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中高生以上はみんなハゲてしまう世界の話。
最初は原因もわからずパニックになったが5年もすると死ぬわけでもないし、ただハゲるだけ。と世界は落ち着きを取り戻す…
美容室は少なくなり、ウィッグ専門店やハゲ用のシールタトゥーや坊主に見える本物のタトゥー…元々ハゲてた人は安心するし、クラスで最後までハゲないことでイジメられ自殺した子…髪の毛が生える薬があると金儲けをする人…
そんな中、ハゲたはずなのにある日いきなり髪が生えてきた真智加…今度は髪の毛を隠す生活…
おもしろかったのに、最後の終わり方…
不完全燃焼…
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奇病により皆がハゲる世界。奇病が流行る前から薄毛がコンプレックスだった人間、奇病により一斉にハゲた人間、それぞれの心理描写が面白い。
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100分没頭の中編小説「ハンドレッド ミニッツ ノヴェラ」シリーズ。
同シリーズの津村喜久子さんの「うどん陣営の受難」が104ページなのに比べ、こちらは164ページと1.5倍以上のボリュームだけど、同じく100分で読み終えるのだろうか?
さて、以上のようにお手軽な小説ではあるのだが、取り扱うテーマは極めてスケールが大きい。
髪の毛が根こそぎ抜ける感染症が全世界的に流行る。そしてほとんど全ての人が罹患する事態に陥るといった話なのだ。
こどもはハゲない。はやい人は16歳からハゲる。ひととおりハゲきった今は20歳以上のほとんどの人がハゲている…
もともと薄毛を気にしていた真智香は、感染症の流行をむしろ歓迎する。みんなではげれば怖くない。
やっと多数派だ。
しかし、そんなにうまくことは運ばない。
なんせ、それはいじわるな高瀬さんが書いた小説ですもの…笑
真智香を戸惑わす新たな展開が。
真智香の運命やいかに…
さて、僕も最近床屋さんで頭頂部が薄くなりつつあることを指摘された。
「たけさん、そろそろ薬飲んどいた方がいいですよ。この程度なら1月8000円くらいで進行をくいとめることができます」って言われた。
いやー悩みますけどねー
まだ頭頂部を上から見る床屋さんくらいしか気づかないほど目立たないからいいけど、もう少ししたら、みんながはげる感染症流行ってくれないかなー笑
♫HEY MAN!/ユニコーン(1988)
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⚫︎受け取ったメッセージ
結局どうなろうと少数派は奇異の目にさらされる
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
せっかくみんなハゲたのに――
突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。
同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。
価値観は刷新したはずなのに、また別の分断の萌芽がそこに。
⚫︎感想
高瀬さんが「め生える」についてお話しされているインタビュー記事も合わせて読んだ。同僚の方がはげいじりされていて違和感を持ったそう。見た目のことを他人が言うのはとにかくいけないと思う。本人はどんな気持ちでいるかわからないし、実際そういう場面に遭遇したこともある。結局多数派が少数派を押し込める。
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読んだ。
あれこれ書いたが、どうにもファンの方に申し訳ないので消した。ただ、自分には合わなかった、と自分用のメモとして残しておく。
★3とし茶を濁す。
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コロナに翻弄されたあの頃をパロディーにしたような作品だ。
この世界ではある日突然髪が抜ける。老若男女を問わない。若い人は大丈夫だが、年齢が上がれば抜けてしまう。原因は不明だ。感染するかどうかもよくわかっていない。主人公は薄毛に悩んでいた女性で、そんな状況に内心でほくそ笑む。
髪がなくなれば不要になる製品やサービスは多い。あっという間に業態が変わり生き残りを図る。人は見た目がすべて。ウィッグやタトゥーで差別化しようとする。
高瀬さんにしては毒気が少ないなと思ったが、よく考えればとんでもなく怖ろしい内容だった。
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頑張って最後まで読んだけど、退屈だった。
もっと広げたり深めたりして楽しませてほしかったけど、そういう話を書く作者ではないか。
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いつもの図書館の新刊コーナーで、初めて見たU-NEXTの「100 min. NOVELLA 」の、新書サイズの薄さに惹き付けられて、見てみたら、高瀬隼子さんの新作(2024年)があったので、それならばありがたくと、早速借りてきました。
前回読んだ、「おいしいごはんが食べられますように」もそうだったが、高瀬さんの作品は、その目の付け所が良くて(色んな意味で)、今回は、はげのパンデミックである。
コロナ禍の時も思ったが、非常事態に陥った人間心理はそう単純なものでないはずなのに、何故か、必要最小限のコンパクトな救済措置さえ施せば、全て解決すると思っている、そんな浅はかな考え方への痛烈な皮肉とも感じ、それは、人間とは、もっと多様に枝分かれしてゆく、複雑な価値観や考え方を持った存在であることを描いたような、表紙の植物の絵にも、よく表れていると思われた。
とは書いたものの、実は本書の目の付け所の良いところは、はげでもパンデミックでもないと、私は思っており、その根拠となった、本書の中の言葉を掲載したい。
『みんな、自分を傷つけた者とどうやって折り合いをつけているのだろうか』
『許すのも許さないのも、どちらにしても選択するのは自分だということもしんどい』
結局はこれなのだと痛感し、傷はいつかは癒えるものとはいうが、もしそれが、いつまでも終わらない現在進行形だった場合は、どうすればよいのか?
それから、次の『許すのも許さないのも』に込められたやり切れなさについては、そこに至るまでの過程にもあるとは思うが、そもそも、そうした選択をしなくてはならないという状況が作り出されるということ自体、既におかしいと感じなくてはならないのに、そうした点に限って、妙に感覚が鈍くなるような人間の行動心理には、時に腹立ちを抑えきれない程の苛立ちを覚えることもある。
確かに、人間にはそうした不完全さが、人それぞれにあって当然なのだろうとは思う。が、それにしても、これだけ平等とか多様性とかジェンダーフリーとか言われている世の中に於いて、この部分だけは軽く捉えられやすいというか、笑いにすれば何でも許されると思ったら大間違いだと言いたくなる、そのあまりにも他人事な軽々しい捉え方をするのは、おそらく自分事としての想定を全くしていないことから来ているのではないかとも思う中で、本書は、そうしたコンプレックスをほぼ全員に意識させたら、果たしてどうなるのか? ということを、生々しくジワジワと陰湿に問い質している点に、目の付け所の良さを感じたのである。
そして、その結果どうなるのかというと、結局は人の数だけ異なる、とても繊細で複雑な思いや葛藤を、他人からは想像できないくらいの真剣さで展開しているのだろうということから、人は皆、違っていて当然なのだという、至極当たり前なことを実感させられただけであり、それは他人に話して共感してもらえることもある中に於いて、更にそうとは思えないことも、人の心の中にはあるということであり、では、何故そうなるのかというと、それが自分の考えや行動に基づいたものではない、不測の事態によって起こってしまったことから、自分の��で何を拠り所にしていけばいいのか分からない、困惑感が強いためだと私は思い、それを傍から見ると外面しか認識できないから、誰もが本人の思いとすれ違うような捉え方をしてしまい、おそらく、それが嫌だから自らの心の中にそっと閉まっておくのである。たとえ、そうすることで、自分一人だけが苦しみ続けるのだとしても。
本書のタイトル、『め生える』には、おそらく「芽生える」を元にしているのだろうと思わせるものがあるものの、では、何故「芽」を「め」にしたのかというと、そこには、漢字から連想させられるような、ありきたりな意味ではない、もっと想像を絶するような、それこそ、いつまでも割り切れない思いを抱えた人たちの心をも、すっきりさせてくれといった願いを、その言葉に込めたのではないかと、私は思っている。
U-NEXTの、このシリーズの意味するところが気になり、ネットで調べてみたら、「約100分夢中で読める中編小説」とのことで、100分で読み切れるかどうかは、一気読み出来なかったので分からないが、その後に続く『今を生きる、生き抜いていく』、『その伴走をする小説レーベル』について、本書はより多様化が認められてきた今の時代に於いても、尚、自分の心の内に抱え込んで苦しみ続けている、そんな人たちへ向けた物語なのであり、その必死に『今を生きる』孤独のランナーたちと共に、『伴走をする』存在であろう本書は、まさに看板に偽りなしといった印象で、U-NEXTさん、いい仕事してますねと、これまでの私には馴染みの薄かった、そのブランドイメージを、改めるきっかけを与えてくれたのであった。
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全員ハゲるっていう、一瞬「村田沙耶香さんの新作か?」と勘違いしそうな設定が笑える。
冒頭からグランドホテル形式で話が展開し、途中テラと真智加で落ち着いたかと思ったら、そこからドンドンと冒頭のネタが拾われていく思い切った話の進め方により、乗ってくると一気に読める。この辺り、この文庫の企画(100分没頭!中編小説)を意識してのことか。確かに一気に読める内容と分量ながら、しっかりと小説しています。
高瀬隼子さんの小説を読むのはこれが3作目だけど、いつも人の他人に対するネガティブな感情に焦点をあてている印象でどうも心がざわざわする。が、本作は全員が禿げるという設定そのものが異常な為、ネガティブな心理もそれほど気にならず受け止められるのは発見かも。
テーマは同調圧力とマイノリティ心理なのか?占い師のようにマイノリティ側でも悠然としている人もいれば、真智加のように気にする人もいる。琢磨もトラウマがありつつもマイノリティか。三者三様のマイノリティであることに対する考え方。しかも髪があるというマイノリティ属性は羨ましいと思われる状況。でもこれって今でもルックスがいいとかと本質的には同じ状況な気もする。であれば単に優越感で済まないのか?髪があるないはそれ以上の違いを孕んでいるのか?この辺りは釈然としない。
このように考えるともう少し長くてもいいから深掘りしてもらえるともっとよかったかも知れない。フォーマットを固定にしたからこその展開と限界が共存している気がする作品だった。
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著者らしい作品。
髪が抜け落ちる世界。
ここまで想像できる著者が凄いのです。
でも、対象が髪だけでなく、全ての事柄がこの状況に当てはまるのではと思うこの世界。
鋭すぎる視点に読後はかなりまいります。
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この題名と装丁からは想像がつかない話やった…
はげが人から人へ感染し、大人はほぼはげになる世界。
その中でマイノリティとも言える、一度はげたがまた髪が生えてきた人や、一生はげないと言われた人の視点が興味深かった。
高瀬さん攻めるなぁ…やっぱり大好き。
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題材がまず強烈。笑 さすが高瀬さん、そこ攻める?と思ってまず笑えた。視点がいつもエグいなぁ。主人公の気持ちが揺れ動く様が良く描かれている。
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多数派が正解になる。
はげになるのが怖いのではなくて、少数派になるのが怖いんだ。
みんなではげればこわくない。
真智加がラスト「もうええわ」といったかんじで、吹っ切れる様子が清々しかったです。
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ハゲが当たり前の世界、なのに髪が生えてきた。かつて薄毛だったとき生きづらかった。今は生えてきても生きづらい。周りと違うってそんなに悪いこと?
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人類がハゲになってしまう物語です。人類がハゲになる前、主人公は髪の毛が薄いことはコンプレックスに思っていたが、人類みなハゲになった世界では、主人公は逆に髪の毛が生えてきて、また逆にコンプレックスに感じてしまうというストーリーです。
コンセプトは面白かったのですが、小説となるともう少しエピソードが欲しかったかなと思い、物足りなさを感じてしまいました。
この本の作者さんの小説を読んだことがありますが、それもまた物足りなさを感じたのでそういう作風なのかもしれません。
ホラーやミステリー系がお好きな方は、物語の流れにもう一押し!と感じてしまうかなと思います。