投稿元:
レビューを見る
この川を辿った先に虚ろを満たすなにかがあるのだろうか。
すごく出来の良い長編怪談を読ませてもらって大満足です!
ホラー×ミステリ、というより、ミステリの手法で書かれた怪談噺と呼びたい印象。川を辿って震源を探す設定がワクワクを誘い、あいだに入る各怪談も"らしく"て実話怪談好きとしても満たされる。
怪談、登場人物が無駄なく繋がっていく気持ちよさはミステリの快感であり、このふたつのジャンルの相性の良さを再確認した。
三咲とカナちゃんのキャラクターが特によく、幸せにはならなくても、この先も良い関係を結んでいけたらと願う。
怪談語りするのも好きなので、作中で怪談シーンが来るとそこだけ朗読で読んでみたりしました。
投稿元:
レビューを見る
怒涛のラスト
感情が追いつかない。
読んだ後に何が残るのか。
僕に残ったのは『虚』という、なんともいえない感じだった。
この本は評価が二分すると思う。
高評価がある反面、低評価もあり得る。
何を信じるかで、あなたの心に残るものが変わるはず。
投稿元:
レビューを見る
怪談を追いかけて行く話だからホラーなのかな?あんまり怖くないので苦手な人でも読めるはず。
想像してた内容とは違って、心に闇を抱える2人の女の子が過去とどう向き合うのか…みたいな話…になるのかな?これはこれで面白いし読んでて飽きない展開だった。
たぶん幸せにはなれないし、なりたくないだろうし、なってしまったら死にたくなるんだと思う。
投稿元:
レビューを見る
気になってたものをやっと読了!
「怪談」がキーワードだけどホラーではなく、お話全体に何とも言えない物悲しさというか切なさが漂っているように感じた。
終盤で、結局何もないんかい‼︎…で終わりそうだったのが一変。まさか昇が三咲とカナちゃんの敵側とは。
でも昇と季里子がカナちゃん怨むの筋違いというか完全な逆恨みだと思うんだが…
確かに怪談をでっち上げて季里子に伝えたのはカナちゃんだけど、そうなる前の季里子の振る舞いが、
クラスの中心にいないと気が済まず、自分の言うこと(霊感がある云々)を信じないクラスメイトを虐めるような人間性だから遅かれ早かれ何かしらの罰は当たってたんじゃないかなと。というか当たれ。自業自得の因果応報としか思えない。
(ただ「罰が当たる」となると虐められてた子の怨みや怨念が祟って…という方向になりそうだからまたそれはそれで「本物」かどうかという話になってしまうが…)
間にちょこちょこ出てくる怪談話の中ではホテルの話が1番怖くて印象的。
三咲とカナちゃんの関係性好きだなぁ
そしてカナちゃんの本名、可愛くて良い名前だけど私はやっぱりカナリアカナちゃんのネーミングが好き^^
投稿元:
レビューを見る
『本当に死ぬ怪談』を探す怪談師の三咲と同居人のカナが『釣ると死ぬ魚』について取材するホラーミステリーで、形を変えて伝播する『釣ると死ぬ魚』の奇妙さや随所で挟まれる怪談の不気味さがありつつ人間の脆さ、身勝手さもしっかり描写されていて一気読みだった。ラストは…
投稿元:
レビューを見る
不思議な魅力のある作品。なぜ、ホラー文庫でなく一般の文庫に入ったのかと思いましたが、小野不由美氏の解説にある理由なのかな。
投稿元:
レビューを見る
面白くて一気に読めた。
怪談師の三咲と同居人のカナちゃんは、それぞれの理由から、人が本当に死ぬ怪談を探している。
ある日「釣ると死ぬ魚」の噂を聞き、その取材を始めるが・・・
表紙絵に遠田志帆さんを起用し、帯に綾辻行人先生のコメントがあるので、「Another」のような超常現象系ホラーミステリーかと思ったが、怪談のルーツを追っていく形式で物語が進み、どちらかというと民俗学ミステリーに近いのかなと思った。
怪談を追跡するにつれて、三咲とカナちゃんの心情の変化、心の成長も読み取れ、青春群像劇のようにも思える。
最後の方の三咲のセリフに
「偶然と呪いの違いって、本当はない気がする」というセリフが印象的。
何か目的や因果関係があって人は生まれてくるものではないということにも通じる考え方だなと。
不可解な現象に理由や論理的説明をしようとするものが怪談であるし、呪いは受け取る側の心の問題だという考え方は、京極夏彦先生の文脈を受け継いでいるのかなとも思った。