タワマンの連続不審死事件
2021/07/01 21:40
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タワーマンションで外国人が連続して死を遂げます。全員病死だけど、ほぼ同時はやはり不自然で謎が残ります。
タワマンに住んでいる小説家が謎を追い始めます。すると、謎が謎を呼び、人類の在り方を脅かす問題にまで行きつきます。
あらゆる事柄に勘違いを起こさせ、後にさらりと真実を明らかにする面白い展開。
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ジャンル分けはどうすればいいのか、ホラーファンタジーなのか人類学なのか、はたまたセックス史、とも呼ぶべきか。
男女のボーダーラインを引きようがないし、
感想もどう描けばよいか……
超SFなのはまちがいないけれど、またすごい小説にであってしまった。
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人間から『性欲』を取り去ったらどうなるんだろう…?
主人公みっちゃんが守った(多分)ものは、まさに人類の『性欲』なんだろう。
確かに『性欲』は人類の歴史や運命を狂わす莫大なエネルギーだと思う。
そして人が人たる所以でもあるとも思う。
国と国の陰謀とか、びっくり(!)AIのマサシゲとか、とてもスケールの大きな小説だなぁと思った。
けれど、根本に流れるテーマが『性欲』でもあるので、誰にでも自分のことのように考えられるお話。
マサシゲ好きだな…。笑
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初出 2019~20年「週刊新潮」
新宿2丁目への隕石衝突から5年経って、跡地にできた超高層マンションブルータワーで起きた住人3人白い幽霊による殺害事件と、タワーの地下深くの巨大研究施設で進められる一万人の無性欲ベビーの生産という”SF”(サイエンスっぽいファンタジー)。
バツイチで幽体離脱のできる(!)作家前沢は、くだんのブルータワーの57階に若いホモセクシャルの愛人と住んでいるが、不審死の起きた17階を「意識体」になって探ると、オーナーが設置した楠木正成の鎧武者姿のAI(マー君と呼ぶ)に察知され、オーナーの白水から犯人捜しの協力を求められる。
殺されたのは米露中のミサイル担当軍人で、彼らは地球の近くを通る小天体の軌道をミサイルで変えてインドに衝突させてインドを消滅させようとしたのだが、インド軍がそれを察知して直前に更に軌道を変えて「地球の中軸が通り、人類の未来」であるゲイの聖地新宿2丁目に衝突させたのだと分かる。(インドを消滅させられる隕石でどうやって新宿2丁目だけを破壊したの?、そもそも新宿2丁目が地球の中軸、世界原理の体現て何?、理解できん)
しかも、白水はインドの財閥のエージェントであり、巨額の費用を投じてタワーの深地層に研究施設を作り、レイプ被害の経験から人工子宮を開発した中国人の女性科学者を招き、AIとセックスさせることで前沢の幽体離脱の仕組みと暗号コードを解明し、それを利用して無性欲者の天才の意識体を人工子宮で生まれる1万人の赤ん坊に移植して、セックスを必要としない新しい人類を生産し、それを地球の中軸で行うことで世界の原理を変えて、それ以後生まれる子供を全部同じようにするという野望を遂げようとしていた。(なにそれ?)
前半は結構面白いのだが、最後に近づくとどんどん登場人物が増えて理解が追いつかなくなる。白い幽霊の正体も分からず、「地球の中軸」も科学的に何も解明されず、モヤモヤが残る。なんだかなー。。。
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『ファウンテンブルーの魔人たち』白石一文
いや、すごいなこれ、全くわからん。
なんなんこれ。
全くわからんけど、一気に読み切ってしまった。読み切ってしまったけど全くわからん。
最近の白石一文作品は正直よくわからんけど、その中でも特にぶっ飛んでると感じる。
しかしどうして白石一文さんの作品はこんなに分厚いのに一瞬で読み切ってしまうんだろう。
展開わけわからなさすぎるし登場人物も多すぎるのに、あまり読んでて混乱しないんだよな。
この人誰だっけ、ってならないし、起きた事も忘れない。そこはこの人の筆の強さだなあと思う。だからバリバリの企業小説とかもすんなり読めるんだよね。
今回も超常現象もの。幽体離脱する。
妻と別れ、高級タワーレジデンスで娘と同い年のパートナーと同棲生活をする主人公。作家で、元編集者。
「プラスチックの祈り」を何となく思い出す。
最近の作品はガチの私小説もあったけど、基本的に主人公に著者が投影されてるものが多いね。
AIロボットもだけど自動運転や口述筆記がさらっとでてきて、なんか超近未来である…
普通の現代っぽいのにさらりとAIロボット出てくるからちょっとついていけないわ…
とか思ってたら新宿に隕石?とか英理!!とか地下の研究所とかもう完全に読者置いてけぼりで笑った。
後半は特にもう白石一文ワールド炸裂でただただその思想に圧倒されるばかり。でもなんのこっちゃ全然わからん。
*
人工出産と、人類全アセクシュアル化計画について。
「人間にとって性欲というのは最早必要のない欲望」なのか。
人類が性愛から解放されてただ隣人を慈しむことができるようになったなら。
女性たちが「出産」から解放されたなら。
確かに無用な争いや諍いは減り、傷つけられ妨げられ虐げられ退けられる女性たちは減るだろう。
性愛がなくなることの是非はまだ私には判断できないけれど、
人工出産は気になるな。
どれだけ制度が整って周囲の理解が進んでも、女性は「産む」ことそのものからは逃れられないから。
いや、人工出産と無性愛は切っても切れないのかな。卵と鶏なのかな。
性愛を超越した生殖。
*
今回もちゃんと反原発ネタねじ込んできてて笑った。電力会社が舞台の企業小説、ほんとに書いてくれないかなあ。
あとほんとタワマン好きよね( ˙꒳˙ )
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ごめんなさい、途中で離脱。
それでも3/4くらいは読んだのだけど。
他に読みたい本があったのでやめました…
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心と体が離脱できる作家の前沢倫文(みっちゃん)を中心に娘の純菜、英里(ひでり)が当初の登場人物だが、AIロボットのマサシゲが出てきて話が急展開する.隕石をミサイルで軌道修正して新宿に落としたと推定されるロケット技術者の連続殺害事件が発端だが、それをみっちゃんが追及する中で、人口子宮の開発を手がけるウー・フーブー博士やインドのパール財閥が登場して話が複雑になる.彼らの最終目的はセックスの追放の由.男性による女性への性的虐待は人道犯罪だと決めつけているウー博士.荒唐無稽のストーリーだが、近未来の様子を想定していると考えると、あながちフェイクともいえないと感じた.
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いやー、重たかった。
近未来的で、スケールが大きくて、量が多くて、ちょっと疲れたのが本音。
性欲をなくす、とは、思い付くこと自体がスゴい(笑)
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私は好きだったが、人によってだいぶ好き嫌い別れそうだなと思った。特に前情報入れずに読み始めたので、突然の幽体離脱など現実離れした設定には少し面食らったが、近未来SFと思えばあり?かな?
ラストシーンがふわっとしているというか明確に解決(そもそもそんなものは無いのかもしれないけれど)しないまま終わる感じが個人的には少し不満。
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・テーマ/世界観 ★★★★★
・背景描写 ★★★★
・キャラクター ★★
・インパクト ★★★
・オリジナリティ ★★★
・テンポ/構成 ★★★
・文章/語彙 ★★★
・芸術性 ★★
・感動/共感 ★★★
・余韻 ★★