活版印刷三日月堂
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――
活版印刷三日月堂 小さな折り紙
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活版印刷三日月堂 1 星たちの栞
2018/05/05 22:23
なんとなく買ってみて、大当たりでした
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほしおさなえ『活版印刷三日月堂』は、未知の作家の初めて見る本。本屋で手にとって、なんとなく買ってみて、大当たりでした。こういう出合いはネットショップではありえない。(だから、やっぱり大きな本屋さんに時々は行かなくちゃ)
はじめ、ちょっともたもたした始まりだったんだけど、昔ながらの印刷屋さん、三日月堂がオープンしてから、どんどんよくなりました。
私は中学校で新聞部員だったので、鉛の活字そのものも、活字の版も見たことがあります。作中にも出てくる「銀河鉄道の夜」のジョバンニが活字を拾う場面も印象に残っています。だから、よけいにこの本が楽しめました。
また、続きが読みたい、書いてほしいなあ。
活版印刷三日月堂 1 星たちの栞
2018/09/30 08:22
インクのかおりが伝わってきそうな小説
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の雰囲気からファンタジーかな、あらすじに「活版を拾う」とあるから、『銀河鉄道の夜』のカンパネラが出てくるような幻想的な物語かなと思ったら、本当に昔ながらの活字拾いのお仕事の話でした。
これが、すごくいい!
地味な仕事なのに、どんどん惹き込まれて、読み終えた頃には活版印刷ができる工房って近くにないかなと探してしまったほど!
本書そのものは活版印刷されたものではないのですが、活版による文字の暖かさ、インクのにおいなどが読み進めているうちにどんどん感じられてくるような錯覚を覚えます。
現実世界の話なのに、宮沢賢治の作品を読んだかのような不思議な暖かさにも満たされ、余韻がずっと心に残りました。
キレイな物語です。
活版印刷三日月堂 2 海からの手紙
2017/02/07 03:03
決して電車の中では読まないでください
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろこしゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻がとても良かったので迷わず購入。
まさか続きが読めるとは思っていなかったので嬉しい。
今回は前巻の最終章で作られた招待状を手にした人の話からリレーのように話が展開して世界が広がっていく。
前回と大きく違っているのは「生と死」について問いかける話が大半を占めていること。
重いテーマだけど、それぞれの心に寄り添うように描かれる世界が、とても優しくて温かい。
特に「あわゆきのあと」が心に残る。
今回は、どの話も読んでいるうちに自然に涙が…
軽く柔らかい優しいタッチの文章だからと油断して電車の中や職場の休憩時間には読まないようにしてください。
この続きはあるのかな。
あるとしたら片山さんの本の完成報告がありますように。