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投稿者:塩味からあげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
序盤の、奇病の登場からもう色々とみんなが諦めてしまった毛のない世界になるまでは、新型コロナウイルスの発生初期を彷彿とさせますが、その後の「毛がないことの心理的ダメージ」しかない独特な世界観で、この作品独自の魅力があります。
奇病の始まる前の世界で薄毛に悩んでいた人、大人全員ハゲ世界で頭皮と毛の将来を案じる少年少女など、ひたすら毛の悩みに終始するシュールな味わいが面白い作品です。
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高瀬さん作品は、やや停滞気味に感じていたところに、メガトン級の変化球が来た・・。高瀬さんの頭の中身を見てみたい・・(褒めてる)。
読んだら、感想更新予定。
(2024/04/07 読了)
あいかわらず奇想天外な題材と、それをこねくり回すような展開。正直いままでの作品の中で、設定は一番好き。だけど、一番面白くなかった笑
高瀬さんは現実世界の中におけるちょっとした妙を扱うのは上手だとは思うが、全体がそうなってしまうと、なんだかいまいちしっくりとこなかった。世界の価値観が逆転する発想はめちゃくちゃおもしろいんだけど、なぜだろうか。。
バカリズムあたりに託したら、よいネタを書いてくれそうな気がする(なんてひどい感想)。 ★2.5
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何かが芽生える的なものだと思ってたらまさかの頭髪、ハゲる話で狂った世界観の中で髪があることが普通な今が不思議に感じた笑
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大人がみんなはげる世界の話。
みんなに等しく嫌なことが起こる中で、はげていない人の肩身は狭い。
恵まれているのに悩んでいる。
これって、我々の世界でいうと何と同じだろう?
めっちゃ美人とかイケメン?
それを武器に生きている人もいるだろうけど、妬まれて悩むとかすごいありそう。
はげる彼女とはげない彼氏。
ただ髪が生えているかどうかが違うだけなのに、別れの理由にもなりえてしまうって、当たり前のように感じるけど、冷静に考えたらちょっと不思議。
ウィッグをつければ見た目は同じなのに、そこに優劣がついてしまうからなのか。
そこはやはり、髪が生えていることが当たり前の世界だからかな。
この小説のすごいところは、髪が生えている大人に対する憎しみや妬み、逆に髪が生えている本人の気にし方の描かれ方がすごくリアルなところ。
ずっと居心地悪い気持ちにさせられる。
高瀬さんの小説の好きなところです。
あと、髪を切られた少年は、一生はげないと言われた瞬間、一生髪を切られる恐怖から逃れられないことが決まったよね。
それもゾゾっときてしまった。
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感想
コンプレックスは消せない。他人と交流する限り続く比較。身近な人ほど比べる。でもそれが人の在り方。諦めて今日も劣等感と手を繋いで歩く。
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視点が斬新すぎる。
みんな禿げた世界を通してマイノリティの生きにくさや人間関係のモヤモヤを炙り出していくのは相変わらずさすがです...。
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大好きな高瀬隼子さんの作品待ってました!
高瀬さんはいつも多様性、普通とは何か?世の中の視線、のようなことを描かれているように感じる。
今回も面白かった。
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ある日、禿げている方が普通の世界になる。マジョリティとマイノリティが逆転する世界になったら、コンプレックスを抱える心や、関係性はどう変化するのか。禿げの世界という独特な切り口ですが、高瀬さんの作品らしく今作も、人間の危うく繊細な心理描写が描かれていて読みやすかった。
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・容姿が皆平等であれば悩むことがなくなるのか。他者との差異によって酷く嫉妬したり、優越感に浸ることはそもそも"正す"必要があるのか。社会実験的な小説だと思いました。
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期待していたよりは、すごく面白いわけではなかった。終始、苦しい雰囲気の話。
普段髪があることにそこまで意識していなかったけれど、髪があるとないとではここまで世界が変わるのかと思った。
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#め生える
#高瀬隼子
24/1/6出版
https://amzn.to/4aXDCjE
●なぜ気になったか
しばらく前に知って数冊読み、相性のよさを感じている高瀬隼子さん。本書もまた選ばれたテーマがいいとこ目をつけるなぁ、と感じたし、高瀬ワールドが堪能できそうなので読みたい
●読了感想
中盤までは、本書に込められた着眼点に気づけず読み進めるのが苦痛だった。気づけた後は「そう、なんか世の中ってそんなこと多いんだよなぁ」とうなずきながら、高瀬さんの目のつけどころさすがと楽しめた
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
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純文学とは相性が悪いと思っていたのに、なぜか高瀬隼子さんの作品はことごとく好き。今回は原因不明の感染症で「みんなハゲになる」というものだ。こんなに「ハゲ」という単語をたくさんみたの初めて。
高瀬さんの作品は突拍子もない設定なようでいて、とてもリアルだ。流行初期のちょっとしたパニックはコロナ禍を思い出す。
そしてきっと誰にでも多少はあるであろうコンプレックス。「ハゲ」という単語は「デブ」にも「チビ」にも「バカ」にも、その他なんにでも置き換えられるだろう。皆がそうなってしまえば平等なのか?妬んだり僻んだり、そうされることを恐れたり優越感に浸ったり、はたまた受け入れて楽しんだり。
登場人物になんとなく既視感を覚える。もちろんそこには自分もいるのだけど。
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大人の髪が抜ける謎の感染症で、ほぼすべての人がハゲた世界が舞台。
もともと薄毛の悩みを抱えた人、髪が抜けない人、髪専門の占い師など…等しく髪のない世界は平等か、否か…思考実験のように読んだ。後ろめたさや、座りの悪さの描写がうまい。
みんなハゲた世界、というとネタのようだけど、感染症のようなものがまん延する世界はすでに体験しているから、わかる…。
滑稽さを、笑えない。
笑われては、つらい。
そんな感じ。
でもラストシーンは「あー!さっぱりしたー…」みたいな風呂上がりの感覚。気持ち良い〜。
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誰もが「はげ」や「ちび」といった、人の外見を貶める言葉を聞かずに育つことはないのではないか。本人にはどうしようもないことで、コンプレックスにもなっているはずのそれを、周りがそんな風に言うのは嫌だなと思う。
では実際にみんなそうなってしまったら?という想像を広げていくと、この作品のようになるのではないか。設定はありえないけれど、内容や心の動きはとてもリアルで、面白いけれどこわくもあった。
・毛が元々薄かったりなかったりする人と、みんなと同様に一気にはげた人との価値観は違う
・みんながはげていると、自分だけに毛が生えることを恐れてしまう
・恐ろしいと感じる一方で、毛が生えてきていることへの優越感を感じもする
コンプレックスと人間関係の視点も興味深かった。
なんでもずけずけとものを言うテラと、薄毛をずっと気にして生きてきた真智加の関係は、真智加のコンプレックスがあってこそ成り立つもの。コンプレックスを持たない人と持つ人の関係が逆転した時、いったいどんな人間関係が構築されるのだろう。
いろいろと考えさせられる作品だった。「おいしいごはんが〜」を読んだときも感じたけれど、この作家さんの作品は独特だけれど共感できる。
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ネタが面白い。
まず、あることが前提の髪の毛が全員抜けていくことから始まる。みんながはげになった世界がおもしろい。
ただ、内容自体は軽くなくて、ある時に感じていたはげに対する劣等感が残り続けているところとか、はげをお金に変える集団だったりとか、容易く現実に起こりうることが描かれている。内容もスッキリというわけではない。
かなり薄くて読みやすいが、はげに全振り、おもしろいことに進んでいくだけではないのは注意が必要。