦のいろいろな思いが描かれている。
相手の思いなんてわかるわけがないのに勝手に想像して、思い込んで悶々としてしまう…
これってきっと誰もが感じたことのある気持ちだと思う。
でも悶々としているだけではなんの解決にもならなくて…
悩んでばかりいても仕方ないよ、と背中を押してくれるような心温まる物語だった。
年の差恋愛のカップルの思い、巣立つ娘を送り出す母の思いと巣立つ娘の思いが特に印象深かった。
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カバヒコがおもしろかったから
読んでみた
カバヒコよりよかったかな
カバヒコを星何個にしたか忘れたから
もしかしたらこっちのほうが
星は少ないかもしれないけど
こっちのほうがよかった
連作短編は
読みやすくていいし
こういうぐるっと最初と最後が
つながるのもいい
それぞれのわだかまりが
「王子」に会ったことで
読み手の「こうなればいいな」に
グッと寄せてくるところ
嬉しくなるな
ほんの少しのファンタジーも
いい塩梅だなぁと思う
あんまり離れ技だと
ファンタジーじゃんってなっちゃう
ファンタジーじゃんってならない
その味付けがよいなと思った
ギリギリ4つに届かない
星3つ
幸せに嬉しくなりたい人にオススメ
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最高のタイトルに始まって、素敵な物語に導かれ、夢(嘘)では終わらないラストにトキメキました。青山先生大好きです!
この作品での連作短編集としての繋がりだけでなく、これまで一緒に作品に携わってこられた田中達也さんやU-kuさんをはじめ、全ての作品がこの作品に繋がってひとつの物語になったことを思わせるような数々の仕掛けに高揚しました。
自己肯定感が高まり心満たされる物語です。
「街は豊か」の中で、娘が母へ伝える「毎日を、毎日作ってくれたよ」に始まる感謝の言葉にぐわっと目頭が熱くなりました。
こんな風に母へ感謝の気持ちを伝えたい、相手に気持ちを伝えるとはこのような行為なのだと私も教えてもらいました。
好きも感謝も謝罪も言葉にして伝えることの大切さ、相手と育むべき信頼と敬意、相手も自分も幸せにするためのたくさんの「物語」でした。
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最後まで読むと、もう一度読み返したくなるファンタジー要素がある小説。
日常の間に現れた突然の非リアルな人物。
オムニバス形式で、読みやすいです
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今ここにいることも今ここで迷っていることも
熱望して実行したのは自分自身のはずなのに
誰かに連れてこられたような
不思議な感覚になることがある
それでもきっと"確かな私"が
今ここにいることを忘れずにいたいと思う
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人生に迷いを感じる人々と銀座の街に迷い込んだおとぎ話の王子との出会い。心に響くメッセージに溢れ、温かな読後感。
『恋は愚か』『君は確か』
「確かな自分を持つ。それは、臆病さを守るプロテクターを装備する事じゃない。防具を外した時に、ちゃんと立てることだった。」
向かうべきは、自分ではなく相手。相手がいなければできない恋愛という土俵にあって独り相撲していないか。自分を貶めているものは、自分自身の価値観かもしれない。
でも。独り相撲していたのは、お互い様、だったのね。
『街は豊か』
「毎日を、毎日作ってくれたよ」
この一言で、自分なら一生頑張れる。平凡な日々を愛しみ、積み上げていくこと、繰り返すことの大切さと難しさ。その地味さゆえに、本人さえも気が付かない価値をちゃんと理解する娘に育てあげたことは、母親として、何よりの偉業ではなかろうか。
『嘘は遥か』
「大丈夫。顔をあげて、元気でおやんなさい。『×』って書いてバツイチっていうけどね、バツじゃなくて掛けるって読めばいいんだよ。失敗のペケじゃない、経験の掛け算さ。このからもっともっと、味わい深い人生になる」
禍福はあざなえる縄のごとし。幸福からも、不幸からも何かが生まれて繋がって人生は続いていく。
#Netgallery(2024年11月24日刊行予定)
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久しぶりに青山ワールドにどっぷり漬かれました
最近の青山先生の作品の中では好きだったなぁ
相変わらず、別の本の登場人物が出てきたりとリンクさせてるところ大好きです